舞台は明治期の大阪。会社の倒産で行き場を失った峯北修は、所員募集の貼り紙を見て「妖怪科學研究所」に入る。所長の八尋は、妖怪とされた出来事を科学の側から見直し、依頼人の困りごとをほどいていく人物で、修はその方針に引かれて調査に参加する。さらに小説家の飯窪恭之介も加わり、三人は村で続く失踪と「ゆらさま」の言い伝えを手がかりに、土地に残る記憶と人々の思い込みを確かめていく。相談の受理、聞き取り、現地確認を重ねながら、近代化が進む都市と旧来の信仰が同じ事件の中で交差する。修は迷信を嫌い、八尋は妖怪を否定し、飯窪は妖怪を題材に書く立場にあるため、同じ出来事でも見え方がずれる。事件のたびに三人の視点を使い分け、説明のつかない現象を一つずつ検証していく流れが作品の骨格になる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 明治の大阪を舞台に、妖怪や迷信を科学でほどく筋立てが読みやすい。
- 事件の骨組みがしっかりしていて、謎解き中心で進。
- BL色を強く前面に出さず、一般文芸寄りとして受け取りやすい。
- 参考文献が多く、時代背景や理屈づけに厚みがある。
- 白猫や華族の友人など、脇の要素に惹かれる読者もいる。
こんな人におすすめ
- 明治もの、あやかしもの、神隠しや秘境の雰囲気が好きな人。
- キャラ文芸の軽さより、筋の通った謎解きを読みたい人。
- BL作家の作品でも、恋愛要素を控えめに楽しみたい人。
- 横溝正史風の空気や、理性と迷信の対立に興味がある人。
- さくさく読める歴史ミステリを探している人。
人を選ぶポイント
- 登場人物の魅力が弱く感じられ、主人公にいら立つ読者もいる。
- 謎の答えが早めに見えてしまい、驚きが少ない場面がある。
- 読後感がすっきりしない、もやっとした終わり方に感じることがある。
- タイトルと内容の結びつきが分かりにくい。
- 妖怪要素やBL要素を強く期待すると、肩透かしになりやすい。
テンポ・読後感
- 文体は平易で、全体に読みやすい。
- 事件解決は理詰めで進み、ノンストレスで追いやすい。
- 途中で少し時間がかかる、流し読みになったという反応もある。
- 雰囲気は明治の田舎や秘境の不穏さがありつつ、過度に重くはない。
- すっきりしない余韻を残すため、爽快感より空気感が残る。
キャラクターへの評価
- 八尋は無愛想で仏頂面だが、謎解き役として印象に残る。
- 修は真っ直ぐで情に厚く、頼もしさが増していきそうだと見られている。
- ただし、修にいら立つ、主要人物全体に魅力を感じにくい。
- 飯窪や華族の友人は立場や性格を活かした動きが好意的に受け取られている。
- 白猫は可愛い存在として気にされ、物語への関わりを期待されている。
巻一覧
この巻のあらすじ
それは迷信だ!――明治あやかし事件解明録。
明治時代、大阪。会社が倒産して失業し、手持ちの金も尽きて町をさまよっていた峯北修は、小さなビルの扉に掲げられた「妖怪科學研究所」の看板と所員募集の貼り紙を見つける。怪しげな名だが採用してくれるならありがたい。扉を開いた修は、大量の本の間で不機嫌そうに座る男――所長の八尋に対面する。八尋によるとこの研究所は、不可思議な事件を科学的に説明することで依頼人の問題を解決するらしい。迷信嫌いの修は八尋に共感、ここで働くことを決める。 八尋の友人で小説家の飯窪恭之介とも出会い、研究所に馴染んできた頃、修は一人の青年の相談を受ける。青年の父が村長を務める村で、立て続けに人が行方不明になるが、村人たちは妖怪「ゆらさま」の仕業だとして行方不明者を捜そうとしないらしい。八尋と修、なぜか同行することになった飯窪の三人は、「ゆらさま」の事件の真相を探るため、村へと向かうが……。 「妖怪など迷信だ!」と断じる所長の八尋。迷信を憎む修。妖怪の小説を執筆する飯窪。欧化の波に逆らうように、いまだ人々の心を恐怖させる「妖怪」の正体とは――? 大人気BL作家が初めて挑む、明治あやかし事件解明録!
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