札幌の繁華街にあるレトロな石蔵のパフェバー「紅うさぎ」を舞台に、大学二年生の平牧紅葉が、兄・岳人の店を訪れたことをきっかけに物語が動き出す。夜だけ開く大人向けのパフェ専門店には、店長の池口をはじめ、店を支える人々が集まり、紅葉はそこでパフェを試食しながら店の空気に触れていく。紅葉は幼少期の両親の離婚と結びついた味への苦手意識を抱えており、食べ物に結びついた記憶や家族の距離が、会話や日常のやり取りの中で少しずつ整理されていく。初めて足を踏み入れる夜の店から、甘味を媒介にした人と人のつながりが見えてくる物語。

構造レビュー

編集部判定 良作

ストーリーの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

ただのスイーツが登場する物語ではなく、パフェに関してとてもしっかりと描かれている作品。また、そのパフェを作る店長の思いや、妹を思う兄の気持ちなど、さまざまなことが盛り込まれている。恋愛要素は少しだけ匂わせられているが、自然な形でそれを受け入れることができる雰囲気に仕上げられていた。

キャラクター S (4) レビュー

理由・補足

編集部

パフェバーという夜の店を経営する兄と、それを慕う妹である主人公、そして主人公にパフェを作る店長の三人の姿がしっかりと描かれている。主人公の周りの友人は、ごく普通の大学生だがとても仲が良く、主人公の人間性を感じさせられた。

設定・世界観 S (4) レビュー

理由・補足

編集部

パフェバーを知らなくても、こんなお店に行ってみたいと思える世界観ができていた。また甘いものだけ、お酒だけ、という雰囲気でもなく、どちらも楽しめる世界観がありよかった。主人公と兄の関係性、主人公にパフェを作ってくれる店長とのやり取りなど、人間関係にフォーカスされていたが、それに劣らず世界観がしっかりできている。

話題性 C (1) レビュー

理由・補足

編集部

特になし。

初心者向け S (4) レビュー

理由・補足

編集部

初心者でも読みやすい作品であると感じられる。恋愛要素が匂わせ程度で、はっきりしていないが、その分パフェのこと、兄妹の絆、主人公を思いやる周囲の人々のことが描かれており、入り込みやすい作品であると感じる。

読後感の良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

最後に書き下ろしの短編が入っているものの、世界観を壊すことなく入っているので、読後も悪くない。恋愛を求めると物足りなさを感じたが、短編があることでこれからの期待感もあり、よい読後感だった。

テンポの良さ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

長編ではないこともあるが、サクッと読むことができる。引っ掛かりなく、次々進んでいく雰囲気。

読みやすさ S (4) レビュー

理由・補足

編集部

テンポの良さもあり、とても読みやすい。ストーリーの進み方など、サッパリしている雰囲気と、丁寧なパフェの様子がとても分かりやすい。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

兄の経営するバーへ用事のために訪れた主人公が、さまざまな夜パフェを楽しみながら、トラウマを乗り越えていく姿が見られる。

編集部

兄に用事があり店を訪れた主人公は、そこで苦手なパフェを食べることになる。子どもの時のトラウマがあるものの、そこでは美味しく食べられたことから、「パフェバー・紅うさぎ」へたびたび足を運ぶことになる。兄との関係、パフェを出してくれる店長の存在、さまざまな出会いと関わりから、主人公が成長していく物語。

こんな人におすすめ

この項目をレビュー

編集部

・パフェが好きな人 ・スイーツが好きな人 ・兄妹が登場する作品が好きな人 ・パフェバーに行ってみたい人

  • AI分析(あらすじ)

    夜営業の飲食店を舞台にした日常ものや、家族の記憶と食べ物の関係を扱う話が気になる人。

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編集部

浅水ハヅキ(あさみ・はづき) 札幌在住。 日本スイーツ協会認定・スイーツコンシェルジュアドバンス資格を取得。

イラストレーター情報

この項目をレビュー

編集部

シラノ イラスト、キャラクターデザインを手掛ける。

編集部

夜パフェがどんなものなのか、と思うこともあるかもしれないが、とても素敵な空間で、素敵なパフェが提供されているのを見ることができる。兄が妹を思う気持ちや、店長が主人公を思う気持ちなど、パフェを通じて多くの気持ちが通い合う作品。スイーツ好きな人にはとても気になる作品だとも感じた。

作品Q&A

文体はどんな感じ? ストーリー
ベストアンサー
丁寧に描かれており、作者のスイーツ好きがうかがえるほどの丁寧さ。特にパフェの説明が丁寧で、この作品をよりよくしていると感じられる。読みやすい文体。

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世界観の作り込みは? 世界観
ベストアンサー
夜パフェと聞くとややハードルが高いように感じられたが、そんなことはなく、丁寧に夜パフェバーの様子が描かれていた。パフェのよさ、作る人の心遣いなども相まって、とても素敵で美味しそうな様子を感じられた。札幌という地方であるが、それを感じさせないような世界観である。

