二十年前の戦争で壊滅した極東の島国・八洲を舞台に、兵器として生まれた少年九曜と、彼を人として扱う少女・叶葉が主従契約を結び、戦闘機械や軍部、鬼虫同士の衝突に巻き込まれていくシリーズ。九曜は同じ鬼虫の竜胆や、記憶を失った第三皇女鴇子、量産型鬼虫、黒塚部隊の人物たちと関わりながら、失われた兵器体系や星鉄の所在、各地に残る戦争の痕跡へ近づいていく。復興中の帝都東京、廃墟の尽天、氷結した落地など、土地ごとの状況差も物語の軸になる。本編に加え、前夜・幕間・後日談を収めた異譚集があり、周辺の出来事や別視点も補われる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 昭和風の空気感とスチームパンク的SF、レトロと先端メカが混ざった世界観。
- 虫型の戦闘兵器「鬼虫」「甲虫」を軸にした、描写に勢いのあるバトルと複数戦線の同時進行。
- 機械頭の主人公と、それでも人として接する少女のちぐはぐな関係性。
- 機械や改造人間に命と感情を吹き込む描写が、名も無き兵士まで心を動かす。
- 「終わらせる」ことを軸にした物語の骨格と、硬派さを保った読後感。
こんな人におすすめ
- ロボット・メカSFと近未来バトルが好きな読者。
- スチームパンクや昭和レトロの雰囲気を楽しみたい読者。
- 王道のボーイ・ミーツ・ガール要素を、萌え寄りではなくシリアスに読みたい読者。
- キャラクター同士の因縁や信念が絡む群像劇を好む読者。
- 全巻完結で伏線回収まで読み切りたい読者。
人を選ぶポイント
- 視点切り替えが多く、追いにくいと感じる場面がある。
- バトル描写は迫力がある一方、細部まで追い切れないと感じる読者もいる。
- 設定やキャラに既視感・ありがちさを感じ、突出した独創性は弱いと評する声もある。
- 覚醒や対峙など、溜めの長い展開を好まない読者には間延びに感じる巻もある。
テンポ・読後感
- バトル多めの巻では本編がテンポよく進み、一気読みしやすい。
- 対峙や覚醒など、じわじわ積み上げて終盤の盛り上がりに繋げる構成も目立つ。
- 安易な萌えに走らず、最後まで硬派なイメージで走り切るトーン。
- 戦闘のスピード感と迫力、信念を懸けた熱さが作品全体の印象を作る。
キャラクターへの評価
- 九曜は感情理解に乏しい機械頭の主人公として、制約の中でも決意のセリフや行動で存在感を示す。
- 叶葉はおバカに見えて要所で聡い一面があり、九曜を人として扱う軸役として評価が高い。
- 井筒は目覚めまで時間をかけ、その逡巡が巻の厚みと終盤の高揚につながる。
- 朧は叶葉への配慮が一貫して描かれ、因縁の一端として読者の関心を集める。
- 竜胆の涼やかさ、巴の美貌、伍長の軍人らしさなど、脇役も個性と読みごたえで語られる。
巻一覧
この巻のあらすじ
昭和一○一年夏。極東の島国《八洲(やしま)》は、二十年前の戦争で壊滅状態にあった。廃墟の町《尽天(じんてん)》では、人々が暴走した戦闘機械の脅威にさらされながら生きていた。 少女・叶葉(かなは)は戦闘兵器から逃れる最中、棺で眠る奇妙な少年と巨大な《蜂》に出会い、自分を助けるよう頼む。それは、少女と少年が“主従関係の契約”を結んだ瞬間だった──。 少年の名は、金翅(きんし)の九曜(くよう)。《蜂》と少年は、《鬼虫(きちゅう)》と呼ばれる、超高性能戦略兵器であった。叶葉は、兵器であるがゆえに人の感情が存在しない九曜を一人の人間として扱い、交流していく。 徐々に心を持ち始める九曜だったが、九曜と同じ鬼虫である《蜻蛉》四天(してん)の竜胆(りんどう)が飛来し ── !?
この巻のあらすじ
自国の今を知るため、帝都・東京にやってきた九曜と叶葉。復興の進む街で、九曜は機械兵を連れた不遜な少女に襲われる。『第三皇女・鴇子』 だと名乗る少女は、九曜に自らを守るように命令する。 誰から何故追われているのか記憶がないと言う鴇子。九曜は訝しむが、叶葉は彼女を放っておけないと言う。叶葉の懇願により、九曜は鴇子の情報を求めて軍の地下施設を訪れる。そこで彼を待ち受けていたのは、全滅したはずの《鬼虫》シリーズのひとりだった ── !? 第18回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作、第2弾登場!
