昭和18年の大阪・船場を舞台に、商家大鞠家へ嫁いだ陸軍少将の娘・中久世美禰子を中心に、一族内で起こる連続殺人の行方を描く本格ミステリーです。戦時下の商人文化と家制度が残る屋敷を背景に、吊るされた男、池に突き立つ日本刀、酒樽の死体といった異様な事件が連なります。物語は、当主の死を起点に大鞠家の人間関係と秘密をたどりながら、推理と手がかりの積み重ねで進みます。単巻でまとまった構成で、歴史的背景と密室的な屋敷劇を組み合わせた事件譚として読めます。受賞作として案内されています。
構造レビュー
こんな人におすすめ
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AI分析(あらすじ)
- 戦時下の日本を舞台にしたミステリーが好きな人 - 商家や一族の内部で起こる事件に関心がある人 - 屋敷を舞台にした本格推理を読みたい人
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 戦中から終戦前後の大阪・船場を、商家の暮らしごと立ち上げる舞台描写が強い。
- 船場言葉、丁稚や番頭などの商家文化が細かく入り、時代の空気を味わえる。
- 古典探偵小説への言及や見立てが多く、ミステリ好きほど拾い読みが楽しい。
- 連続殺人の謎だけでなく、戦争や商家の衰退が重なって大河的な読み味になる。
- 本格ミステリとしての伏線回収や終盤の解明に満足感を覚える読者が多い。
こんな人におすすめ
- 船場や大阪の昔の商家文化に興味がある人。
- 古典本格ミステリや名探偵ものの雰囲気を楽しみたい人。
- 事件そのものより、時代背景や人物群像も含めて読みたい人。
- 海外古典ミステリやメタ的な仕掛けに反応できる人。
- じっくり長編を読み進めるのが苦にならない人。
人を選ぶポイント
- 事件解決のロジックやトリックの説得力は、やや弱いと感じる読者がいる。
- 探偵役の登場や解決の運びが唐突で、置いていかれる感覚が出やすい。
- 船場文化の説明が多く、物語の勢いより解説寄りに感じる場面がある。
- 事件の趣向が作り物めいて見え、好みが分かれやすい。
- 読みやすさはある一方、時代語や重い空気で読了に時間がかかることがある。
テンポ・読後感
- 前半は商家の日常や時代描写が厚く、ゆっくり積み上げる進行。
- 中盤以降に謎や不穏さが増し、終盤で一気に回収へ向かう。
- 戦争の圧力と連続殺人の対比で、明るさよりも重さが残る。
- どこか古典的で、おどろおどろしさと懐かしさが同居する。
- 読後感は、鮮やかな解決のすっきり感と切なさが混ざる。
キャラクターへの評価
- 船場商家の人々が生き生きしていて、会話や立ち居振る舞いに存在感がある。
- 丁稚、番頭、御寮人など役割ごとの輪郭がはっきりしている。
- 気丈でタフな人物が多く、戦時下でも踏ん張る印象が強い。
- 探偵役は遅れて登場するぶん、強い個性と“名探偵”らしさが際立つ。
- 犯人像や動機に切なさを感じ、単純な悪役としては見えにくい。
巻一覧
この巻のあらすじ
昭和18年、大阪・船場。 陸軍少将の娘は商家の長男に嫁いだ。 吊るされた男、池に突き立った日本刀、酒樽の死体。 一族を襲う惨劇は衝撃の終幕を迎えるーー
正統派本格の歴史に新たな頁を加える傑作 第75回日本推理作家協会賞/第22回本格ミステリ大賞 受賞作
大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場。戦下の昭和18年、婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁いだ陸軍少将の娘、中久世美禰子。だが夫は軍医として出征し、一癖も二癖もある大鞠家の人々のなかに彼女は単身残される。やがて当主の死を皮切りに、相次ぐ惨劇が一族を襲うが……本格推理の真髄を突く、第75回日本推理作家協会賞、第22回本格ミステリ大賞受賞作。著者あとがき=芦辺拓/解説=杉江松恋
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