幽霊の存在を信じない理系大学生・谷原豊が、謎の霊媒師を名乗る鵜沼ハルと出会い、慰霊のアルバイトを手伝う現代の怪異譚。舞台は、日常の延長に霊や街の秘密が重なる町で、他人の気持ちが分からないことに悩む豊が、見えないものを扱う仕事を通して人や土地に残る事情へ向き合っていく。自称大正生まれのハルとのやり取りを軸に、彼女の正体と、この街に隠れた背景が少しずつ示される。学業や対人関係に確信を持てない若者の視点から、霊媒師の仕事と町の成り立ちが結びついていく構成で、単巻としてまとまっている。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 理系大学生の理屈っぽい思考が、幽霊や霊媒の話を独特の視点でほどいていく。
- 霊を怖がる話ではなく、記憶・人間関係・町の歴史を静かに掘り下げる方向が新鮮。
- 連作短編の形で少しずつ謎がつながり、最後に思わぬ結びつきが見えてくる構成が楽しい。
- ほっこり感とほろ苦さが同居し、青春小説として読める余韻がある。
- SF寄りの発想や言い回しが混ざり、オカルト一辺倒にならない。
こんな人におすすめ
- 理系主人公の思考や会話劇を楽しみたい人。
- ホラーよりも、青春・ミステリ・少し不思議な物語を求める人。
- 人の気持ちや記憶の扱いをテーマにした作品が好きな人。
- 柞刈湯葉作品の理屈っぽさやユーモアが合う人。
- ライトに読めるのに、読後に考えさせられる話を探している人。
人を選ぶポイント
- 主人公の理屈っぽさや上から目線に感じる言動が合わない場合がある。
- 霊媒バイトの実務やオカルト描写を強く期待すると、青春寄りで肩透かしに感じやすい。
- 後半のつながり方や謎解きに、唐突さやこじつけ感を覚える読み手もいる。
- 霊の正体や現象を明快に断定するタイプの話ではない。
- ラノベ的な口調やキャラの手触りに違和感を持つ人もいる。
テンポ・読後感
- 文章は読みやすく、理屈の多い会話でもテンポは軽い。
- 連作短編らしく、各章ごとに小さな引っかかりがあって先へ進みやすい。
- 全体の空気は静かで温かく、ところどころほろ苦い。
- 大きな事件で押すより、思考と関係性の変化で読ませる。
- オカルト、SF、青春コメディがゆるく混ざった手触り。
キャラクターへの評価
- 豊は頭が切れる一方で、人の機微に疎く、偏屈さと素直さが同居している。
- 霊を信じない姿勢は一貫しているが、人そのものを見ようとする点が印象に残る。
- ハルは現代から少し浮いた存在感があり、芝居がかりすぎない自然さが目を引く。
- 高野先輩や西田など、周辺人物が豊の視野を広げる役割を担っている。
- 登場人物同士の距離感や関係の変化が、物語の温度を支えている。
巻一覧
幽霊を信じない理系大学生、霊媒師のバイトをする
この巻のあらすじ
霊媒師のアルバイト? 幽霊、見えないのに? 「他人の気持ちが分からない」ことが悩みの谷原(たにはら)豊(ゆたか)(18)は、曾祖母の死(享年100)をきっかけに、謎の霊媒師・鵜(う)沼(ぬま)ハルと出会った。自称大正生まれのハルは、幽霊が見えず存在を信じてない理屈っぽい理系大学生の豊に、奇妙な”慰霊”のアルバイトを依頼する。彼女の正体と、この街の秘密とはーー。モラトリアムの青春を爽やかに描く、すこし不思議なジェントル・ゴースト・ストーリー。
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