『新本格ミステリ・カーニバル』は、令和の京都を舞台に、陰陽師が国家公務員として妖から人倫を守る世界を描く和風退魔ミステリシリーズ。陰陽師育成機関・京都陰陽寮明學院に通う狩埜師実が、臓腑を喰らう妖蛇、古御堂での密室殺人、継承の儀を妨げる黒い藁人形など、陰陽術だけでは割り切れない怪事件に向き合う。調査の過程では学園内外の人間関係や一族の宿敵が結びつき、謎解きと退魔が同じ場で進む。公的制度としての陰陽師、学園、継承儀礼を重ねながら、事件の構造を追う物語として組まれている。星海社が「新本格ミステリ」を小説として捉え直す企画として提示され、伝奇設定と本格推理の両方を前提に展開する。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- メイド喫茶専門探偵・黒苺フガシと推し文化を軸に、秋葉原の接客業界の表裏と人間模様を描く連作短編の世界観が強い。
- 陰陽師育成学校を舞台に、退魔ファンタジーと本格ミステリ(密室・毒殺など)を組み合わせた特殊設定の読み味。
- いずれも短編構成で手軽に読め、舞台設定の異常性や業界描写そのものが作品の核になっている。
- トリックは堅実で平易なものが多く、設定ルールに沿った「いつ・どうやって」を追う読み方と相性が良い。
- 柴田勝家作はメイド喫茶愛とアキバ描写、伊吹亜門作は京都の陰陽師世界の作り込みが読後の余韻を残す。
こんな人におすすめ
- メイド喫茶・アキバ文化・推し活・オタク界隈の描写に興味がある読者。
- 学園もの・和風ファンタジー・退魔バトルとミステリのハイブリッドを好む読者。
- 本格ミステリのトリックより、舞台設定やキャラクター・業界の空気感を楽しみたい読者。
- 伊吹亜門の歴史ミステリから作風の転換を試してみたい読者。
人を選ぶポイント
- シリーズ内でメイド喫茶短編と陰陽師学園ものなど題材・トーンが大きく異なるため、期待する一冊と実際の内容がずれやすい。
- ミステリの意外性や難易度は全体的に控えめで、犯人当てや驚きよりキャラ・設定・雰囲気寄りの評価が多い。
- 陰陽師作品はラノベ調・三要素融合ゆえ、どれか一ジャンルに深く刺さるタイプではない。
- メイド喫茶短編は伏線の見通しや納得感、文章面への疑問を挙げるレビューもある。
テンポ・読後感
- 短編集形式で1話ずつ区切りが良く、さくさく読める軽快さが共通する。
- メイド喫茶編は非日常を日常として描き、事件で再び非日常化する構造が読み味の軸。
- 陰陽師編は学園アクションと和風退魔のテンポに、本格ミステリの論理が乗ったバランス型。
- どちらもシリーズ続編を匂わせる導入・幕間的な読後感で、続きへの期待と未完了感が残る。
キャラクターへの評価
- 黒苺フガシはメイド喫茶専門のミステリアスな探偵として推しやすく、決め台詞や探偵らしさも好意的。
- 視点役の「ボク」はメイド喫茶好きのオタク気質で、推しへの没入や業界のリアルさを代弁する。
- 狩埜師実は深刻な過去を抱えた候補生で、家族の因縁がシリーズの長期ドラマの軸。
- 九条紅雀・白峰明日可など陰陽師側の仲間は粒揃いでキャラ読みしやすく、挿絵でイメージしやすい。
巻一覧
この巻のあらすじ
古より超常の力を継承する国家公務員“陰陽師”が、妖から人知れず人倫を守護する玲和の世。 陰陽師育成機関・京都陰陽寮明學院に通う狩埜師実が遭遇するのは、陰陽術の存在を以ってしても不可解な怪事件! 臓腑を喰らう妖蛇、呪詛封じの古御堂での密室殺人、継承の儀を妨げる黒い藁人形……その魔手を追うなかで、ついに師実は己が一族の宿敵と相まみえるーー!
デビュー作『刀と傘』でいきなり〈本格ミステリ大賞〉に輝いた大器、時代浪漫本格の継承者・伊吹亜門が挑む新境地! 謎を暴き妖魔を斬る、学園退魔ファンタジー×本格ミステリ!
<星海社 令和の新本格ミステリカーニバル>シリーズ、開幕!
新本格ミステリの父と謳われた名編集者・宇山日出臣が没して十五年余り。昭和に始まったこの新本格ミステリ・ムーブメントはその発端となった「小説」の垣根を越え、漫画・舞台・映像・ゲームなどあらゆる表現ジャンルへと飛翔を続けています。 だからこそ、我々星海社はあえてこの令和の世に「新本格ミステリ」を真正面から標榜し、原点たる「小説」として問い直したいと思います。
「新本格ミステリ」の魂(スピリット)を愛し、次代へと発展、継承すべく集ったとっておきにして腕ききの小説家陣による「新本格ミステリ」の、最前線にして現在の到達地点を、どうか存分にお楽しみください。
星海社FICTIONS編集長 太田克史
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