埼玉の片隅にある小さな「秘蹟商会」を舞台に、異能を売りたい人と欲しい人を結ぶ異能転売業の仕事を描くシリーズ。主人公の世杉見識は、店長と二人だけの職場で異能保有者を探し、競売や業界関係者とのやり取りに関わっていく。異能は超能力や秘蹟と呼ばれる一時的な力として扱われ、物語はその売買を軸に人間関係と商売の事情を追う。シリーズ全体では、小規模な商会の活動を通じて異能の流通と周辺の人物関係が広がっていく。2巻では日本異能教会の競売会場が登場し、業界の別の立場とも接点が生まれる。2巻構成のため、続編や外伝の区分はない。

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  • AI分析(あらすじ)

    - 異能を売買する設定に関心がある人 - 現代舞台の仕事ものを読みたい人 - 小規模な商会や職場のやり取りがある物語を探している人

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作品の魅力

  • 異能を「戦う力」ではなく売買・転売の対象として扱う発想が新鮮。
  • 欲望や願いの生まれ方を掘る方向性が、設定の面白さにつながっている。
  • 異能を持つ人たちの心の闇や事情を、対話中心で丁寧に追う作り。
  • ゆおさん、見識、一色、蓮華など、癖のあるキャラ同士の関係性が印象に残る。
  • しんみりした空気の中に、成長や希望の手触りが少しずつ差し込まれる。

こんな人におすすめ

  • バトルより会話劇や心理描写を読みたい人。
  • 異能ものでも、能力バトルより商売・人間関係の切り口を求める人。
  • ちょっとダークでスローな雰囲気の作品が好きな人。
  • ひねくれた関係性や、歪さを抱えたキャラに惹かれる人。
  • 新人賞系の粗さも含めて、発想の新しさを楽しめる人。

人を選ぶポイント

  • 展開や構成は分かりやすめで、完成度の粗さが気になる場面がある。
  • ひとりひとりの掘り下げが浅く感じられる箇所がある。
  • 親子関係や家庭への憎悪が強く出るため、重さが続く。
  • 欲望や闇の描写が刺さる一方、薄く感じる読者もいる。
  • 主人公や一部キャラの言動が掴みにくく、好みが分かれやすい。

テンポ・読後感

  • 全体はゆったりめで、静かに進むスローテンポ。
  • 明るさ一辺倒ではなく、少し暗く湿った空気が続く。
  • 対話と心情説明が多く、感情の輪郭がはっきり見えやすい。
  • 事件性よりも、関係の歪みや内面の揺れを読む感触が強い。
  • 重さの中に、次巻への期待を残す終わり方が目立つ。

キャラクターへの評価

  • 見識は突き放した物言いをしつつ、相手の事情を見抜く目がある。
  • ゆおさんはポンコツさと愛嬌が強く、出番以上に印象が残る。
  • 一色は後半で存在感が増し、啖呵や変化が好評。
  • 蓮華は拗れた関係に入ってくる、頼もしさのある存在として見られている。
  • 親世代、とくに父親や母親への評価はかなり厳しく、物語の重さを支えている。

巻一覧

飽くなき欲の秘蹟
2015年7月 ISBN 9784094515596
この巻のあらすじ

もしかしてお姉さん、異能持ちですか?

僕――世杉見識は目を放すとすぐサボる、意識の低いアルバイトである。自慢することではない。 バイト開始当初は、「能転売業なんてうさんくさ過ぎる、すぐに逃げよう」なんて思っていたけど、異能関係者は変わっている人が多くて、ちょっと楽しいと感じている。 異能というのは――超能力とか秘蹟とか、そんな呼ばれ方をする、とにかく不思議な力のことだ。それは人の願いと共に現れ、いつのまにか消えていく、一時の奇跡である。 そう稀少なものでもないが、誰もが自由に手にできるわけではない。 だから、持たない者は皆こう言う――自分も欲しい。 欲しいと思う人がいるのなら、そこにビジネスチャンスは生まれる。 異能を売りたい人と、異能が欲しい人を結ぶお仕事――異能転売業はこうして成立した。 僕の働く秘蹟商会もそんな異能転売業社の一つである。 店舗は埼玉の片隅にある古い建物。働いているのは店長とアルバイトの僕二人だけ。まだまだ規模は小さいが、明日の成功を夢見て僕らは日夜奮闘している。

「さてと・・・・・・ ポンコツかわいい店長のために、異能力保有者を捜しに行きますか」

第6回小学館ライトノベル大賞審査員賞受賞作。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

飽くなき欲の秘蹟 2
2015年11月 ISBN 9784094515794
この巻のあらすじ

必要とする人がいるから僕らは異能を売る。

僕――世杉見識は弱小異能転売業者「秘蹟商会」のアルバイトである。

つい最近、漆 一色という後輩もできた。彼女はふと働く僕を見て「見識先輩はこんなに働いている感じなのに、ゆお店長は座っているだけなの?」と店長のゆお・アルチザンに疑問を投げかけていた。一色はゆおさんの大事な仕事を知らないからなあ・・・・・・。

「そんなに言うなら店長である私の仕事ぶりを見せてやろう」とゆおさんがやる気を出していた。すぐにムキになるところも、ゆおさんがポンコツと言われるゆえんだ。

そして後日、僕たち秘蹟商会の面々が訪れたのは日本異能教会が主催する異能力の競売の会場であった。そんな様々な異能が売りに出される競売会場で見識は大手異能転売業者の社長に出会った――。

異能がもたらすお金、そして異能により紡がれた人間関係……第二巻!

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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