遙か凍土のカナン 公女将軍のお付き
- 著者
- 芝村裕吏
- イラスト
- しずまよしのり
- レーベル
- 星海社FICTIONS
- 刊行年
- 2013-2016
- 巻数
- 7巻
- アニメ化
- —
一九〇七年から一九一四年にかけて、新田良造は日本を出て、オレーナ、ユダヤ騎兵グレン、コサックの姫君レナ、ジブリールらとともに、上海、シンガポール、インド、中央アジア、ロシア、東シベリアを横断する。襲撃や盗賊、軍艦での移動、シベリア鉄道の封鎖、異常気象などで旅程はたびたび変わり、目的地へ向かう過程そのものが物語になる。やがて良造は元騎兵大尉として政務と人員・物資の集積に関わり、五人と一匹から始まる共同体を基にシベリア共和国の成立へ向かう。身重の妻との関係、かつての祖国との距離、世界大戦前夜の情勢が重なり、移動の話は国作りと国家運営へ広がっていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 日露戦争直後から中央アジア・シベリアへ広がる、移動の大きい大陸冒険として読まれている。
- 史実の人物や地名を織り込みつつ、架空戦記と建国譚をつなぐ構成が強く印象に残っている。
- 兵器や戦場、当時の空気感の描写が細かく、資料読み込みの厚みが評価されている。
- 主人公とヒロインの距離感や、ぶっきらぼうさの中にある甘さが楽しみどころになっている。
- 『マージナル・オペレーション』とのつながりや伏線回収を追う楽しさがある。
こんな人におすすめ
- 歴史ものの空気感とラノベ的な読みやすさを両方求める人。
- 史実の人物や近代史の舞台を、フィクションとして組み替える作品が好きな人。
- 旅・移動・建国・都市づくりの過程をじっくり追いたい人。
- 既に『マージナル・オペレーション』を読んでいて関連作を楽しみたい人。
- 主人公とヒロインの不器用な関係や、じわじわ進む恋愛を好む人。
人を選ぶポイント
- 物語の進行は遅めで、移動距離のわりに事態が大きく動かないと感じやすい。
- 会話中心の軽快さより、地の文や説明、歴史背景の比重が高い。
- 主人公の思考や判断に引っかかりを覚える読者もいる。
- ライトな恋愛だけを期待すると、政治・民族・建国の話の多さに戸惑いやすい。
- 『マージナル・オペレーション』未読だと、つながりや伏線の面白さを拾いにくい。
テンポ・読後感
- 戦場の緊張感から始まり、旅と交渉を経て国家づくりへ広がるスケール感がある。
- 全体のテンポはゆっくりめで、長い移動と積み上げを味わうタイプ。
- 乾いた硬派さの中に、恋愛や同居感の甘さが差し込まれる。
- 戦記の重さよりも、大陸ロマンと歴史フィクションの混ざり方が印象に残る。
- 先の展開を引っ張る終わり方が多く、続きが気になる読後感になりやすい。
キャラクターへの評価
- 主人公は目的に向けて一直線で、戦闘力や実務力の高さが目立つ。
- 一方で、考え方が独特で、時に感情面の不器用さや違和感も抱かれている。
- ヒロインは可憐さや健気さ、ぶっきらぼうな可愛さが強く受け止められている。
- 周辺人物はコサック、ユダヤ人、共産主義者など多彩で、群像劇としての厚みがある。
- 歴史上の人物がキャラクターとして立ち上がる点が、読者の興味を強く引いている。
巻一覧
この巻のあらすじ
日本を発ち、海路にてヨーロッパを目指す新田良造とオレーナ。しかし、上海に続きシンガポールでも襲撃を受け、旅程の変更を余儀なくされてしまう。 良造たちは、ユダヤ人騎兵・グレンの仲介でイギリス軍艦に乗船し、なんとか追っ手を撒いてインドに上陸するものの、ウクライナに辿り着くためには陸路で中央アジアを縦断せねばならない……。 そして、砂塵舞う地で一行を待ち受けていたのは、“二つ角の姫君”率いる盗賊の手荒い歓迎だった──。 『マージナル・オペレーション』のタッグが放つ凍土の英雄譚、華麗なる第二幕!
この巻のあらすじ
新田良造元騎兵大尉とコサックの姫君・レナ、そしてユダヤ騎兵グレンは、足かけ一年に渡るユーラシア横断の旅路の末、遂にロシアの地に到達した。 しかし、旅はまだ終わりではない。失脚将軍アレクセイ・クロバトキンの指南を受け、レナの“飼い主”ナボコフ氏に「挨拶」を済ませた良造たちは、シベリア鉄道に乗り、東ヘと向かう。長き鉄路の先に、楽土を築くために……。 舞台はいよいよ、シベリアへ。芝村裕吏・しずまよしのりのタッグが贈る大陸冒険浪漫譚──建国篇、ここに開幕!
この巻のあらすじ
老いた大国・ロシアの辺境──凍土の地を舞台に、国作りが始まった。 良造はサンクトペテルブルクに向かい、そこで集められた大量の人と物は、シベリア鉄道を通じて東方へと送り込まれる。 五人と一匹から始まった国が、急激に成長していく一方、身重の妻・レナの身に異変が起きていた。見る影もなくやつれ果てた彼女の気鬱の理由は、中央アジアで夫に吐いた“嘘”にあった……。 妻を救うため、良造は“危険な相棒”と共に、再び中央アジアへと旅立つ──! 芝村裕吏・しずまよしのりのタッグが贈る、大陸冒険浪漫譚──絶好調の第五弾!
この巻のあらすじ
時に、一九〇七年冬。 身重の妻を救うため、中央アジアを再訪した新田良造を待ち受けていたのは、“赤毛の族長(ジニ・イスカンダル)”の銃口と、自らを愛した“天使(ジブリール)”の見る影もなくやつれ果てた姿だったーー。 大立ち回りの末にジブリールを強奪し、帰途についた良造だったが、チタで異常気象による大雪に見舞われ、シベリア鉄道が封鎖されてしまう。 それでも帰路を急ぐ良造は、自作の橇で一路プーチンスクを目指す。 懐かしい家で帰りを待つのは彼女ではなく、彼の心を凍てつかせる哀しき報せだとも知らずに……。 芝村裕吏×しずまよしのりが贈る『マージナル・オペレーション』前史、ついに佳境突入ーー!
この巻のあらすじ
時に、一九一四年。最愛の妻・オレーナを失い、東シベリアの地でひたすら政務に邁進する新田良造に、世界大戦の激動が迫りつつあったーー。
物価は乱高下し、大規模な武器需要が東シベリアを急速に成長させるいっぽうで、ロシア帝国は揺らぎはじめる。
そして、大樹のまさに倒れんとする時、歴戦の将軍たちが凍土に集い、遂に新たなる国・シベリア共和国が産声をあげる。だが、その前途には、元首のかつての祖国・大日本帝国が敵として待ち構えていた……。
芝村裕吏×しずまよしのりが贈る『マージナル・オペレーション』前史にして、ユーラシアを股にかけた恋と冒険の旅路ーーここに堂々完結!
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