明治末期の横浜を舞台に、役者の寅太郎、画家の谷、浪漫研究家の有坂という三人の「堕落者」たちが、怪異や奇妙な事件に関わっていく連作シリーズ。定職を持たず、それぞれの関心や行動力を頼りに、街で起こる不可思議な出来事の筋を追う構成になっている。背景には、近代化が進む港町の空気と、明治という時代ならではの西洋文化・都市の混在がある。物語は、彗星騒動に端を発する怪事件や、女学校に伝わる「開かずの間」の謎など、横浜の各所に潜む異変を軸に展開する。シリーズ全体としては、同じ三人組が明治横浜の怪奇と伝承に向き合う形で、街の別の事件へ広がっていく。続編的な巻は、同じ中心人物で別の怪異を扱う連作として整理できる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 明治末期の横浜と女学校を使ったレトロな空気感が強く、洋菓子やファッション、開港地らしい描写も楽しめる。
- 役者・画家・発明家の3人組が、それぞれの得意分野で動くわちゃわちゃ感が読みやすい。
- ミステリーや怪奇の要素は重すぎず、サクサク進むテンポで気軽に読める。
- 女学生たちの息苦しい環境や身分差が物語の軸になっていて、時代ものとしての切なさがある。
- 愛の過去や3人の背景が少しずつ見えてくる構成が、読後の印象を強めている。
こんな人におすすめ
- 明治・大正期の雰囲気や横浜のレトロ感が好きな人。
- キャラの掛け合いを中心に楽しみたい人。
- 重すぎない謎解きや怪奇譚を、軽快に読みたい人。
- 女学校もの、女性の生きづらさや時代背景に関心がある人。
- 漫画的なテンポや派手めのキャラ付けが合う人。
人を選ぶポイント
- 本格ミステリーや強いホラーを期待すると、謎の深さはやや物足りない。
- 3人組のテンションや大げさなキャラ立ちが合わないと、途中で馴染みにくい。
- 女学校まわりの差別や抑圧、女性の扱いがかなり息苦しく描かれる。
- 1巻よりシリアス寄りで、軽いノリだけを求めると印象が違う。
- 水谷巡査の出番は少なめで、前巻の雰囲気を期待すると物足りなさがある。
テンポ・読後感
- 全体は軽快で、場面転換も早く読み進めやすい。
- 事件の筋は分かりやすく、サクッと読める作り。
- 前半はやや導入が重く感じられるが、後半で勢いが出る。
- 3人の掛け合いはにぎやかで、漫画っぽいテンションがある。
- 女学校編は明るさよりも切なさや圧迫感が前に出る。
キャラクターへの評価
- 寅太郎は演技力があるのに上がり症で、情けなさも含めて印象に残る。
- 谷と有坂は得意分野がはっきりしていて、役割分担の分かりやすさがある。
- 3人とも「堕落者」らしいが、嫌味が少なく仲の良さが見える。
- 愛は飄々としていて謎が多く、過去が明かされると見え方が変わる。
- 周囲の女学生たちは華やかさの裏に窮屈さがあり、対比が強い。
巻一覧
明治横浜れとろ奇譚 堕落者たちと、ハリー彗星の夜
この巻のあらすじ
三人の堕落者たちの優雅(?)な怪奇事件帳――時は明治末期、ハリー彗星騒動におののく横浜。役者の寅太郎、画家の谷、浪漫研究家の有坂は定職にもつかず周囲を呆れさせている「堕落者(=フリーター)」たち。「富国強兵」もなんのその、お国の役に立たない夢野望に邁進している三人だったが、行きがかり上首を突っ込んでしまったハリー彗星退治をきっかけに、横浜に蠢く面妖怪奇な陰謀に巻き込まれることに…!?
明治横浜れとろ奇譚 堕落者たちと、開かずの間の少女
この巻のあらすじ
明治末期、横浜。堕落者(=フリーター)と呼ばれる役者の寅太郎、画家の谷、浪漫研究家の有坂らは、女学生を助けたことで、女学校に伝わる「開かずの間」の謎を解くことに……。好評第2弾!
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