演劇中の事故をきっかけに、自分を『ハムレット』だと信じるようになった青年コマツを中心に、現実と戯曲の境界が揺らぐ物語。ソフエはコマツのいる『城』へ向かい、彼の状態を確かめようとするが、そこで行方が分からなくなる。続いてアユコが城へ向かうことで、周囲の人物の視点からコマツの言動とその影響が追われていく。舞台は『ハムレット』の登場人物を演じる場として組み立てられ、演劇、記憶、自己認識が物語の軸になる。単巻構成で、人物関係と状況の変化を中心に内容がまとまっている。|series_summaryは300〜500字の厳守に反するため、要件に合わせて再生成が必要です。

構造レビュー

編集部判定 判定なし

キャラクター B (2) レビュー

理由・補足

編集部

登場人物全員精神構造が歪んでおり、まともな人物は出てこない。彼等が隠し持った秘密や狂気が、ただでさえ難解な物語の複雑化を招いている。

設定・世界観 B (2) レビュー

理由・補足

編集部

他にはないメランコリックで独創的な世界観。覚めない悪夢を見ているような、現実離れした設定に不安を催す。読んでいるうちに現実と妄想の境界が溶け出し、虚構の箱庭に閉じ込められる。

話題性 C (1) レビュー

理由・補足

編集部

全く話題にならなかった。小説家・久生十蘭の短編を翻案した、意欲的な試みは評価できる。ガガガ文庫が最も尖っていた頃の産物。

初心者向け C (1) レビュー

理由・補足

編集部

全く初心者向けではない。純文学を読んでいる気持ちになる。

読後感の良さ C (1) レビュー

理由・補足

編集部

全て妄想オチと解釈できる終わり方。話の結論が出ない為、脳内が疑問符で埋め尽くされた。殺人事件の犯人すらハッキリせず、そもそも事件自体が妄想の産物かもしれないと疑わしくなるが、意味深なメタファーが至る所に仕込まれており考察は捗った。

テンポの良さ C (1) レビュー

理由・補足

編集部

悪い。台詞は少なく地の文が大半を占める。語り手の思考と幻覚が地続きなせいで、今見ているものが現実かどうかすら曖昧になる。

読みやすさ C (1) レビュー

理由・補足

編集部

純文学に耐性がない人間は振り落とされる。エンタメらしい求心力はない。語り手の独白が延々続いても飽きずに読める人向け。

短評・キャッチコピー

この項目をレビュー

編集部

自身をハムレットと思い込んだ狂人はシェイクスピアの夢を見るか?

編集部

久生十蘭の短篇『刺客』『ハムレット』を大胆に翻案した思考実験的ライトノベル。演劇中の事故で自身をハムレットと思い込むようになったコマツアリサと、様々な動機や目的を秘め、彼の城を訪れた人々のドラマが交錯する。

こんな人におすすめ

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  • AI分析(あらすじ)

    - 演劇モチーフの物語を読みたい人 - 現実と虚構の境界を扱う作品に関心がある人 - 少人数の人物関係で進む心理寄りの物語が好きな人

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編集部

樺山三英は日本の小説家。主にSFファンタジーを手掛けている。ラノベは本作が初挑戦。

イラストレーター情報

この項目をレビュー

編集部

竹岡美穂は日本のイラストレーター。妹はラノベ作家の竹岡葉月。イラストを手掛けたラノベは以下。 * ウォーターソング(著:竹岡葉月 / 集英社 / コバルト文庫) * 丘の家のミッキー 新装版(著:久美沙織 / 集英社 / コバルト文庫) * アリスシリーズ 新装版(著:田中雅美 / 集英社 / コバルト文庫) * さよなら月の船(著:片山奈保子 / 集英社 / コバルト文庫) * アクエルタルハ 1 - 3(著:風野潮 / ジャイブ / カラフル文庫) * 千年の時をこえて シリーズ(著:沢村凜 / 学研 / エンタティーン倶楽部) * ぴよぴよキングダム(著:木村航 / メディアファクトリー / MF文庫J) * “文学少女シリーズ”シリーズ(著:野村美月 / エンターブレイン / ファミ通文庫) * 黄昏色の詠使い(著:細音啓 / 富士見書房 / 富士見ファンタジア文庫) * 狩野俊介シリーズ 文庫版(著:太田忠司 / 東京創元社 / 創元推理文庫) * スワロウテイルシリーズ(著:籘真千歳 / 早川書房 / ハヤカワ文庫) * Θ 11番ホームの妖精シリーズ(著:籘真千歳 / 早川書房 / ハヤカワ文庫) * ほしのこえ The voices of a distant star(原作:新海誠 / 著:大場惑 / メディアファクトリー / MF文庫ダ・ヴィンチ) * ヒカルが地球にいたころ……(著:野村美月 / エンターブレイン / ファミ通文庫) * 本の怪談シリーズ(著:緑川聖司 / ポプラ社 / ポプラポケット文庫) * 『幸福論』(著:アラン / 訳:石川湧 / 角川学芸出版 / 角川ソフィア文庫) * ロスト・グレイの静かな夜明け(著:野村行央 / 集英社 / コバルト文庫) * 改訂版 センター試験 地理Bの点数が面白いほどとれる本(著:瀬川聡 / KADOKAWA・中経出版) * 八木澤菊乃の遺言(著:飯田雪子 / ティー・オーエンタテインメント / TO文庫) * 吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(著:野村美月 / エンターブレイン / ファミ通文庫) * 陸と千星 〜世界を配る少年と別荘の少女(著:野村美月 / エンターブレイン / ファミ通文庫) * ウソつきたちのクリスマス(著:みうらかれん / NHKオンライン / オトナヘNovel) * TROUBLE-A Part1・足りない言葉(著:みうらかれん / NHKオンライン / オトナヘNovel) * 楽園への清く正しき道程(著:野村美月 / エンターブレイン / ファミ通文庫) * ただ、それだけでよかったんです(著:松村涼哉 / アスキー・メディアワークス / 電撃文庫) * TROUBLE-A Part2・ゆがんだ鏡(著:みうらかれん / NHKオンライン / オトナヘNovel) * 神神神は、罪に三度愛される(著:梨沙 / 朝日新聞出版 / 朝日エアロ文庫) * 死んでも死んでも死んでも死んでも好きになると彼女は言った(著:斧名田マニマニ / 集英社 / ダッシュエックス文庫) * おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界(著:松村涼哉 / アスキー・メディアワークス / 電撃文庫) * 1パーセントの教室 シリーズ(著:松村涼哉 / アスキー・メディアワークス / 電撃文庫) * 針子の乙女 1 - 2(著:ゼロキ / エンターブレイン / ファミ通文庫) * 私たちは失いながら生きている(著:いぬじゅん / 一迅社 / メゾン文庫) * むすぶと本。『外科室』の一途 (著:野村美月 / エンターブレイン / ファミ通文庫) * 旅する錬金術師のスローライフ 1 - 2(著:川上とむ/ 双葉社 / Mノベルス)

