2023年夏、緊急事態宣言明けで日常を取り戻しつつある現代日本の高校を舞台に、受験勉強が本格化する前の思い出づくりで深夜の旧校舎へ忍び込んだ幼馴染四人が、宇宙服を着た白骨死体を見つけるところから始まる。四人はその死体を「チャーリー」と呼び、これは本物なのか、なぜ宇宙服なのか、旧校舎に置かれていた理由は何かを確かめていく。高校最後の夏、教室の外側にある秘密の空間と、身近な友人関係の中で起こる異物が結びついて物語が進む。中心となるのは個々の名前よりも四人の距離感と共同作業であり、思い出づくりという軽い動機から始まった行動が、死体の正体を探る調査へ変わっていく。舞台は旧校舎の物置部屋、深夜の侵入、受験前の夏休みという限定された範囲で、学園生活の延長線上にある非日常として組み立てられている。第18回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作として示されている通り、単巻でこの導入をまとめる構成になっている。

構造レビュー

編集部判定 判定なし

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

互いへの距離感に悩む幼馴染四人組のひと夏の冒険を生き生き描いた、SF仕立てのジュブナイルミステリー。旧校舎の屋上に忽然と出現した宇宙飛行士の白骨死体が、物語のフックとなる。

キャラクター A (3) レビュー

理由・補足

編集部

大人と子供の中間、将来の進路や友情と恋愛の間で悩む思春期の心理が見事に書けていた。瑞々しい心理描写が見所。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

オーソドックスな青春恋愛ものにSF仕立ての謎解きをプラスした意欲作。旧校舎を探検する幼馴染四人組と宇宙飛行士の白骨死体の取り合わせが、日常から数センチだけ遊離した非日常感を醸す、不思議な化学反応を生んでいた。

話題性 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

第十八回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。特設サイトも公開されている。

初心者向け A (3) レビュー

理由・補足

編集部

ヤングアダルト文学とラノベの中間のような立ち位置。ラノベに馴染みがない中高生にも勧めたいオーソドックスな内容。

読後感の良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

ひと夏の青春ものに相応しい爽快感が味わえる。日常と近接した非日常や胸躍る冒険好きは必見。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

会話はコミカルでテンポ良い。ラノベらしいライトな文体やキャラクターの行動力は、幅広い読者層を引き込める。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

地の文と会話のバランスは良い。SF成分はエッセンス程度に留め、青春・恋愛要素に重きを置いている為、難解な専門用語は最小限に抑えられている。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

屋上に突如として現れた宇宙飛行士の遺体の謎に高校生の男女グループが挑む。

編集部

コロナ禍が明けた2023年、高校生活最後の夏の思い出作りに深夜の旧校舎に忍び込んだ幼馴染四人。彼等が屋上で見付けたのは何故か宇宙服を着こんだ白骨死体だった。チャーリーと名付けたその死体の謎を解き明かすべく、四人は知恵を絞るのだが……。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

ジュブナイルSFや少年少女が活躍するミステリーが好きな人 コロナ禍に青春を過ごした人 宇宙に憧れる人 幼馴染男女四人のじれったい恋模様にハラハラドキドキしたい人

  • AI分析(あらすじ)

