高校に進学した冴島亘は、父の死後から続く不眠に悩み、幼い頃に父が読んでくれた絵本と「魔法の呪文」を手がかりに、その本を探し始める。題名も著者も分からない絵本を追う過程で、同級生の三枝致留も同じ本を探していることが分かり、二人は手がかりを集めながら父や家族の記憶、周囲の人間関係に向き合っていく。舞台は現代の高校と家庭で、物語は喪失のあとに残る記憶、友情の形成、過去の出来事の再確認を軸に進む。単巻構成で、絵本探しを通じて主人公の内面と周囲の関係が少しずつほどけていく内容。絵本にまつわる謎と家族の記憶が、日常の中で結び直されていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 父の死後に不眠に悩む高校生が、幼い頃の絵本の記憶を手がかりに探し物を始める喪失と再生の青春譚。
- 序盤は遠回りに見えても、親世代の関係や二人の目的が後半で一気につながる構成が読みやすい。
- 鼻につく青臭さが少なく、ふわっとした爽やかさで読める。
- 友達というより目的達成のための相棒として、気軽に思いを共有できる関係が好評。
- 悪意ある悪役がおらず、ラストに向けてホッコリと前を向ける余韻が残る。
こんな人におすすめ
- 中高生に勧めやすい、穏やかな青春小説を探している読者。
- 喪失や不眠を扱いつつも、重くなりすぎない読後感を求める人。
- 男性二人の主人公でもBL的な匂いを求めない読者。
- 図書館や本探し、記憶の再発見が好きな読者。
- 「夜のピクニック」のような、夜と静けさのある青春物が好きな人。
人を選ぶポイント
- 不良気味の男子高校生×絵本探しという組み合わせに、やや非現実的・幻想的に感じる読者もいる。
- 序盤に出るキーワードから図書館のレファレンスで解決できそうな話だと感じ、探し方の遠回りさが気になる場合がある。
- 内容はやや薄めで、ドンデン返しも控えめな淡い作風。
- 鹿江先生の別の面が見えた後、主人公たちとの絡みが少なく物足りないと感じる点がある。
- 更荷の製菓スキルが学生レベルを超えており、設定への違和感を覚える読者もいる。
テンポ・読後感
- 全体的に濃くなく、軽やかで読み進めやすいテンポ。
- 今風の青春物語らしさが本作の味になっている。
- 終盤に向けて温かさが増し、普通に良いシーンが印象に残る。
- 邪念を振り払えば爽やかな後味が残る読み心地。
- 続編で主人公を変えた物語が出てもよさそう、という期待の声もある。
キャラクターへの評価
- 冴島亘は不眠と父の記憶を抱え、絵本探しを通じて成長する主人公。
- 三枝致留は校内で問題児と噂されつつ、同じ絵本を探す相棒として機能する。
- 二人の関係は親友より共犯者的で、目的達成と心の共有が軸。
- 更荷は製菓の腕前が突出しており、パティシエ向きではないか。
- 鹿江先生は普段苦手とされる別の面が見えるが、その後の主人公との関わりは浅い。
巻一覧
この巻のあらすじ
高校に進学した冴島亘は、不眠に悩まされていた。三年前、父が病で亡くなってしまってからのことだ。不眠の症状が出るのは、母が夜勤で不在の夜だけなのだ。そんな中、幼い頃に父が読んでくれた絵本に、よく眠れる「魔法の呪文」があったことを思い出した。不眠が治るわけでもないと知りつつも、その呪文が気になった亘は絵本を探そうとするが、タイトルも著者も分からない。どうしようかと悩んでいると、同級生で問題児と噂のある三枝致留も同じ絵本を探していることを偶然知ってしまい……? 絵本と父の思い出をたどる、成長と友情の青春物語。 【もくじ】 1:脇役たちの物語 2:チョコレートとペア制度 3:秘密の場所 4魔法の呪文 5:ひとすじの希望の光 6:親の背中 7:月夜のお茶会 8:解き明かされた遠い青春 9:それぞれの想い 10:宝箱の中には
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