板倉俊之が、童話「桃太郎」と「泣いた赤鬼」を下敷きに、オリジナル要素を加えて組み直した和風短編集。鬼と人間が向き合う寓話的な世界を舞台に、人間の業や鬼の宿命を物語の軸として置く。収録は短編『パーフェクト太郎』と中編『新訳 泣いた赤鬼』の二編で、同じ昔話の骨格を使いながら、太郎側の筋立てと赤鬼側の視点を別々に描き分ける。昔話の役割や善悪の置き方を固定せず、人物の立場を入れ替えながら物語を組み替える一冊。童話の型を知っているほど、どこをずらしているかが見えやすい構成になっている。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 『桃太郎』『泣いた赤鬼』を土台にした新解釈が新鮮で、昔話の見え方がひっくり返る。
- 人間の傲慢さや身勝手さをえぐる視点が強く、ただのパロディで終わらない。
- 戦闘シーンの迫力と疾走感があり、漫画やアニメを思わせる読み味がある。
- 物語のつなぎ方や番外編まで含めた構成が巧みで、読後に余韻が残る。
- 浅田弘幸の装画・挿絵が高評価で、表紙買いの満足感につながっている。
こんな人におすすめ
- 昔話のアレンジやパロディを楽しみたい人。
- ダークめの童話、少し毒のある再解釈が好きな人。
- 物語の裏側や解釈のズレを読むのが好きな人。
- 迫力あるバトル描写や少年漫画的な熱さを求める人。
- 板倉俊之のコント的な発想やシュールさが合う人。
人を選ぶポイント
- 戦闘描写が細かく長めで、バトル重視でないと冗長に感じやすい。
- 『泣いた赤鬼』側は原型から大きく離れていて、入りづらさがある。
- 子ども向けの昔話として読むと、表現や内容の難度が高い。
- ゲーム用語やアニメ的な言い回しが多く、好みが分かれる。
- しんみりした読後感や人間の醜さを強く描くため、明るい昔話を期待すると重い。
テンポ・読後感
- 全体にテンポは速く、勢いで読ませるタイプ。
- 戦いの場面は映像的で、ゲームや少年漫画のような熱量がある。
- 物語の後半や番外編で、シュールさやひねりがじわっと効いてくる。
- 童話らしい親しみやすさと、ダークで大人向けの空気が同居している。
- 読後は爽快感よりも、切なさや考えさせられる余韻が残る。
キャラクターへの評価
- 鬼は怖い存在というより、悲哀や純粋さを抱えた側として受け取られている。
- 人間は鬼以上に狡猾で残酷、という見え方が強い。
- 桃太郎は「完璧」「無敵」といった誇張で描かれ、既存像をずらしている。
- 犬・猿・雉や周辺人物にも裏や秘密がある設定が印象に残っている。
- 登場人物の関係性よりも、種の違い・孤独・信頼の揺らぎが強く意識されている。
巻一覧
鬼の御伽
この巻のあらすじ
人間の業、鬼の宿命――。 有名な童話「桃太郎」と「泣いた赤鬼」を、板倉俊之が、オリジナル要素をふんだんに盛り込み、独自の視点で新たな物語に! イラストは、『テガミバチ』(集英社)、TVアニメ『どろろ』のキャラクターデザインなどで人気の漫画家、浅田弘幸氏の描き下ろしの美麗なイラストは必見。 (短編『パーフェクト太郎』と、中編『新訳 泣いた赤鬼』の2編を収録。)
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