『闇に歌えば』は、霊感を備えた大学生・楠木誠志郎が、ヤミブンでの活動を通じて怪異の現場に足を運ぶ物語。舞台は大学、住宅、病院、城址、海辺など現代の生活圏で、そこで起こる不審死や霊的な異変、呪術の痕跡を手がかりに、誠志郎が原因を探っていく。周囲には大学の友人やヤミブンの仲間、御霊部、拝み屋の人物が関わり、事件ごとに立場の異なる相手と接触する。結界や同調(シンクロ)といった超常の手段が登場し、白い生き物、仮面、死体、黒蛇、人魚のミイラなど、題材も巻ごとに変化する。個別の事件を処理しながら、誠志郎と周囲の関係や所属先の輪郭が少しずつ見えていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 文化庁特殊文化財課「ヤミブン」という舞台設定が独特で、骨董品・妖怪・怪異を扱う仕事ものとして引きが強い。
- 事件の謎を追って解いていく流れがあり、ミステリ寄りの面白さで読ませる。
- 誠志郎のツン気味で不器用な反応や、周囲との距離感がキャラクターの魅力になっている。
- オサキ、耕作、安芸、有田など脇役の存在感が強く、掛け合いを楽しめる。
- ホラー要素や不穏な描写が効いていて、軽すぎない空気が印象に残る。
こんな人におすすめ
- 妖怪・怪異・骨董品まわりの設定が好きな人。
- 事件解決型の展開や、少しミステリっぽい雰囲気を求める人。
- 不器用で距離感のある主人公や、ツン気味の少年キャラが好きな人。
- 脇役同士の掛け合い、シリーズ内の人間関係を追うのが好きな人。
- 既刊をまとめて読みたい人、旧版からの復刊を追っている人。
人を選ぶポイント
- ホラー寄りの描写があり、背中に乗られる場面や身体的に痛い描写が苦手だときつい。
- 事件や怪異の結果として人死にが出る巻があり、明るい雰囲気だけではない。
- 巻によってはぶつ切り感や続き待ちのもやっとした終わり方がある。
- 誤植や版の違いに触れる感想があり、刊行状況を気にする読者には落ち着かない。
- 主人公が受け身で屈折して見える場面があり、まっすぐな熱血展開を期待すると合わない。
テンポ・読後感
- 1話ごとの事件を追いながら少しずつ全体像が見えてくる進み方。
- 日常の会話は軽口やツッコミが多く、空気は比較的テンポよく読める。
- ただし怪異や悪夢の場面では一気に不穏さが増して、読後感は軽快一辺倒ではない。
- 巻を重ねるほど人間関係や能力の輪郭が見えてきて、じわじわ盛り上がる。
- 旧版・新装版をまたいで読まれており、シリーズを追う楽しさが強い。
キャラクターへの評価
- 誠志郎は斜に構えた感じと不器用さが目立ち、成長前の幼さも含めて愛されている。
- オサキは可愛い、癒やし、出番があると嬉しい。
- 耕作は落ち着きや安心感のある存在として見られやすい。
- 安芸はとばっちり役や面倒ごとを引き受ける立ち位置で、印象に残りやすい。
- 有田や飛鳥井、課長などは癖の強さや掛け合いで存在感を出している。
巻一覧
この巻のあらすじ
霊能力を持つ大学生、楠木誠志郎。彼は引っ越ししたマンションで、不思議な白い生き物を目撃した。誠志郎が、何かが起きる前兆では、と考えた直後、隣室から悲鳴があがる。隣の部屋に住んでいた男が謎の死を遂げていたのだ。一方、引っ越しの手伝いで来ていた佳代が、ベランダで「ヒスイのような玉」を拾う。誠志郎はその玉を毒々しい色だと感じるが…!? もうひとつの「聖霊狩り」!
この巻のあらすじ
大学の友人・和宏に誘われて行った彼の叔父の家で、誠志郎は異形の仮面が枕元に浮かぶのを見る。それは、叔父一家を悩ませている怪奇現象だった。その上、和宏は誠志郎を「霊感少年」だと紹介していた。誠志郎は騙されたと感じ憤慨するが、結局は原因を探ることを承知する。だが、彼にはなにひとつ手がかりがなかった。そこで不本意ながらも、前日見かけたヤミブンの有田克之の行方を追うが!?
この巻のあらすじ
蝶の化身・瑠璃羽を倒した直後、誠志郎は猫のような瞳をもつ異形の少年・麻央に襲われ肩に重傷を負った。そのため入院を余儀なくされた彼は、入院費をヤミブンに返すことを理由にアルバイトとして働くことを決める。そうして治療に専念するはずだった誠志郎を深夜、激しい痛みが襲う。まるで傷口から毒が入りこんだかのような痛みに朦朧とする意識のなか、誠志郎は突然手を掴まれて…!?
この巻のあらすじ
克也とともに滝岡城址の調査に訪れた誠志郎は、出土品のなかにあった櫛に悪寒を感じ、白装束をまとう首のない女の霊をみた。その後、彼らは落城の日に血で真っ赤に染まったという滝へとむかう。そこは十分に供養が成されているらしく、白木蓮の美しい清浄な場所だった。だが、誠志郎が供養のための石碑を誤って倒してしまうと、辺りの気配は一変し、どこからか落ち武者の怨霊が現れて……!?
この巻のあらすじ
厳重に施された結界を抜け、ヤミブンの本拠地に次々と現れる黒蛇。それは誠志郎に恨みを持つ苑が、拝み屋である石塚と共謀し放った呪術だった。誠志郎はどうにか危機を乗り切るが、術によって意識を失った耕作が目覚めない。そこで彼は、唯一の力といえる能力で耕作と意識を同調(シンクロ)させ、夢の淵にいた彼を呼び戻した。だが、誠志郎の知らないところで苑の悪意は親友・和宏にも向かっていて!?
この巻のあらすじ
深夜の大学病院で霊安室から出ていく死体を、警備のバイトをしていた和宏が目撃した。だが、誰もそれを信じはせず、誠志郎ですらその話を聞き流した。しかし話の直後、彼は「歩く死体」と遭遇してしまう。それは、怪しげな青年・嶺が操り動かしていたものだった。そうとは知らず、誠志郎はヤミブンのメンバーに相談しようとするが、そうできないうちに美佳子の友人が事件に巻き込まれて……!?
この巻のあらすじ
霊感がないくせに霊に好かれる友人・安芸和宏が誠志郎のバイト先、ヤミブンにやってきた。自分を使って欲しいと売り込みに来たのだ。そんな彼にヤミブンの存在を教えてしまった誠志郎は、守秘義務を破った罰として週末返上で出張を言い渡されるが…。一方、異形の鳥が現れたと世間が騒ぎ出すなか、御霊部は柊一を瀬戸内海へと向かわせた。そこで彼は誠志郎と出会い、険悪ムードになって!?
この巻のあらすじ
バイト帰りに寄った和宏の自宅で、誠志郎は一糸纏わぬ美少女が「自分を目指して空から降ってくる」のを目撃する!? 少女は誠志郎に懐き離れようとせず、事情を知った和宏の隣人でもある美佳子とともに暫く面倒をみることに。だが、少女のことをヤミブンで相談しようとした矢先、誠志郎は克也と一緒の出張を言い渡された。誠志郎は少女を和宏に任せて、人魚のミイラを調べるため秋田へと向かうが…。
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