留学先の長崎から江戸へ戻り、父の診療所を継いだ武家出の蘭方医・武居多聞を中心に進む和風伝奇。多聞は薬売りを名乗る千年生きる妖狐と出会い、あやかしが絡む事件の現場へ足を運ぶうち、同心や歌舞伎役者、大奥の中年寄たちと関わっていく。事件は人の恨みや悲しみが形になったものとして描かれ、医術で人を救う視点と、妖狐の幻術や銀の小太刀による対処が重なる。江戸の町と大奥を舞台に、怪異の裏にある因縁をたどる連作として広がる。妖狐には、かつての人間との縁と同胞に関わる過去があり、その千年の記憶が各事件の背景に影を落とす。

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  • AI分析(あらすじ)

    江戸もの、妖怪退治、蘭方医、事件捜査、妖狐との相棒関係に関心がある人。

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作品の魅力

  • 江戸の蘭方医と妖狐のバディで、妖怪退治と人情話が同時に味わえる。
  • 人の恨みや悲しみが絡む事件に、切なさと救いが同居している。
  • 青の美貌や可愛げ、多聞の真っ直ぐさと不器用さの対比が楽しい。
  • 大奥や芝居小屋、稲荷など江戸風俗の描写が細かく、時代ものとしても読みやすい。
  • 掛け軸や絵の話など、シリアスの中に笑える掌編が挟まる。

こんな人におすすめ

  • 妖怪もの、和風ファンタジー、時代バディものが好きな人。
  • 人外と人間の距離感や、友情以上恋愛未満の空気感を楽しみたい人。
  • 切ない過去や余韻のある短編連作を好む人。
  • 江戸の暮らしや風俗の描写を味わいたい人。
  • かわいい狐キャラや、母親が強い主人公に惹かれる人。

人を選ぶポイント

  • 事件の解決よりも余韻や関係性を重く見る作りで、謎解き重視だと物足りない。
  • 物語の空気が切なく、人の悪意や弱さが前に出る話は気持ちが沈みやすい。
  • 作品全体の方向性がはっきりせず、短編集のように感じる人もいる。
  • 青や多聞の関係が好みでないと、魅力が伝わりにくい。
  • 作品によっては絵や画力ネタなど、好みが分かれる笑いがある。

テンポ・読後感

  • 1話ごとに読み切り感があり、短編連作としてテンポよく進。
  • 事件の合間にユーモアが入り、重さを少し和らげている。
  • 全体はしっとり静かで、切なさと優しさが残る読後感。
  • 妖怪退治の場面は派手すぎず、じわじわ怖い雰囲気がある。
  • バディの掛け合いが軽やかで、空気は重すぎない。

キャラクターへの評価

  • 多聞は真っ直ぐで面倒見がよく、妖にも人にも分け隔てなく接する。
  • ただし母親には弱く、頼もしさと情けなさの落差が印象に残る。
  • 青は美形で可愛く、強さよりも健気さや寂しさが目立つ。
  • 厚仁はからかい役として動き、場を和ませる存在になっている。
  • 母親は強烈で、作品内でもっとも印象を持っていかれる存在として見られている。

巻一覧

あやかし斬り 千年狐は綾を解く
2022年5月 ISBN 9784094071429
この巻のあらすじ

蘭方医と妖狐があやかし事件の謎を解く!

留学先の長崎から江戸に戻り父親の診療所を継いだ武居多聞は、武家の出の蘭方医。ある日、大怪我の痛みで暴れる男の手当に難儀する多聞の前に、ひとりの薬売りが現れる。薬売りはハッとするほどの美貌の持ち主で、なぜか多聞に謎の薬を差し出し、治療を助けてくれた。 数日後の往診帰り、暗い夜道を急ぐ多聞は、獣のようなうなり声を聞き足をとめる。そこにいたのは例の薬売り。だが彼は、見たこともないような恐ろしい姿の化け物と対峙していたーー! その夜の出来事が信じられず、なにもかも夢だったのではないかと思いはじめた頃、多聞は傷ついた狐を見つけ、屋敷で手当することに。そして同心・厚仁から、人々が何者かに斬りつけられる事件が続いていると聞いた多聞は、厚仁とともに事件を追う中で再び薬売りと出会う。薬売りは化け物退治をしているのだと語り、彼の手助けすることになった多聞は、やがて、人の恨みや苦しみから生まれる恐ろしい事件と、その裏に隠された妖狐の因縁を知ることに……。 人の心の闇と千年の想いを描く和風ファンタジー!

あやかし斬り 千年狐は虚に笑う
2023年2月 ISBN 9784094072327
この巻のあらすじ

蘭方医と妖狐が大奥の怪異に挑む!

武家の蘭方医・武居多聞が出会った不思議な薬売り。その正体は、九尾の狐の九本目の尾……千年を生きる妖狐であった。かつて愛し、そして同胞に殺された人間の娘のために、長い時をずっと妖怪を狩りつづけながら生きているという妖狐ーー青から、あやかしを斬ることができる銀の小太刀を預かった多聞は、ともに江戸を騒がせる事件にかかわっていくことに。そして、事件の裏に隠された“綾”を追うなかで、多聞は人の心の闇の深さを知っていく。 ある日、以前解決した事件で知り合った歌舞伎役者の鹿の輔が、多聞の診療所にやってきた。鹿の輔と繋がりのある大奥の中年寄を紹介され、大奥で自害した女の幽霊が祟りを起こし、被害を受けた者が続出しているという話を聞く多聞。中年寄の依頼を受けた多聞は、事態を調べるために青の幻術を使って大奥に潜入することになるがーー!? 人の恨みや悲しみが生みだすあやかし事件と、妖狐が抱く千年の想い。綾解き和風ファンタジー、第二弾!

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