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評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
パフェの描写がとても美しく、美味しそうだと感じられた。細かい描写や説明が入っており、また店長からの丁寧な言葉はとても分かりやすい。また恋愛要素は匂わせ程度なのだが、パフェを通じて丁寧に描かれており、ゆっくりと進む恋の行方も楽しめるような作品であった。 【おすすめキャラクター】 池口 パフェバー「紅うさぎ」の店長。主人公の兄とは以前職場が一緒だった。パフェを作る天才と言われるほどのパティシエ。主人公の気持ちに沿って、パフェを作ってくれる。

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この作品の特徴は? ストーリー
ベストアンサー
兄に会うため「夜パフェ・紅うさぎ」を訪れた主人公。そこで、苦手だったパフェをごちそうされ、パフェの良さに気づいていく。さまざまな人との出会い、大切にしてくれる兄や友人たちと過ごしながら、美味しいパフェに癒され、前に進んでいくことになる。

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どんなテーマ・ジャンル? ストーリー
ベストアンサー
パフェが苦手な主人公に対して、パフェバーの店長が丁寧に接してくところ、主人公の気持ちに寄り添ってパフェが登場してくるところなど、とても人情味を感じた。店長がなぜ前職を辞めて、パフェバーで働くことになったのか、人間としてのよさを感じさせる。また登場するパフェはどれもきれいで、美味しそう、と感じた。兄が妹である主人公を思う気持ちも多く、良い印象が強かった。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • パフェの描写が細やかで美しく、読後に「食べたい」と思わせる。
  • 札幌の夜パフェバーを舞台にした世界観や、雪虫・ブーツの準備など地元らしい情景が想像しやすい。
  • パフェに苦手意識を持つ主人公が、試食を通じて心がほぐれていく癒し系の流れが好評。
  • 嫌なキャラがおらず、気楽に読める安心感がある。

こんな人におすすめ

  • パフェやスイーツの描写を楽しみたい人。
  • 札幌を舞台にした作品や、土地の雰囲気が伝わる読み心地が好きな人。
  • 兄妹のやりとりや、兄妹が登場する作品が好きな人。
  • 内容が軽めで、さらっと読めるヒーリング系を探している人。

人を選ぶポイント

  • 物語全体が薄めで、終わり方が唐突に感じられる。
  • トラウマの克服があっさりすぎる、きっかけがやや謎に感じる。
  • 恋愛の芽生えや関係の深まりが弱く、続編前提の余韻に留まる印象。
  • 甘さやテーマの軽さが合わない、と感じる読者もいる。

テンポ・読後感

  • 軽くて展開もわかりやすく、すらすら読めるテンポ。
  • パフェを楽しむ夜の空気感は好意的だが、物語の厚みや出来事の量は控えめ。
  • 終盤で恋愛に発展しそうな雰囲気はあるものの、一区切りで終わる読後感を指摘する声がある。
  • 続編が出る前提の作りに見える、という期待と疑問が混在している。

キャラクターへの評価

  • 主人公・紅葉の心情の変化や、パフェへの向き合い方の変化が見どころだ。
  • 兄・岳人は妹想いで好感が持てるキャラ。
  • 店長・池口はパフェ職人としての腕前に加え、積極的な距離の取り方がギャップとして好評。
  • 実在したら会いに行きたい店、というほど「紅うさぎ」の雰囲気に惹かれた。

巻一覧

札幌夜パフェ「紅うさぎ」の裏メニュー
2020年10月 ISBN 9784094068313
この巻のあらすじ

オトナのパフェは、優しく甘く心を癒やす。

札幌市内の繁華街、高いビルに囲まれた一角に、ぽつんと建つレトロな石蔵があった。そして、そのずっしりと重い扉にはこんな文字が掲げられている。――『パフェバー・紅うさぎ』。そう、ここは知る人ぞ知る、夜にひらくオトナのためのパフェ専門店なのだった。 大学二年生の平牧紅葉は、大学入学の直前に会ったきりの兄・岳人に会うためにここへ来た。というのもこの紅うさぎは、岳人がオーナーをやっている店だったからだ。しかし、肝心の兄は海外出張のために不在。急ぎ兄と連絡をつけてもらう間、紅葉は店長の池口からパフェの試食をすすめられるが、実は紅葉にとってパフェはいい印象のないスイーツだった。なんなら苦手な食べ物、トラウマとまでいってもいいくらいだ。というのもそれは、幼少の頃、両親が離婚したときの苦い思い出に直結している味だったから。 見た目も味も極上のパフェを口にして、紅葉の心はほどけていく。そして、ふしぎな縁で繋がった「紅うさぎ」の人々とともに、穏やかな日々は過ぎていくことに……。北海道を舞台にした、ほっこり癒やしの物語!

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