『風神秘抄』は、舞姫の糸世と笛の名手・草十郎が、舞と音に宿る不思議な力をめぐって動く和風伝奇の物語です。時の上皇に召し出された二人は、芸能を通じて人の思惑や神秘に巻き込まれ、糸世の失踪をきっかけに草十郎が各地を巡ります。舞台は朝廷や各地の伝承が交差する古い時代の日本で、芸と神隠し、鳥の王や鳥の国といった要素が物語を広げます。シリーズは二巻構成で、中心人物の関係と旅路を軸に、伝奇的な世界の中で物語が進みます。続編・外伝・短編の情報はありません。糸世と草十郎の関係、芸能の力、朝廷と異界の接点がシリーズ全体の骨格です。

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    - 和風伝奇の設定を読むのが好きな人 - 舞や笛など芸能を題材にした物語に興味がある人 - 朝廷、神隠し、異界を含む古代日本風の物語を探している人

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作品の魅力

  • 平安末期の歴史劇に、舞・笛・異界の要素が重なり、荻原規子らしい神話的な空気が強い。
  • 草十郎と糸世の関係が軸になりつつ、鳥彦王の存在が物語の温度を上げている。
  • 勾玉三部作やRDGを思わせるつながりがあり、シリーズを追ってきた読者ほど拾える要素が多い。
  • 天と地、境界、失うことと得ることの感覚が印象に残り、ラストの情景を美しく受け取る声が目立つ。

こんな人におすすめ

  • 勾玉三部作やRDGが好きで、荻原作品の系譜を楽しみたい人。
  • 歴史ファンタジーや平安末期の時代背景に興味がある人。
  • 鳥彦王のような、軽妙で愛嬌のある脇役を楽しみたい人。
  • 恋愛だけでなく、成長や旅の過程も味わいたい人。

人を選ぶポイント

  • 勾玉三部作と比べると、物語の厚みや複線の広がりがやや控えめに感じられる。
  • 展開が一本道で、人物の掘り下げや後日談をもっと欲しいと感じる読者がいる。
  • 異界や能力の仕組みがつかみにくく、説明が理屈寄りに映ることがある。
  • 文体の砕けた印象や、登場人物の退場の早さが気になる場合がある。

テンポ・読後感

  • 旅をしながら進むため、静かな高揚感と切なさが交互に来る。
  • 舞台の移動や鳥彦王との会話で読みやすさが出る一方、感情の山場はじわじわ積み上がる。
  • 境界の曖昧さや異界の気配が心地よく、幻想味のある読後感が残る。
  • 物語全体は明るさよりも、喪失と成長を抱えたしみじみした手触りが強い。

キャラクターへの評価

  • 草十郎は青さや危うさが目立つが、振り切った行動力と成長の伸びしろが魅力。
  • 糸世は引力のある存在として受け止められ、舞う姿や芯の強さに惹かれる声が多い。
  • 鳥彦王は和ませ役でありながら、友情や見守る姿勢が強く印象に残る。
  • 上皇は得体の知れなさや不穏さが際立ち、物語の緊張感を支えている。

巻一覧

風神秘抄 (上)
2011年3月 ISBN 9784198508852
風神秘抄 (下)
2011年3月 ISBN 9784198508869
この巻のあらすじ

互いに惹かれあう天性の舞姫・糸世と笛の名手・草十郎。二人が生み出す不思議な“力”に気づいた、時の上皇は、自分のために舞い、笛を奏でよと二人に命ずる。だが糸世は、その舞台の上で神隠しのように消えた…。糸世を追い求め、“鳥の王”の助けを得て各地をめぐり、ついに鳥の国へと向かった草十郎が目にしたものは…?特異な芸能の力を持つ二人の恋を描く人気作家の話題作、いよいよ最高潮!小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞JR賞、日本児童文学者協会賞、IBBYオナーリスト文学作品部門賞の4賞を受賞。

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