カスタム・チャイルド
- 著者
- 壁井ユカコ
- イラスト
- 鈴木次郎
- レーベル
- 電撃文庫、メディアワークス文庫
- 刊行年
- 2005-2009
- 巻数
- 2巻
- アニメ化
- —
- 読み放題状況
- Kindle Unlimited: 1巻まで / BOOK☆WALKER: 1巻まで
遺伝子工学だけが極端に発達し、子どもの容姿を設計できる仮想現代を舞台にしたSF青春シリーズ。生体実験のバイトをして虚無的に過ごす大学生の三嶋は、ある朝部屋にいた謎の少女マドカとの接点から揺れ始める。別の物語では、犯罪者の遺伝子に傾倒する春野、アニメキャラクターの実体化として作られたレイ、遺伝子操作を拒む家庭に育った清田が、予備校の夏期講習で出会う。身体設計が可能な社会で、親の選択や遺伝子への態度が本人の居場所や対人関係にどう影響するかを、若者同士の反発と接近を通して描く。どの人物も、出自が先に意味づけられる世界で自分の輪郭を探している。物語は事件の連鎖よりも、同じ時代の中で異なる立場に置かれた若者の並置に重心がある。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
研究所から脱走した謎の少女と大学生の出会いが、飽和した遺伝子ビジネスの根幹を揺るがす。
編集部
生殖ビジネス市場が活性化し、デザイナーベイビーがマジョリティとなった仮想現代が舞台のSFサスペンス。研究所から逃げ出してきた少女を偶然拾った青年が、彼女の出自を探るうちに、巨大企業を牛耳る一族の陰謀に巻き込まれていく。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
遺伝子医療に関心がある人 出生前に遺伝子操作を施されたカスタム・チャイルドたちの運命を見届けたい人 野良猫みたいな少女と無気力な青年の同居に胸キュンしたい人 退廃的なスラムの日常を覗きたい人
-
AI分析(あらすじ)
遺伝子工学が社会に入り込んだ近未来寄りの設定や、予備校・大学生を中心にした若者同士の関係変化を読みたい人。
著者情報
この項目をレビュー編集部
壁井ユカコは日本のラノベ作家。SF・ファンタジー分野を得意とする。代表作は以下。 * キーリシリーズ * 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち * クロノ×セクス×コンプレックス * 五籠世界 WOOLONG WORLD * 2.43 清陰高校男子バレー部シリーズ * NO CALL NO LIFE * エンドロールまであと、 * イチゴミルク ビターデイズ * サマーサイダー * 代々木Love&Hateパーク * K-Lost Small World-
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
鈴木次郎は日本のイラストレーター兼漫画家。人気ゲーム『刀剣乱舞』の刀剣男士のキャラデザも手掛ける。代表作は以下。 * 居眠りキングダム(野梨原花南・コバルト文庫) * よかったり悪かったりする魔女シリーズ(野梨原花南・コバルト文庫) * NO CALL NO LIFE(壁井ユカコ・メディアワークス) * マルタ・サギーは探偵ですか?(野梨原花南・富士見L文庫) * K 青の事件簿(宮沢龍生(GoRA)・講談社BOX) * 裋壊し編(じぇばんに・ひぐらしのなく頃に 語咄し編) * 里恋し編(ゴドメ・ひぐらしのなく頃に 語咄し編2) * ありがとう(ゴンベ・ひぐらしのなく頃に 語咄し編3) * ブレイブリーデフォルト Rの手帳(月島総記・スクウェア・エニックス) * ノラネコシティ(木崎ちあき・ビーズログ文庫アリス) * LAIDBACKERS -レイドバッカーズ- THE NOVEL(永菜葉一・角川スニーカー文庫) * ツギネ江戸奇譚 ―藪のせがれと錠前屋―(佐倉ユミ・集英社オレンジ文庫) * 祟られ屋・黒染十字 その呪い、引き受けます(敷島シキ・角川ホラー文庫)
編集部
壁井ユカコのSFサスペンス。遺伝子工学が著しい発展を遂げた大企業傘下の街を舞台に、生命倫理や人間の尊厳を脅かす生殖ビジネスの功罪や、子供の遺伝子をカスタムする親のエゴイズムに切り込んでいく。マドカのミステリアスなキャラクターが強烈なフックとなる。終始陰鬱で退廃的な空気感が漂っているので読む人を選ぶものの、クリーンな表社会からドロップアウトし、スラムで逞しく生き抜く住人たちの描写には惹かれるものがあった。ディストピアな世界観は一部読者に刺さる。