この巻のあらすじ
量産型鬼虫たちが狙う第三皇女のクローン鴇子の記憶。それは、鬼虫の要を成す金属“星鉄”の存在だった。九曜たちが手にすれば、今は亡き鬼虫シリーズを復活させられるかもしれない。だが、量産型鬼虫たちが手にすれば、彼らの力は鬼虫と並ぶ。待ち受ける先にあるのは、闇か光か ──。二つの側面を併せ持つ金属“星鉄”を巡り、新たな戦いが加速し始める。 その頃尽天の町では、《蜂》と《蜻蛉》の機体、そして九曜の師であり好敵手である竜胆の体が、海から引き上げられようとしていた──。最強の兵器・鬼虫たちが繰り広げる神速アクション、シリーズ第3弾!
この巻のあらすじ
黒塚部隊によって、《蜂》と《蜻蛉》、そして竜胆の体が奪われた。九曜たちは仲間を奪還するため、《鬼虫》四番式・蜈蚣を目覚めさせようとする。しかし理論上は正しいはずの蘇生実験は、失敗を繰り返していた。 そんなある日、叶葉は帝都の町中で行き倒れている少女を助ける。クルスと名乗る少女は、「南が明るくなったら逃げろ」と叶葉に告げるが――? 果たして九曜は自らの半身《蜂》を取り戻すことができるのか。そしてクルスの正体とは!?
この巻のあらすじ
最強の兵器《鬼虫》たちはどのようにして集まり、人間から兵器になったのか。過去の記憶が交錯する中、黒塚部隊に囚われた竜胆が蘇生する。そして、竜胆と虎杖、因縁の兄弟が再会することに。 その頃、登坂研究所では《蜂》の修理が進んでいた。中央の高官から呼び出しを受けた巴は、これを好機と内通者のあぶり出しにかかる。そして、ついに黒塚部隊の烏帽子が姿を現す。しかし巴は、烏帽子によって生命の危機に瀕してしまうのだった。 一方、帝都の異常に気づき研究所から出動した九曜は、街で朧に襲われる叶葉たちを見つける。再び朧と戦闘に入る九曜。しかし戦いの最中、叶葉と鴇子が黒塚部隊の手に落ちてしまう。九曜はたった一人で叶葉たちを追うが――。 緊迫のシリーズ第5弾!
この巻のあらすじ
永遠の冬の街《落地》。二十年前の戦争で《鬼虫》八番式・蜉蝣の柊が自らの生命を賭して核爆発を止めた街だ。蜉蝣の力により、今なお氷漬けのまま、その時を止めている。 叶葉達をさらった黒塚部隊の目的地は、落地であった。氷に眠る少女・柊を目覚めさせ、蜉蝣と共に配下に置くためだ。九曜は黒塚部隊の計画の隙を突き、蜉蝣と柊を奪い取ろうとする。しかし二十年の永きにわたる眠りの中で、柊は自我を失っていた。 九番式の少年と八番式の少女、二十年の時を経た邂逅の行方は──。そして、黒塚部隊の手に落ちた蟋蟀の庵と蟻の楓、そして蜻蛉の竜胆の運命は──。 最強の兵器《鬼虫》達の神速アクション、クライマックスに向けて加速する第六弾!
この巻のあらすじ
雪解けの始まった落地では、鬼虫と甲虫の最後の戦いが始まった。剣菱の前に立ちふさがるのは戦闘狂の烏帽子。上空では、竜胆が虎杖と兄弟の因縁の戦いを繰り広げていた。叶葉達も、神鯨の乗組員の説得に当たろうと艦橋へと赴く。そして、九曜と朧の戦いもまた──。 人間から兵器になった鬼虫達の、戦中から続く長い戦いがついに終わりを告げる。譲れない信念を掲げた鬼虫と甲虫、果たして生き残るのはどちらか──。 最強の兵器達の神速アクション、本編感動の完結!
この巻のあらすじ
『前夜』九曜が鬼虫として目覚める前夜を柊目線で描いた物語。『幕間/昭和一〇一年の学校の怪談』帝都への旅の途中、九曜と叶葉が廃校で体験した一夜の不思議とは? 『幕間/迷宮電気街奇譚』廃墟の電気街・神原迷宮で九曜達が出会ったのは、機械仕掛けのメイドだった!? 『異説/私立やしま学園』もしも九曜達が普通の高校生だったら。まさかの学園編! 『後日談/ヱピグラフ』黒塚部隊との戦いで生き残った鬼虫達と叶葉は、世界を巡る旅をしていた。彼らにはある目的があって――? 電撃文庫MAGAZINE掲載の3編に加え、書き下ろし2編を収録した特別編!
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