東京オリンピックを控え、サイバー犯罪への対処が課題になる現代の東京を舞台に、サイバーセキュリティ製品「クー・フーリン」を扱うショウが、失踪した元同僚サクの行方を追う。会社は解散し、残された仲間も別の道へ進んだが、捜索の途中で仮面に義手義足の女性、廃屋に住む闇医者、落ちぶれた元上司、新型の拳銃を扱う非合法員らと接点を持つ。仕事としての技術、職業を選ぶことと人生を選ぶことの結びつき、同じ職場にいた人間関係の変化が物語の軸になる。既存技術のみで組み立てた、ハッカーたちの現代劇で、捜索は単なる事件処理ではなく、誰がどの立場で何を担うかを問い直す流れとして進む。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- サイバーセキュリティやITを題材にした近未来クライムノベルとして、現実味のある設定が強い。
- 専門知識があってもなくても追えるように、用語や技術描写が平易で読みやすい。
- 友情、意地、葛藤を軸にした人間ドラマが、硬派な題材の中で熱量を生んでいる。
- 後半に向けて一気に緊張感が高まり、ハードボイルドな手触りや重さが印象に残る。
- 映像化を想像したくなる派手さや、映画的な展開の強さがある。
こんな人におすすめ
- IT、セキュリティ、近未来SF、クライムサスペンスが好きな人。
- 専門用語が出ても、物語の勢いで読める作品を求める人。
- 仕事小説のリアリティと、青春ものの熱さを両方楽しみたい人。
- 友情や相棒関係の変化を軸にした物語が好みの人。
- 軽いラノベ感より、硬派で重めの読後感を求める人。
人を選ぶポイント
- ITやネット文化のネタが多く、元ネタの一部は拾いにくい。
- 序盤は人物関係や状況がやや入り組んでいて、乗るまで時間がかかる。
- 明るい雰囲気より、ダークでダーティーな方向に進むため軽快さは少ない。
- 事件や技術のリアルさが強く、読後に現代社会の怖さを意識しやすい。
- 合わない人には、専門性の高さや会話の癖が引っかかりやすい。
テンポ・読後感
- 序盤は回想や説明が多めで、じわじわ状況を積み上げる入り方。
- 中盤から後半にかけて緊張感が増し、熱い展開と濃い会話で一気に加速する。
- 近未来のテクノロジー描写は冷たく、物語全体にはハードボイルドな空気がある。
- 友情や執着が強く出る場面では、感情の温度が高くなる。
- 物語の重さに対して、読み味は意外とテンポよく進。
キャラクターへの評価
- ショウは真っ直ぐで、失踪した親友への思いを引きずる不器用さが目立つ。
- サクは天才肌で、技術面でも思想面でも強い存在感がある。
- 二人の関係は「二人で一組」と見られるほど濃く、相棒感が作品の核になっている。
- 周囲の人物も個性が強く、変人っぽさや癖のある会話が印象に残る。
- 主要人物の熱さや意地が、専門的な題材を人間ドラマとして支えている。
巻一覧
この巻のあらすじ
東京オリンピックを控え、加速するサイバー犯罪に対抗するため、高度な知的人材が求められる東京にて。クー・フーリンというサイバーセキュリティ製品をあつかうショウは、かつて同僚だったサクを探していた。 サクは優秀な開発エンジニアだったが、彼の失踪により会社は解散し、残された仲間も違う道へ進んでいた。ある日、ショウは知人に紹介された仕事を進める中、仮面に義手と義足という異様な姿の女性からサクの情報を得ることに。 廃屋に住む闇医者、落ちぶれたかつての上司、新型の拳銃をあつかう非合法員、さまざまな仲間に支えられ、ショウはサクに再会する。しかし、彼は――。 職業を決めることは人生を決めること。そう信じた親友同士の別離は、やがて大きな悲劇へつながっていく。 情報処理安全確保支援士、元JNSAメンバーの現役サイバーセキュリティエンジニアによる、既存技術のみで描いたハッカーたちのドラマ。
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