情報
大正九年の東京を舞台に、侯爵令嬢の瀧川鈴子と、十二単を纏う謎の霊を使って悪霊を食わせる花菱孝冬が出会う退魔譚。鈴子は浅草育ちで怪談蒐集を趣味とし、孝冬は花菱家の裏稼業としてお祓いを担う。求婚を経て夫婦となった二人は、退魔の実務と育ての親を殺した「松印」の手がかりを追いながら、花菱家や多幡家に関わる因縁へ踏み込んでいく。芸妓や侯爵家、旧家の事情が交差し、東京の町を歩きながら、霊と人の境界に関わる事件と私的な探索が並走する。シリーズは、二人の関係と花菱家の裏事情を軸に、都市の怪異と家の因縁が重なるかたちで広がる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 大正時代の東京を舞台にした、怪異退治と恋愛が同時に進む物語構成が読みやすい。
- 着物、帯留め、料理、屋敷や街の空気まで細かく描かれ、時代ものとしての見どころが多い。
- 夫婦になった鈴子と孝冬の距離が少しずつ縮まり、バディ感や溺愛の変化を追う楽しさがある。
- 連作短編ごとに幽霊や因縁が変わり、切なさや不気味さ、解決後の爽快感がはっきりしている。
- 鴻心霊学会、燈火教、松印、淡路の君など、物語の核に触れそうな謎が積み重なっていく。
こんな人におすすめ
- 大正ロマンや和装の描写をじっくり味わいたい人。
- 怪談、悪霊退治、オカルト要素に恋愛要素も欲しい人。
- 強くて凛としたヒロインと、彼女に振り回される相手の関係が好きな人。
- 連作短編で少しずつ謎が深まるシリーズを追いたい人。
- 白川紺子作品の空気感や、和風ファンタジーの雰囲気が好みの人。
人を選ぶポイント
- 漢字や宗教・時代背景の用語が多く、軽く流すと少し読みづらい。
- 幽霊や怪異の描写はかなり生々しく、胸がざわつく話もある。
- 恋愛の進み方はゆっくりで、甘さを強く求めると物足りない。
- 夫婦の関係に嫉妬や束縛の気配が出る場面があり、好みが分かれる。
- 主要な謎はまだ途中段階で、すっきり完結を求めると消化不良になりやすい。
テンポ・読後感
- 1話ごとの事件はテンポよく進み、読み心地は軽快。
- 怪異の話は重めでも、夫妻のやりとりで全体はしっとり柔らかい。
- 事件解決の爽快感と、背後に残る不穏さが同居している。
- じわじわ関係が深まる恋愛パートが、物語全体の温度を上げている。
- 大正時代の空気感が濃く、華やかさと陰気さが交互に立ち上がる。
キャラクターへの評価
- 鈴子は年齢以上に落ち着きがあり、芯が強く、理不尽に対してははっきり物を言う。
- 孝冬はクールに見えて、鈴子への執着や独占欲が強く、変化がわかりやすい。
- 夫婦は最初の距離感から、相談し合う相棒らしさへ移っていく。
- 鈴子の家族や女中たちも好意的に受け止められていて、周囲の人間関係が温かい。
- 鴻氏や宗教団体まわりの人物は不気味さが強く、先の展開を引っ張る存在になっている。
巻一覧
この巻のあらすじ
大正九年の東京。侯爵令嬢の瀧川鈴子はとある事情から浅草出身で、怪談蒐集が趣味だ。芸妓の悪霊を目撃した日、鈴子は花菱孝冬という青年に出会う。彼は十二単を纏う謎の霊を使い、悪霊を「食わせた」のだった……。掴みどころのない孝冬を気味悪く思う鈴子だったが、なぜか孝冬に求婚されてーー。逃れられない過去とさだめを背負う二人が結ばれ、動き出す未来とは!
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