編集部

2009年度 第9回Sense of Gender賞話題賞受賞

編集部

シェイクスピアの名作『ハムレット』を下敷きにしたメタ構造のミステリー。哲学的で難解な内容はきっぱり賛否が分かれる。信用ならざる語り手たちが肥大した自意識に囚われ、悲劇のような喜劇を繰り返す不条理劇として見れば、曖昧模糊とした結末も受け入れやすい。常識人の化けの皮が剥がれ、狂気が表出する瞬間には背筋が冷えた。変わったラノベを読みたい時にはおすすめ。

作品Q&A

評価されるポイントは? ストーリー
ベストアンサー
【おすすめキャラクター】 '''コマツアリサ''' 演劇中の事故がきっかけで記憶が混濁し、自身をハムレットだと思い込んでしまった青年。私的な募集に応じた役者をそばに侍らし、森の奥の城に引きこもって、ハムレットの劇を上演し続けている。

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読者の声

読者レビューをもとに AI が要約した内容です。

作品の魅力

  • 劇中劇や第四の壁の突破など、虚構と現実が入り混じる構造に圧倒される。
  • 詩的・哲学的な文章表現や、耽美で病的な雰囲気を楽しめる。
  • 理解しきれない晦涩さの中にも、強い読後感や「すごいものを読んだ」という満足感を覚える読者もいる。
  • 久生十蘭『ハムレット』を題材に、さらに濃い幻想性・狂気性へ踏み込んだ翻案として評価されることがある。

こんな人におすすめ

  • ライトノベルの枠を超えた実験的小説・ポストモダン幻想に関心がある人。
  • メタフィクション、不条理劇、狂気物語、演技と自己同一性をテーマにした作品が好きな人。
  • 整合性よりも雰囲気や思想性、読後の余韻を重視する読者。
  • 翻案元やシェイクスピア関連の知識があればより深く楽しめるが、なくても一定の魅力は伝わる。

人を選ぶポイント

  • 複数人物の独白が絡み合い、物語の整合性や全体像を掴みにくい。
  • 「何を言っているのかわからない」「もやもやした読後感が残る」といった否定的な感想も一定数ある。
  • 翻案元との比較や、前提知識の有無で評価が大きく分かれる。
  • 狂気や病的な空気感が強く、長く浸るとしんどいと感じる読者もいる。

テンポ・読後感

  • 夢と現実、妄想と演技の区別が曖昧で、霧中を漂うような読み心地。
  • 抽象的な議論と唐突な話題転換が繰り返され、読者自身も迷子になる体験型の作品だ。
  • 序盤の閉じた世界観の方が読みやすく、メタ展開以降は難度が上がる。
  • 再読や読了後の振り返りで、作者の意図がぼんやり見えてくるタイプだ。

キャラクターへの評価

  • ヘソムラへの好意的な言及(かわいい、後半から重要など)が目立つ。
  • 登場人物全体が狂気的・病的で、読者を同じように混乱させる存在として描かれている。
  • 翻案元との比較では、サカイの個性は本作では背景に回り、別キャラが前面に出ている。
  • 誰が誰なのか、どこまでが演技なのかが読者の解釈を揺さぶる構図だ。

巻一覧

ハムレット・シンドローム
2009年10月 ISBN 9784094511680
この巻のあらすじ

演劇中の事故以来、自分がハムレットだと信じ続けるコマツ。『ハムレット』の登場人物を演じる彼の城へソフエは向かう。コマツが本当におかしいのかを確かめに行ったソフエは消え、アユコが城へ向かうが……。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

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