楠見朝生は、人の「殺し合う運命」を結ぶ赤い糸が見える少年。転校初日から死体を埋める場面に立ち会い、糸で結ばれた水木しげ子さんと出会うところから物語が動き出す。現代の学校と街を舞台に、二人の周囲では、赤い糸に導かれるように死と悪意の事件が連なり、朝生は見えてしまう糸の意味と、自分に与えられた選択を突きつけられる。しげ子さんは人形のように整った見た目と、血なまぐさい現場へ平然と踏み込む異様さを併せ持ち、朝生の視点を通して、日常に割り込む怪異と死の連鎖が描かれる。物語の中心は、誰と誰が結ばれているのかではなく、その結びつきが何を呼び込むのかという点に置かれ、学園ものの入口から始まりながら、個人の関係と死の因果が絡み合う構図へ広がっていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 赤い糸を軸にした恋愛とホラーの混線が強い引きになる。
- 血や死の気配が濃く、悪趣味さと不穏さが作品の個性になっている。
- しげ子さんの不気味さと妙な愛嬌が印象に残りやすい。
- 伏線や設定の回収を評価する声があり、ミステリ要素も読ませる。
- 透明感のある絵柄や手の描写を好意的に見る感想がある。
こんな人におすすめ
- ただの恋愛ものではない、ダーク寄りの学園ミステリを読みたい人。
- グロテスクさや後味の悪さも作品の味として受け止められる人。
- 不気味なヒロインや変人だらけの周辺人物を楽しめる人。
- 伏線回収や歪んだ運命設定を追うのが好きな人。
- 雰囲気重視の作品でも、多少の荒さを許容できる人。
人を選ぶポイント
- 死や殺し合いの描写が多く、軽い恋愛ものとして読むと外す。
- 展開が迂遠で、途中の進み方にだるさを覚える人がいる。
- 終盤の駆け足感や説明不足で、消化不良に感じやすい。
- ぼかしの残る部分があり、すっきりした解決を求めると物足りない。
- 登場人物の言動が過激で、好みがかなり分かれる。
テンポ・読後感
- 序盤から血なまぐさく、全体に不穏な空気が張りつく。
- 中盤は謎を追うわりに回り道が多く、じわじわ進む印象。
- 終盤で一気に収束するが、駆け足に感じる読者もいる。
- 乾いた怖さとブラックな笑いが同居している。
- かわいさよりも気味悪さが前に出る、ねじれた読後感。
キャラクターへの評価
- しげ子さんは不気味さが強い一方で、妙に魅力があると受け取られている。
- 主人公は優しさや執着が目立ち、危うさを感じさせる。
- 虹子ちゃんは数少ない癒しとして見られやすい。
- 周囲の人物は変人、危険人物、クセ者として印象に残る。
- 姉や一部の脇役は強烈で、好悪がはっきり分かれる。
巻一覧
この巻のあらすじ
今日は転校初日で、学校に着いていなければいけないのに、僕は今、死体を埋める穴を掘っている。そんな僕の左手の「ある存在」――それを追って振り返ると、僕以上に血みどろで、死体をいじくる女の子がいる。 ――水木しげ子さん。 僕の想像していたのと全然違う、可愛くて恐ろしい女の子。でも、彼女こそ僕の運命の人に間違いない。だって、あまりにも完璧な、人形みたいに美しい彼女の左手の小指は、僕の左手の小指と「運命の赤い糸」で結ばれているのだから――。 殺し合う者たちを結ぶ「赤い糸」で結ばれてしまった、ちょっとおかしな少女と少年。二人に次々と訪れる数奇な殺し合いの「運命」と、その未来に訪れる結末とは――? 今年だけの<20回記念特別賞>受賞作、登場!
この巻のあらすじ
水木しげ子さん。人形のようにあまりにも完璧に美しく、けれど心の底から怖ろしい、ほぼ妖怪のような女の子──そして、僕と死の運命で結ばれた女の子。 殺し合う者たちを結ぶ「赤い糸」を見る少年、楠見朝生の前には、糸に導かれた死の運命が次々と訪れる。親しい人たちを狂気の牙が襲い、世界を悪意の底へと突き落とすための罠が目覚めるとき、朝生に突きつけられる「選択」とは──。 ただ一度の〈20回記念特別賞〉受賞作、待望の続編が登場! 物語はさらに愛しく狂える結末へと転がり落ち、そして。
この巻のあらすじ
殺し合う者たちを結ぶ「赤い糸」を見る少年、楠見朝生。そして彼と「結ばれて」いる少女、水木しげ子さん。──心の底から不気味で、人形みたいに完璧だった彼女が、失ったもの。その喪失はあまりにも大きく、二人の歯車を狂わせていく。 そんな二人の前に、最後にして最大の事件が転がり出す。狂気に満ちた赤い糸の来歴を辿るうち、朝生としげ子さんの運命の時が、ついに訪れる──。 ただ一度の〈20回記念特別賞〉受賞作、衝撃の完結! 血の呪いに終止符を打つのは、彼女の死か、彼の死か、それとも。
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