舞台は戦火の気配が残る東京。かつて名探偵として知られた六元十五は、推理に没頭すると感覚を失う「失覚の病」を抱え、姿を消していた。七年後、助手の三田村が再び彼を見つけ出し、二人は不審な連続殺人と向き合う。事件は仏教の六道を手がかりに組み立てられ、密室、圧死、焼死、誘拐などの要素が連続する。六元は事件を解くほど失うものを抱えながら、捜査の先にいる黒幕へ近づいていく。探偵の身体的な代償と事件の進行が結びつき、荒廃した都市の空気の中で一続きの事件群としてまとまる。上・中・下の全3巻で完結する。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 戦後の東京を舞台にした、荒廃感のあるミステリーとしての空気が強い。
- 六道になぞらえた連続事件や、奇抜な殺害方法の発想が印象に残る。
- 推理のたびに感覚を失う探偵という設定が、物語全体の縛りとして効いている。
- 伏線の回収や、事件同士がつながっていく構成を評価する声が目立つ。
- 探偵と助手、黒幕を軸にした王道感と、そこから外れていく独特さの両方がある。
こんな人におすすめ
- 変わった設定の本格寄りミステリーを読みたい人。
- 事件のトリックや伏線回収を重視する人。
- 戦後日本の陰影ある雰囲気や、文学寄りの文体が好みの人。
- 探偵と助手の掛け合い、シリーズものの積み上げを楽しみたい人。
- 王道の枠組みの中で少し歪んだ展開を受け入れられる人。
人を選ぶポイント
- 感覚喪失の設定が物語上あまり切迫感につながらないと感じる人がいる。
- トリックや事件の手口が奇抜すぎて、納得感に引っかかる場面がある。
- 文章や会話のクセが強く、野暮ったさや読みにくさを覚える場合がある。
- ミステリーとしての厳密さより、雰囲気や仕掛けの面白さが前に出る。
- 結末や展開が素直ではなく、置いていかれた感覚を持つ読者もいる。
テンポ・読後感
- 事件は立て続けに起こり、推理のテンポは速め。
- 仕掛けや伏線が多く、読み進めるほど全体像が見えてくる構成。
- 陰惨な題材でも、探偵の飄々とした態度で空気が重くなりすぎない。
- 文章はやや癖がありつつ、会話は歯切れよく進。
- 不穏さと奇妙さが同居した、独特の高揚感がある。
キャラクターへの評価
- 六元十五は、美貌の名探偵としての存在感が強い。
- 感覚を失っていく状況でも動じにくく、悲壮感より凛とした印象が残る。
- 三田村は助手としての立ち位置がはっきりしていて、二人の関係性が気になる。
- 黒幕側の存在感や、事件を操る気配が物語の牽引力になっている。
- 探偵と助手の組み合わせに、歪みや切なさを感じる読後感がある。
巻一覧
この巻のあらすじ
破格の推理力を持ち、その名を轟かせた美貌の名探偵・六元十五。だが、戦火の気配漂う中、突如として探偵は表舞台から姿を消した。あれから七年――。助手として、数多の難事件をともに解決に導いた三田村は、荒廃した東京で六元に再会した。探偵は、告白する。推理に集中すると、感覚を失う「失覚の病」に冒されていることを。しかし、不可解な連続殺人が発生し、再び二人を事件に呼び戻す。
この巻のあらすじ
「失覚の病」、それは謎を解くと五感のひとつを失う、不治の病。病魔に冒された美貌の名探偵・六元と、助手の三田村は、荒廃した戦後の東京で、六道に擬えられた二つの殺人事件を解決した。直後、立て続けに、足痕なき開放空間での圧死――修羅の事件、凶器のない密室での爆死――餓鬼の事件が! 探偵の尊厳を奪い、すべてを操る黒幕は!? 失われる探偵の物語、加速する第二章!
この巻のあらすじ
密室での死刑囚の焼死にはじまる連続殺人事件は、仏教の六道に擬えられていた。探偵・六元は地獄界、天界、修羅界、餓鬼界の四つの事件を解決するごとに、自らの感覚を消失。残るは赤の視覚と聴覚のみだった。探偵を嘲笑うかのように、同居人の花純が誘拐され、姿を消す。黒幕との直接対決の中、六元の推理が反転し続ける真実に挑む。最後の感覚を失った探偵の運命は……!?
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