編集部
1巻完結ものだが、メディアワークスから世界観が共通する姉妹編『カスタム・チャイルド -罪と罰-』も刊行されている。
作品Q&A
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 遺伝子操作で子どもを「カスタマイズ」できる近未来設定が、リアルで考えさせられる。
- 親のエゴや期待、返品・差別など、子育てと人間の欲望をめぐる重いテーマが、SFとして読みやすく描かれている。
- 春野・清田・冬上の三人の歪な関係や、三嶋とマドカの同居ラインなど、複数の人間関係が絡み合う群像劇が魅力的だ。
- 日常から始まり、裏側の狂気や退廃が徐々に見えてくる構成と、流暢な文章の巧みさが評価されている。
- 『罪と罰』などシリーズ共通の世界観を楽しめる点や、ススキ家・三嶋家など家族描写の良さも挙がっている。
こんな人におすすめ
- 遺伝子工学・バイオテクノロジーを題材にした近未来SFに興味がある人。
- 暗く重いテーマを含む青春小説や、歪んだ人間関係の心理描写が好きな人。
- 壁井ユカコ作品の文体や「壁井ボーイズ」のキャラクター描写を楽しみたい人。
- カスタム・チャイルドや自然出産者の対立、親子の倫理問題に関心がある人。
- 野良猫のような少女と受け入れる青年の同居系ドラマに惹かれる人。
人を選ぶポイント
- 親子の遺棄・人体実験・スラムなど、残酷で退廃的な描写が多く、重い読後感が残る。
- 主人公の春野を「軽薄」「性格が悪い」と感じ、感情移入しにくい。
- 男性キャラクター中心の物語で、女性読者には合わない可能性がある。
- 壮大なSF設定に対して物語のスケールが青春小説寄りで、テーマの掘り下げが物足りないと感じる読者もいる。
- 後半は犯罪や狂気が強まり、全体として灰色のテンションで読める作品だ。
テンポ・読後感
- 一気読みしたくなるほど続きが気になり、ページを捲る手が止まらない。
- 動的なアクション作ではないが、静かな日常から緊張や狂気を引き出す筆致が巧みだ。
- 前半は三人の青春と世界観の提示、後半は闇や犯罪の匂いが強まる二段構成だ。
- 近未来SFでありながら所々ライトノベル的なノリも感じられ、読みやすさと重さが同居している。
- ハッピーエンド要素があっても、切なさや冷たさが残る余韻型の読後感だ。
キャラクターへの評価
- 春野は屈折・危うさがあり嫌味もあるが、どこか魅力的で目が離せない。
- 清田はまっすぐで汚れのない心を持ち、差別されながらも懸命に生きる姿が眩しいと評価されている。
- 冬上(レイ)は勘の良さやヤンデレ寄りの一面があり、三人のバランスを際立たせる存在だ。
- マドカは猫のように現れ、三嶋を変えていく健気さや自由への憧れが胸を打つと評価されている。
- 知佳や部長、ススキ家の人物など、日常を支える「普通」や豪快さが暗い物語の中で救いになる。
巻一覧
この巻のあらすじ
少しヤバめな生体実験のバイトをしている大学生・三嶋。 虚無的な日々を送っていたが、ある朝目覚めると、謎めいた少女・マドカが部屋にいて……。 彼女との出会いによって、三嶋の運命が大きく揺れ始めた――。 第9回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞者、大人気シリーズ 『キーリ』 の壁井ユカコが書き下ろすSF青春ストーリー。
この巻のあらすじ
金髪碧眼の至高の美少年ながら母に遺棄された過去を持ち、“犯罪者の遺伝子”に傾倒する春野。父が愛好するアニメキャラクターの実体化として作られた少女レイ。遺伝子操作を拒絶するカルト狂信者の両親を持つ“遺伝子貧乏”清田──16歳の夏、予備校の夏期講習で出会った3人は、反発しあい傷つけあいながらもかけがいのない友情を築いていく。 遺伝子工学分野のみが極端に発展し、子どもの容姿の“デザイン”が可能になった仮想現代を舞台に、社会によって歪められた少年少女の屈折や友情を描く、著者渾身の長編青春小説。
星評価・感想
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