属性
郷土史家だった祖父の遺稿「巷説山埜風土夜話」を手がかりに、山埜村に残る伝承と怪異をたどる和風幻想譚。大学生の晶は、弟の雫とともに遺品整理の最中に起きた不思議な出来事へ向き合い、水没した村の骨、深山に眠るとされる存在、かんざしに導かれる話、鵺の声が関わる神隠しなど、土地に根づいた小話を追っていく。各話は個別の出来事として読める一方、祖父が遺稿で何を残そうとしたのかという軸でつながっている。
構造レビュー
こんな人におすすめ
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AI分析(あらすじ)
和風の怪異譚や村の伝承を追う物語を読みたい人、家族の遺稿や記憶が軸になる話に関心がある人。
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 祖父の遺品や土地に残る話を手がかりに、怪異と家族の過去が少しずつつながっていく構成。
- 民俗学、土着信仰、昔話めいた要素が強く、伝奇ホラーとしての雰囲気が濃い。
- 事件ごとに祖父の人物像が見えてくる流れがあり、謎解きと感情面の両方で読ませる。
- じわじわ怖い怪談寄りの空気と、要所で入る不思議な力や兄弟のやり取りが印象に残る。
- 祖父とのすれ違いを抱えたまま向き合っていく流れに、切なさや余韻がある。
こんな人におすすめ
- 民俗学、郷土史、怪談、伝奇ものが好きな人。
- ミステリよりも、土地の因縁や怪異の気配を味わいたい人。
- 家族の確執や遺品整理を軸にした物語に惹かれる人。
- 兄弟の距離感や掛け合いも楽しみたい人。
- じわじわ怖い話は好きだが、露骨なスプラッターは求めていない人。
人を選ぶポイント
- 序盤の事件解決ものを想像すると、後半のホラー寄りの強さに驚きやすい。
- 祖父との関係性や家族のわだかまりが中心にあるため、軽い読み味だけを期待すると重く感じる。
- 怪異や伝承の説明が多く、雰囲気重視の進み方に好みが分かれる。
- すっきり割り切るより、余韻や未消化感を残す展開がある。
- 作品の怖さは派手さより、静かに迫るタイプ。
テンポ・読後感
- 序盤はミステリ寄りで入りやすく、進むほどホラーと伝奇の色が濃くなる。
- 事件や小話を追うごとに土地の空気と祖父の気配が立ち上がる。
- じわじわ不穏さが増していくため、読み心地は落ち着いているのに緊張感がある。
- 怪異の場面は怖さがありつつ、兄弟のやり取りで少し緩。
- しっとりした余韻と、前向きさを残す着地が印象的。
キャラクターへの評価
- 晶は祖父への複雑な感情を抱えながらも、事件を通して少しずつ見方が変わっていく。
- 雫は不思議な力で要所を支える存在として目立ち、兄を助ける場面が多い。
- 兄弟の距離感は近く、互いを強く気にかける関係が目を引く。
- 祖父は不器用で、周囲から見た人物像と晶の認識にずれがある。
- 祖父の知人や土地の人々の語りから、人物像が断片的に立ち上がる。
巻一覧
月の汀に啼く鵺は 巷説山埜風土夜話の相続人
この巻のあらすじ
怪異に隠された優しさを照らし出す風土幻想奇譚!! ーーここにある小話集は、山埜村の村民より聞いた話を、あらためて記録したものである。 ただし、真偽のほどは定かでない
郷土史家だった祖父が死んだ。 顔も知らない祖父に複雑な思いを抱いていた大学生の晶は、弟の雫と共に遺品を処分することに。 だが、雫が見付けた遺稿「巷説山埜風土夜話」をなぞるような不思議な事件に次々と巻き込まれ……。 水没した村から発見された骨が導く天狗伝説の真実「消えた墓標」、 深山に眠る“マンボウ"を探す「夏の記憶」 かんざしに導かれ故人の無念を晴らす「鬼の棲む家」 恐怖の影で晶を惑わす母への慕情「まれびとさん」 ここに、鵺の声に始まる神隠しの物語が一編入っている「月の水際」
真偽不明の伝承に隠された過去、あえて真実を覆い隠した祖父の真意とはーー?
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