日本SF作家クラブ企画のSFアンソロジーで、少女小説の書き手たちが「少女」とSFを掛け合わせた短編を収録している。舞台は未来社会、宇宙、開発初期の惑星、氷とオーロラの世界、古代風の異類婚姻譚など多様で、各作家が異なる設定を用いて少女像を描く。中心にあるのは、喪失、家出、双子、共生AI、音楽、賞金稼ぎ、ファーストコンタクトといった題材を通じた人物の選択で、シリーズ全体としては一冊完結のアンソロジーとして複数のSF的視点を並べる構成になっている。続編や外伝は確認できない。少女小説とSFの接点を、収録作ごとに別の角度から示す内容である。

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    - SF短編のアンソロジーを読みたい人 - 少女を中心にした物語に関心がある人 - 未来社会や宇宙、ファーストコンタクトの題材が好きな人

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作品の魅力

  • 新井素子、皆川ゆか、ひかわ玲子、若木未生、津守時生、榎木洋子、雪乃紗衣、紅玉いづき、辻村深月といった名前に反応する読者が多い。
  • 少女小説とSFの組み合わせが新鮮で、企画そのものの豪華さや珍しさが強く印象に残っている。
  • 作品ごとにジュブナイル、ホラー、バディもの、ディストピア、恋愛譚など作風の振れ幅が大きい。
  • 既読作家の持ち味がそのまま出る短編があり、ファンには「らしさ」を楽しめる構成になっている。
  • 装丁や紙質、スピン付きの作り込みまで含めて本としての満足感が高い。

こんな人におすすめ

  • コバルト文庫や昔の少女小説に親しんだ世代。
  • 新井素子や紅玉いづきなど、作家買いをしやすい読者。
  • 少女小説の文脈からSFやホラー、ジェンダー、ディストピアを読むのが好きな人。
  • 短編を少しずつ味わいたい人。
  • ライトノベルの流れや少女向けレーベルの変遷に興味がある人。

人を選ぶポイント

  • 作品ごとの当たり外れの感じ方に差があり、全編を強く推す声ばかりではない。
  • 既読作家やシリーズの知識があるほど楽しみやすく、初見だと解説やコラムの元ネタが追いにくい。
  • 一部にグロめ、ホラー寄り、しっぺ返しの強い展開がある。
  • ふわっとした表紙イメージより内容はハードめで、気軽な少女小説を期待すると驚く。
  • 長編やシリーズ展開まで追うには向き不向きがある。

テンポ・読後感

  • 短編中心で読み進めやすいが、終盤に重さや余韻を残す話が多い。
  • 作品ごとにテンポがかなり違い、軽快なものから実験的でやや難解なものまである。
  • 懐かしさと新しさが同居し、昔の少女小説の空気と現代的テーマが混ざっている。
  • 初々しさ、痛み、歪さ、刹那感が印象に残る。
  • 全体としては読み応えがあり、ワクワク感と少しの気恥ずかしさが同居する。

キャラクターへの評価

  • 紅玉いづきのヒロイン像や繊細な恋愛描写を高く評価する声が目立つ。
  • 新井素子は文体や一人称の空気感が強く、作品の存在感が際立っている。
  • ひかわ玲子や雪乃紗衣は設定の大きさや意外性で印象を残している。
  • 作品によっては「女の子の自意識」「少女視点の発想」が面白さの核になっている。
  • バディもの、双子もの、恋人たちの関係性など、人物同士の距離感を楽しむ読み方が合う。

巻一覧

少女小説とSF
2024年3月 ISBN 9784065351451
この巻のあらすじ

日本SF作家クラブ企画! あなたの心に眠る〈少女〉へ贈る、SF小説アンソロジー。 世代を超えて集結した豪華・少女小説作家たちが、少女小説とSFの可能性を解き放つ!

〈収録作品〉 新井素子「この日、あたしは」 パーソナルAIとの共生が浸透した未来。地震で母を亡くした「あたし」に生まれた願いとはーー

皆川ゆか「ぼくの好きな貌(かお)」 人面犬に殺された妹と、人面瘡に蝕まれる姉。双子の姉妹に訪れた破滅(カタストロフ)の真相が明かされるーー

ひかわ玲子「わたしと「わたし」」 人がみな双子で生まれ出ずる惑星に、ひとりきりで生まれてしまった少女の運命はーー

若木未生「ロストグリーン」 天才作曲家の少年と彼を支える編曲家。ふたりの前に鎮魂歌の作曲を求める青年が現れたーー

津守時生「守護するもの」 戦禍の果てに家族を失った少年は青年となり、美貌の相棒とともに宇宙へ賞金稼ぎに繰り出すーー

榎木洋子「あなたのお家はどこ?」 開発初期の地球型惑星に暮らす少女は、家出という名の小さくて大きな冒険へと旅立ったーー

雪乃紗衣「一つ星」 目を醒ますと少女の首には奇妙な頸輪があった。氷とオーロラの世界を歩むガール・ミーツ・ボーイの行方はーー

紅玉いづき「とりかえばやのかぐや姫」 竹から生まれた美しい男と、帝の地位についた少女。私たちの知らない古代の異類婚姻譚(ファーストコンタクト)が物語られるーー

辻村七子「或る恋人達の話」 全身機械化手術が普及した革命後のフランスで、『ナポレオン法典EX』が愛し合うふたりの男を阻むーー

嵯峨景子「コラム 少女小説とSFの交点」 少女小説家たちが手がけたSFの歴史、コバルト文庫以降の少女小説とSFの交点を辿るーー

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