構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

絵がテーマの青春ミステリー。第一弾『プシュケの涙』では由良と同じ美術部の女生徒の自殺の真相が解き明かされる。シリーズ刊行に伴い由良が加齢し、人間関係が柔軟に変化していくのがポイント。焦点が当たるのは殺人事件に限らず、些細な違和感を起点とする、日常の謎の方に比重が傾いている。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

シリーズ名になっている由良の存在感が抜群。出番の少ない巻もあるものの、直接的間接的に登場人物に与えた影響は絶大。彼が『プシュケの涙』で経験した喪失をどうやって埋めていくかが、全編を通しての大きな課題となる。

設定・世界観 A (3) レビュー

理由・補足

編集部

現代日本の学園が舞台。美術部や絵画が重要なファクターとして関わってくる為、絵が好きな読者の琴線に響く。シリーズ内で時間が経過し、初登場時は高校生だった由良は教師になった。

話題性 B (2) レビュー

理由・補足

編集部

一部に根強いファンがいるものの地味な作品な為、話題になったとは言い難い。

初心者向け A (3) レビュー

理由・補足

編集部

読者の支持を受けシリーズ化したが当初は1巻完結を予定していたので、『プシュケの涙』だけで問題なく読める。アニメ絵に抵抗を感じる人も手に取りやすい綺麗な表紙。登場人物の繊細な心理描写、由良の天才性の描写が刺さる人には刺さる。特に女性に受けそうな作風。

読後感の良さ B (2) レビュー

理由・補足

編集部

事件の真相が判明した所で起きてしまった悲劇は取り消せず、不幸な結末を辿った死者が戻ってくるわけでもない。片割れとも言える存在を失った喪失感と死別後の余生の虚無感が美しく詩的な文章で表現され、哀切な余韻と共に不条理な現実を噛み締めた。

テンポの良さ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

普通。『プシュケの涙』以降は後日談の趣が強く、『プシュケの涙』で由良に惚れた読者向け。本格ミステリーを期待すると、事件の種明かしがあっけなさすぎて物足りない。

読みやすさ A (3) レビュー

理由・補足

編集部

色彩の表現にこだわった美しい文章。こまやかな心情描写が切実なまでの共感を呼び起こす。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

美術部の生徒が校舎から飛び降りて死んだ。彼女の死の真相を調べる変人・由良の目的は?

編集部

柴村仁の代表作として認知された青春ミステリーシリーズ。絵の天才として知られる変人・柴村仁が、学生時代~教師時代に関わったミステリアスな事件の顛末を綴る。

こんな人におすすめ

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編集部

青春学園ミステリーが好きな人 絵描きの苦悩や葛藤を追体験したい人 部活ものが好きな人 見事な叙述トリックに引っ掛かりたい人 衝撃のどんでん返しを味わいたい人 美形の変人が探偵を務める話が好きな人

編集部

柴村仁は日本のラノベ作家。主に電撃文庫で活動していた。代表作は以下。 『我が家のお稲荷さま。』 『キソ会長シリーズ』 『市シリーズ』 『オコノギくんは人魚ですので』 『E.a.G.』 『ぜふぁがるど』 『4Girls』 『雛鳥トートロジィ』 『虫籠のカガステル』(ノベライズ)

イラストレーター情報

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編集部

アスキー・メディアワークス版は也、講談社版は荒川眞生が表紙を担当している。

編集部

メディアワークス文庫版は刊行年が古く入手困難だが、講談社文庫版は比較的容易に手に入る。

編集部

ある女子生徒の転落死から幕を開ける青春学園ミステリー。推理のロジックや整合性よりもその決断に至った動機面に分け入っていく作風で、切ない持ち味が引き立っていた。本格的な推理物を期待すると微妙だが、少年少女の感情のすれ違いが生むメランコリーな悲劇は、一部の層に確実に刺さる。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 '''由良彼方''' 突飛な言動故に変人扱いされている高校生。美術部所属で独特な絵を描く。一種の天才肌で空気が読めない所がある。同じ部活だった吉野彼方の自殺の真相を求め、彼女の墜落の瞬間を目撃したクラスメイト・榎戸川に接近する。双子の兄の名前は宛。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

二部構成で、前半のミステリー調と後半の別視点による青春・感情描写の対比が高く評価されているという声が多い。叙述上の仕掛けや想定外の展開に「騙された」「何度も読み返した」と驚きの声が目立つ。切なく儚い読後感の一方で、透明感やほんのりとした温かさも感じられるという評価がある。絵画・美術部を軸にした世界観や、表紙・挿絵の美しさが物語の余韻を深めているという声も多い。

こんな人におすすめ

青春学園ミステリーや部活ものが好きな人。絵描きの苦悩や創作への執着を追体験したい人。切ない恋愛や喪失、儚い青春を味わいたい人。二部構成や語り手の切り替えといった構成の妙を楽しみたい人。突拍子もない魅力ある主人公や、人間の機微の強いキャラクターが好きな人。

人を選ぶポイント

前半と後半でジャンル感や主役が大きく変わるため、後半で「何が何やら」と戸惑うという声もある。続編・完結編と連動する内容が多く、シリーズ未読だと位置づけや没入の仕方が分かりにくいという指摘がある。登場人物の関係や行動にモヤモヤ感を覚える読者もおり、読後の余韻が重く残る作品だという声がある。

テンポ・読後感

前半は謎解きとして引き込まれ、後半はより純化された透明感のある青春描写へ移行する、対照的なテンポという声が多い。全体的に切なく、やるせない、儚いといった読後感が強い一方、前を向いて生きていく姿や、想いが通じ合う瞬間にほんのり温かさを感じるという評価もある。衝撃的な展開のあとも余韻に浸り、シリーズを読み返したくなる作品だという声がある。

キャラクターへの評価

由良彼方は、自由で突拍子もなく、容姿も絵の才能も魅力的な「変人」として強い人気がある一方、想い人への喪失や弱さがにじむ描写に「抱きしめたい」「ダメージが大きかった」と共感する声が多い。吉野彼方は、キラキラした青春の象徴として印象深く、彼女を巡る想いが物語の核になっているという評価がある。後半の語り手や周囲の人物(A、榎戸川、宛など)は、人間らしい感情の揺れや執着がリアルで、応援したくなる・共感できるという声もある。

巻一覧

プシュケの涙
2009年1月 ISBN 9784048674676
プシュケの涙
2010年2月 ISBN 9784048683852
ハイドラの告白
2010年3月 ISBN 9784048684651
セイジャの式日
2010年4月 ISBN 9784048685320

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