中学2年生の眞田寛樹が、田舎町・松乃で出会った記憶喪失の少女・伊藤ノアをきっかけに、町の中を巡りながら彼女の過去を探っていくひと夏の物語です。舞台は何もないのどかな地方の中学校と、その周辺にある駄菓子屋や町の風景で、日常の延長に少し不思議な要素が差し込まれます。中心人物は寛樹、幼なじみの桐子、親友の恒正、妹のなずな、そして日本語が通じにくいノアです。物語は、寛樹がノアの記憶を手がかりに町や小説の記述を調べていく流れを軸に進み、夏休みの出来事と人間関係が重なっていきます。1巻でまとまる構成です。第9回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。カラーイラストと挿絵付きの底本です。中学生の男女が繰り広げるひと夏の青春と、記憶の謎を追う筋立てが並行します。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 夏休みの田舎町、花火、ラムネ、プールなど、夏のノスタルジーを強く感じる情景が印象に残る。
- ひと夏の出会いと初恋、切なさと余韻を前面に出したボーイ・ミーツ・ガールとして読まれている。
- 作中作を物語の軸に使う構成や、SF要素を含む不思議な空気感が面白い。
- 読みやすく、短めでテンポよく進むため、気軽に手に取りやすい。
- すっきりしすぎない余韻や、夏の終わりの寂しさが読後感として残る。
こんな人におすすめ
- 夏の青春小説や、切ない恋愛ものが好きな人。
- 田舎町の空気感や、夏の情景描写を楽しみたい人。
- SF要素は強すぎない、雰囲気重視の物語を読みたい人。
- さくっと読めるライトノベルを探している人。
- 余韻のある終わり方を好む人。
人を選ぶポイント
- SF設定や謎の核心がはっきりしないまま残るため、消化不良に感じやすい。
- 主人公とヒロインの魅力や感情の掘り下げが弱いと受け取られることがある。
- 三角関係や恋愛の描写が定番寄りで、意外性は強くない。
- 前半の雰囲気に比べて後半の展開が唐突に感じられる場合がある。
- すっきりした解決や明快な答えを求めると物足りない。
テンポ・読後感
- 全体は読みやすく、軽快に進。
- 前半は夏の空気をまとった穏やかな雰囲気が強い。
- 中盤以降に不思議さや切なさが増していく。
- 後味は明るさよりも、寂しさや余韻が残る。
- 物語の手触りはやわらかいが、印象は淡く鋭い。
キャラクターへの評価
- 寛樹は等身大の中学生として受け止められ、初恋の不器用さが印象に残る。
- ノアは白い帽子や白いワンピースのイメージが強く、夏を象徴する存在として見られている。
- ただし、ノアの内面や主人公への感情が薄く感じられることがある。
- 幼なじみや友人たちの存在が、田舎町の人間関係に厚みを出している。
- 主人公の思春期らしい下心や未熟さが、好みを分ける要素になっている。
巻一覧
この巻のあらすじ
彼女と出会った、忘れたくないあの夏の日。
何もないのどかな田舎町・松乃に暮らす中学2年生の眞田寛樹は、幼なじみの三島桐子・親友の阿久津恒正らと、毎年変わることのない夏休みを過ごしていた。そんなある日、徹夜をしてしまった寛樹は熱中症で倒れてしまい、助けてくれた謎の美少女・伊藤ノアに恋心を抱くようになる。日本語をうまく理解することのできないノアのために寛樹は妹のなずなと一緒になって、自分たちが暮らす町を案内したりしながら、徐々に距離を縮めていく。そんな時、寛樹はノアに過去の記憶がなく、深海生物に似た奇妙な生き物と共に自身がよく通っている駄菓子屋・伊藤商店の庭に倒れていたところを発見されたという事実を知る。さらに謎の生物がしゃべる名前が、先日まで自分が読書感想文を書くために読んでいた小説の作者の本名だということがわかり、ますます混乱していく。ノアが記憶をなくしたまま不安な毎日を過ごしていると感じた寛樹は、彼女の記憶を取り戻すべく、さまざまな場所に彼女を連れて行ったり、小説内に書かれたことを調べたりしていくのだが・・・・・・。第9回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作品。中学生の男女が繰り広げる甘くせつないひと夏の青春グラフィティが登場。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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