    高校最後の夏を舞台にした学園ミステリーや、幼馴染四人の関係性を軸にした謎解きに関心がある人。

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編集部

篠谷巧はラノベ作家兼ゲーム翻訳者。デビュー作は『君のいたずらが僕の世界を変える 食べもの探偵トモアキの事件簿』(宝島社文庫)。

イラストレーター情報

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編集部

さけハラスは日本のイラストレーター。ラノベの装画を数多く手掛ける。代表作は「同い年の妹と、二人一人旅」(MF文庫J)他。

編集部

第十八回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。

編集部

古典SFへのオマージュが随所に散りばめられた青春ジュブナイル。旧校舎の屋上に突如として現れた宇宙飛行士の骸骨の謎を巡り、幼馴染男女四人が奇想天外な推理を繰り広げる。夏の青空のように爽やかな読後感が印象的。年相応の無鉄砲さと思慮深さが同居する、キャラクターたちにも好感が持てた。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 '''チャーリー''' 本作のキーパーソンとなる宇宙飛行士の白骨死体。深夜の旧校舎の屋上で主人公たちと邂逅を果たす。彼(彼女)の意外な正体が本作最大のポイントとなる。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 取り壊し間際の旧校舎で宇宙服を着た白骨死体を発見し、幼馴染四人が「チャーリー」と名付けて謎に挑む、異色の導入にワクワクする。
  • コロナ禍で窮屈になった高校生の「失われた青春を取り戻す」というテーマが、2023年夏という時代設定と重なって刺さる。
  • 謎の欠片が集まり真相へ近づいていく中盤の推理展開や、幕間劇との組み合わせが読み応えある。
  • 『星を継ぐもの』を意識したSFオマージュと、少年少女の冒険譚・青春ドラマが一体になった世界観を楽しめる。
  • リアルとフィクションのバランスがよく、夏の思い出を振り返りながら読みたくなる雰囲気だ。

こんな人におすすめ

  • ジュブナイルSFや、少年少女が活躍する青春ミステリーが好きな人。
  • コロナ禍の高校生活を経験し、「奪われた青春」という言葉に共感しやすい人。
  • 廃校・旧校舎の不思議な出来事から始まる物語や、幼馴染の関係修復ドラマに惹かれる人。
  • 『星を継ぐもの』などクラシックSFへのリスペクト作品を味わいたい人。

人を選ぶポイント

  • オチの驚きはやや控えめで、面白さのピークが中盤に来て後半は失速したと感じる。
  • 終盤に情報や人物が後出しで増え、どこに感情移入すればよいか掴みにくかった。
  • 恋愛要素は薄めで、謎解き主体の構成だと感じる読者もいる。
  • 会話文で誰の台詞か分かりにくく、とくに女性キャラクターの個性が描き切れていない。
  • 現実の範囲に収めるための都合が目立ち、SFとしての振り切りやタイムリミットの緊張感に物足りなさを感じる。

テンポ・読後感

  • 前半から中盤にかけては謎が連鎖し、ドキドキしながら読めるテンポのよさを評価する声が多い。
  • 一方で後半は種明かしが続き、全体としてむらのある展開に感じた。
  • ミステリー・サスペンス・青春・SF(あるいはなんちゃってSF)が混ざった、夏のうだるような空気感。
  • 全体的には読みやすく、爽やかさや一夏の青春らしい落ち着いた着地を好む読者もいる。

キャラクターへの評価

  • 理久・宗太・紗季・華乃子の幼馴染四人が、過去の出来事で生じた溝を埋めながら結束していく関係性が好評。
  • 白骨死体「チャーリー」が物語の軸となり、四人の冒険と成長の象徴として機能している。
  • 恋愛よりも謎解きと友情・再会が中心で、じれったい恋模様を期待する人には物足りないかもしれない。
  • 紗季と華乃子の区別がつきにくい場面があり、キャラクターの個性描写にもう少し欲しい。

巻一覧

夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体
2024年7月 ISBN 9784094531985
この巻のあらすじ

旧校舎で見たのは、宇宙服を着た死体だった

「僕らの青春は奪われたんだ!」二◯二三年七月、緊急事態宣言も明け日常を取り戻しつつあった僕らは、受験勉強が本格化する前の思い出づくりとして深夜の旧校舎に忍び込んだ。好奇心と背徳感に胸を高鳴らせ、物置部屋の古びた扉を開ける。するとそこには、宇宙服を着た白骨死体が鎮座していた! 果たしてその死体は本物なのか? なぜ宇宙服を着ているのか? 幼馴染四人は、その死体を“チャーリー”と名付け、高校最後の夏をかけて奇妙な謎の真相に挑む。第18回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。

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