大学生の祝部が、先輩の織賀に死体処理を目撃されたことをきっかけに、『死体埋め部』へ引き込まれていく物語です。舞台は現代の大学と、その周辺の山道や移動先で、二人は“奇妙な死体”の事情を推理しながら処理を進めます。中心人物は、部長を名乗る織賀と、後輩として巻き込まれる祝部で、秘密の活動を通じて関係が変化していきます。物語の軸は、死体の背景を探る推理と、二人の過去や分岐した未来を含む関係の描写です。シリーズは本編のほか、在りし日の出来事や「もしも」の分岐を扱う補遺的な短編も含みます。死体処理の秘密と、大学生同士の距離感が並行して描かれる構成です。短編や補遺では、同じ人物関係を別の角度から補います。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 死体を埋める部活という不穏な設定と、車内で死体の状況を推理する変則ミステリーの組み合わせが強い。
- 事件そのものより、祝部と織賀の会話、承認し合う関係、共依存めいた距離感が読みどころになっている。
- ぶっ飛んだ発想なのに、情報の出し方や構成は意外と堅実で、連作短編としてのまとまりがある。
- 不謹慎さ、コミカルさ、切なさが同居し、軽さの中に刺さる感情の揺れがある。
- ラストまで含めて印象が強く、読後に残るタイプの作品として受け止められている。
こんな人におすすめ
- キャラクター同士の関係性を中心に楽しみたい人。
- 変則的な設定の青春ミステリや、背徳感のある連作短編が好きな人。
- 推理の正しさ以上に、会話劇や感情のぶつかり合いを味わいたい人。
- 斜線堂有紀作品の、苛烈な感情や歪んだ親愛を求める人。
- きれいに割り切れない余韻や、救いと痛みが混ざる読後感を受け入れられる人。
人を選ぶポイント
- 死体遺棄を扱うため、倫理的にかなり不穏で人を選ぶ。
- ミステリとしての謎解きより、関係性や感情の濃さが前面に出る。
- こじつけ感のある推理や、承認されること自体が重要な独特のルールが合わない場合がある。
- 物語の進み方や終わり方に、すっきりしたカタルシスを求めると引っかかりやすい。
- 続編やラストの展開に、好みが大きく分かれやすい。
テンポ・読後感
- 会話は軽快でテンポがよく、読みやすい。
- 事件の空気は不穏でも、やり取りには妙なポップさがある。
- 章ごとの感情の落差が大きく、楽しい場面の直後に重さが来る。
- 全体としては淡々と進むのに、要所で強くえぐってくる。
- 青春の明るさと、底に沈む暗さが同時にある。
キャラクターへの評価
- 祝部は流されやすく見えて、承認されたい気持ちや不安が強く出る。
- 織賀は爽やかさと壊れ方が同居し、掴みどころのない魅力がある。
- ふたりの関係は親愛、依存、救済、支配が混ざったように読まれている。
- 先輩後輩の上下関係が、そのまま歪んだ相棒感につながっている。
- どちらも普通の青春像からは外れているが、その危うさが印象に残る。
巻一覧
死体埋め部の悔恨と青春
死体埋め部の回想と再興
この巻のあらすじ
正当防衛で相手を殺してしまったところを同じ大学の先輩だという織賀に目撃された祝部。 秘密裡に死体の処理を請け負う『死体埋め部』の部長(ただし部員は織賀のみ)を自称する織賀に窮地から救ってはもらったものの、祝部は強制的に二人目の部員として、織賀待望の後輩になる羽目に。 織賀が運ぶ“奇妙な死体”がなぜそんな風に死んだのか、推理をさせられながら、祝部は織賀とともに死体を埋めるため、織賀の愛車のジャガーで山に向かう─。 在りし日の織賀と祝部の物語のほか、“あのあと、もしも、そうなら”という、分岐した未来をそれぞれ描いた二編も含めた青春の補遺集。
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