現代日本の検察を舞台に、特捜部初の女性検事・常磐春子、見習い検事の倉沢ひとみ、小倉支部の久我周平らが、それぞれ異なる事件と向き合う連作短編集。下水道事業の談合事件、地方異動先で起こる騒動、暴力団を相手にする案件などを通じて、起訴か不起訴か、組織の判断か現場の事情かという検察の仕事の中身が描かれる。人が人を裁くことへの迷いと、被疑者や周辺人物の事情に耳を傾ける姿勢がシリーズ全体の軸になっている。全4話で、女性検事、若手検事、支部検事といった立場の違いが並び、検察内部の見え方も分かれていく。
構造レビュー
こんな人におすすめ
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AI分析(あらすじ)
検察や司法の現場を舞台にした物語を読みたい人、複数の検事の視点で事件を追う構成に関心がある人。
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 検事たちの仕事ぶりと人間関係が、事件解決と並んで読ませる。
- 前作からのつながりや、前日譚・補完エピソードが積み重なって世界が広がる。
- 主要人物それぞれに見せ場があり、短編ごとに主役が変わる構成が楽しい。
- 事件ものでも重苦しさが薄く、読み終えたあとに温度の残る話が多い。
- 健ちゃんをはじめ、キャラの立った人物が印象に残る。
こんな人におすすめ
- 前作『転がる検事に苔むさず』を読んでいて、人物関係を覚えている人。
- 検事や周辺人物の群像劇、スピンオフ的な短編集が好きな人。
- どろどろした法廷ものより、軽やかさやほっこり感を求める人。
- 連作短編で少しずつ背景がつながる読み味を楽しみたい人。
- 事件の派手さより、会話や人物描写を味わいたい人。
人を選ぶポイント
- 時間軸や視点が行き来するため、前後関係を追いにくい場面がある。
- 久我周平の出番を強く期待すると、物足りなさが残る。
- タイトルから想像する恋愛要素は控えめで、恋物語としては薄い。
- 前作未読でも読めるが、人物の関係性は前作を知っている方が入りやすい。
- 章ごとのつながりが分かりにくいと、全体像をつかみにくい。
テンポ・読後感
- 短編ごとにテンポよく進み、ページが進むのが早い。
- 事件の重さは抑えめで、読後感はやわらかい。
- 文章に少し古風さがあるが、前向きで温かい空気がある。
- すっきり読める一方、構成が飛ぶと戸惑いも出やすい。
- お仕事小説寄りの落ち着いた雰囲気で、じんわり残るタイプ。
キャラクターへの評価
- 健ちゃんが強い印象を残し、作品の空気を支えている。
- 常磐春子は空気を読まない芯の強さが目立つ。
- 倉沢ひとみは歯に衣着せぬタイプとして存在感がある。
- 有村誠司や久我周平の今後が気になる。
- 登場人物が人間くさく、硬すぎない魅力で読まれている。
巻一覧
この巻のあらすじ
空気を読まない女検事、降臨!
人が人を裁けるのかーー 「正義」の番人たちの懊悩に迫る人情検察小説。
「特捜部初の女性検事」として期待と嫉妬を一身に背負う常磐春子は、着任早々、下水道事業の五社談合事件を任された。落とし所は末端社員たちの摘発ーー。しかし、取り調べ中に闖入してきた被疑者の幼なじみによって、捜査は思わぬ方向に転がり始めた。
築地の魚屋で働く男は、被疑者を庇いながら言葉を吐く。 「おれはよ、法に背いたのは人間じゃねえ気がするんだ。人間の周りを囲んでいる全体みたいなもんだ」 覚悟を決めた春子は、検察幹部仰天の一手に出た(表題作)。
見習い検事の倉沢ひとみが異動先の鹿児島で一騒動を起こす「ジャンブルズ」、小倉支部の万年窓際検事・久我周平が組織から孤立しながら凶悪暴力団に立ち向かう「海と殺意」ほか、全4話の連作短編集。 シャベルとスコップ ジャンブルズ 恋する検事はわきまえない 海と殺意 健ちゃんに法はいらない 春風 解説 頭木弘樹
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