紗雪の身の周りで不審な事故が相次ぎ、家族に勧められて寺へ向かったことから始まる現代怪異譚。住職の紹介で拝み屋の津々良と出会った紗雪は、怪異に巻き込まれた人や、日常の不安を抱えた相手の相談に関わることになる。物語は寺と拝み屋を起点に、事故、願い、土地に残る気配などを一件ずつたどる連作形式で進み、紗雪が津々良の仕事を知り、助手として距離を縮めていく流れがシリーズ全体を支える。各章では怪異そのものだけでなく、関わる人の事情や感情のもつれも扱われ、現代の生活圏に入り込む異変として描かれる。巻ごとに異なる相談と事件を重ねつつ、同じ人物関係と職能の周辺を掘り下げていく。不審な事故の原因を切り分ける作業と、相手の抱える事情を聞く流れが重なり、事件解決と関係性の整理が並行する。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 自己肯定感の低い主人公が、拝み屋のもとで少しずつ立ち直っていく成長譚として読まれている。
- 厳しい言葉が多い拝み屋の助言が、説教臭さよりも「刺さる」「正しい」と受け止められている。
- 怪異や不運の背景に、いじめ・職場の圧・家庭のしんどさなど現実的な苦さが重なる構成が印象に残っている。
- 人形や黒猫、野草料理など、怖さ一辺倒ではない細かな見どころが好評。
- 津々良と紗雪の不器用でゆっくりした距離感に、恋愛要素も含めて先が気になる空気がある。
こんな人におすすめ
- しんどい環境から少しずつ回復していく物語を読みたい人。
- ホラーよりも、怪異をきっかけにした心の立て直しや人間関係の変化を楽しみたい人。
- 厳しめだけど筋の通った年上キャラや、面倒見のいい相棒役が好きな人。
- 連作短編でサクサク読める作品を探している人。
- 重さはあるが、読後に前向きさや温かさも欲しい人。
人を選ぶポイント
- 事件解決の派手さや強いホラー感を期待すると、やや物足りなく感じやすい。
- 主人公の後ろ向きさや自己評価の低さが前面に出るため、人によっては合わない。
- 怪異よりも心の問題や成長が主軸なので、展開がゆっくりに感じられる。
- 作品の空気は暗めで、いじめやブラック企業など苦い要素が重なる。
- 物語の進み方に「ふわっとしている」「ご都合的」と受け取られる部分がある。
テンポ・読後感
- 連作短編で読みやすく、全体のテンポは比較的ゆるやか。
- 怪奇の怖さより、静かな不穏さと内面の変化が中心。
- 重い題材を扱いながらも、会話や日常描写にやわらかさがある。
- じわじわ気持ちが変わっていく手触りで、派手さより積み重ね型。
- ところどころで恋愛や相棒感が差し込み、空気が少し和らぐ。
キャラクターへの評価
- 紗雪は弱々しい出だしだが、応援したくなる、成長が見えると受け止められている。
- 津々良は穏やかで包容力がありつつ、言うべきことははっきり言う人物として印象が強い。
- 厳しい助言が多いのに、押しつけではなく優しさとして届く点が評価されている。
- 夜船や道生、佐田など脇役の存在感も好評で、物語の空気を支える役回りになっている。
- 紗雪と津々良の関係は、不器用でゆっくり進む距離感として見守られている。
巻一覧
この巻のあらすじ
紗雪の身の周りで不審な事故が相次いでいた。 奇妙に感じた家族からお寺でお祓いをするようにすすめられお寺に向かうことに。 しかし話を聞いた住職は津々良という拝み屋を紹介しーー?
『こんこん、いなり不動産』の著者が描く、ほんのりダークな現代怪異奇譚。 第一章 溺れる者は拝み屋にすがる 第二章 生き抜いた者に救いを 第三章 花、雲と嵐を退けて 第四章 川がやがて海へそそぐように 第五章 安息へ至る道
この巻のあらすじ
愛犬の死を引き金に身近な人間に不幸な事故が相次いで起こるようになった紗雪は住職の紹介で拝み屋の津々良を頼ることに。 彼は、紗雪を厳しく諭しながらも抱えていた問題を解決してくれたのだった。 それから半年近く拝み屋の助手として雇ってもらっているのに、津々良の仕事について何も知らないことに危機感を覚える紗雪。 少しでも恩人である津々良の役に立ちたいと思い勉強を始めることに……。
ほんのりダークな現代怪異奇譚 待望の第二弾! 第一章 山男とあやしもの 第二章 咲く花、散る花、ガマ蛙 第三章 形あるものに想いは宿る 第四章 もしも願いが叶うなら 第五章 心強くするもの
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