本作は、15歳のときに成央が明澄俐乃のために作ったVRキャラクター「響來」が、19歳になった成央の前に現れるところから始まる現代寄りの青春ファンタジーである。芸能人として活動する俐乃、現在を生きる成央、そして二人の間に残った保健室での記憶や叶えられなかった約束を手がかりに、理想の自分と現実の自分の差をたどっていく。成央は響來との再会を通して15歳の時点で置き去りにした感情を思い出し、俐乃もまた居場所を求めて走り続ける現在の姿を見せる。物語は、過去の創作と現在の再会を往復しながら、響來が現れた意味へ近づく。単巻構成で、ひとつの物語としてまとまっている。
構造レビュー
編集部判定 判定なし
短評・キャッチコピー
この項目をレビュー編集部
過去に作成したVRキャラが現在に現れて伝えたいこととは。
編集部
主人公の青年・成央の前にある日突然VRキャラクタ-≪響來≫が現れた。彼女は15歳の成央が片想いしていた同級生・俐乃の為に作り上げた架空の存在だった。響來に乞われて再会を果たす成央と俐乃だが、嘗ての想い人は芸能界デビューを遂げ、別人のように輝いていて……。
こんな人におすすめ
この項目をレビュー編集部
VRキャラを作成したことがある人 普段からVRチャットで遊んでいる人 他人に言えない黒歴史がある人 理想と乖離した現実にコンプレックスを抱えている人
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AI分析(あらすじ)
VRや仮想キャラクターの設定、過去の記憶と現在を行き来する青春もの、自分の輪郭を探す題材に関心がある人。
イラストレーター情報
この項目をレビュー編集部
萩森じあはラノベのイラストを数多く手掛けるイラストレーター。代表作は以下。 「君が僕にくれた余命363日」 「死にたがりの僕たちの28日間」 「大嫌いな世界にさよならを」 「あの夏、夢の終わりで恋をした。」 「心は全部、きみにあげる」 「この物語を君に捧ぐ」 「ティーンズ文学館 嘘泣き女王のクランクアップ」 「生きづらい君に叫ぶ1分半」 「大嫌いな世界にさよならを」 「雨上がりの空に君を見つける」 「拝啓、私の恋した幽霊」 「さよなら、灰色の世界」
受賞歴
この項目をレビュー編集部
第17回小学館ライトノベル大賞受賞。
編集部
15歳の頃に共同作成したVRキャラが19歳になった両親に会いに来る青春もの。何者になれず無為な日々を送る主人公の閉塞感と、芸能人として成功を収めたヒロインの対比が痛々しい。「パパもママも堕落しやがって」と憤る響來のブレない純粋さは若気の至りの一言で片付けるには眩しすぎ、実現不可能な幸せを祈りたくなってしまった。
作品Q&A
評価されるポイントは? ストーリー
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読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 15歳の頃に作ったVRキャラ「響來」が現実に現れ、過去の憧れと現在の自分を突き合わせる設定の新しさ・独自性が高く評価されている。
- 「キャラクター」「自己」「アイデンティティ」を軸に、理想と現実のギャップや夢の叶い方・叶わなさ方を描くテーマ性の深さを称賛する声が多い。
- ラノベと文芸の中間のような文体や、場面描写を通じた感情の機微の表現が瑞々しく、刺さる読者には強く刺さる。
- 痛みや葛藤を伴いながらも、自分と向き合い直す過程に読み応えやメッセージ性を感じた。
- 受賞作らしい完成度や、作品に込められた熱量・懐の深さを高く評価する声も見られる。
こんな人におすすめ
- 思春期に「何者かになりたい」と強く憧れ、現実との落差に悩んだ経験がある人。
- VRキャラや創作キャラ、VTuber・Vsingerなど「作られたキャラクター」に親しみや感情移入したことがある人。
- 自分に被っている「キャラ」や、周囲に合わせて変わっていくことへの後ろめたさを感じる人。
- 尖った青春物語や、共感できない部分も含めてじわじわ刺さる作品を好む読者。
- 夢を叶えた側・叶わなかった側、どちらの立場にも投影して読める境遇差ドラマに興味がある人。
人を選ぶポイント
- 主人公・ヒロイン双方がこじらせていて共感しにくい、あるいは痛くてハズいと感じる。
- 設定や概念(キャラクターの奪われ方など)がやや強引・消化しきれないと感じる読者もいる。
- 対話中心で大義名分やテーマを語る場面が多く、ストーリーより雰囲気・思想性が先行すると感じる声がある。
- ラノベ寄りというより文芸・ライト文芸寄りで、尖りが強いため好みが分かれやすい。
- 一部キャラの言動や描写のリアリティ(食べ物の描写など)に違和感を覚える。
テンポ・読後感
- 全体的には、過去と現在を往還しながらじわじわ感情を掘り下げる、静かに熱い青春ファンタジー。
- 甘酸っぱいノスタルジアと、現実を突きつける痛さ・青さが同居していて、読み進めるにつれて重く刺さる作品だ。
- エンタメとして軽快に読めるタイプではなく、感受性やテーマへの共感度によって読み味が大きく変わる tempo だ。
- 思春期の未熟さや後悔、折り合いをつけた「大人」への移行を、感傷を凝縮したような密度で味わえる読後感だとするレビューがある。
キャラクターへの評価
- 響來は、変われない過去の理想像として「堕落」を糾弾する存在で、物語の核・最大の触媒として評価される一方、概念としてやや飲み込みにくいと感じる声もある。
- 成央は足踏みし続ける主人公として、成長の痛みや本音のなかなか言えなさが伝わる。
- 俐乃は夢を叶えた側として輝きと葛藤を持つヒロインで、成央との関係性の良さ・距離感が好意的に語られることが多い。
- 煙井は才能や話題性への尖りが強く、個性的で印象に残る脇役だ。
巻一覧
この巻のあらすじ
いくつキャラをこえれば、私は私になれる?
15歳の時に明澄俐乃のために作ったVRキャラクター≪響來≫。ただのキャラクターであったはずの彼女が19歳の成央の前に現れた。 響來の願いで再会する成央と俐乃。19歳の俐乃は芸能人となり、誰よりも輝きを放っていた。居場所を求め、傷つきながらも一人走り続ける彼女を見て、成央は15歳に置き去りにした感情を思い出す。
保健室で見た、「はじめて」の瞬間。 二人だけしか知らない、甘い時間。 そして、叶えられなかった約束。
鮮明に、克明によみがえる憧れと葛藤の欠片たちは、成央に突き刺さる。 19歳の現実と理想に向き合う中で、二人は本当になりたかった自分と、なれなかった自分を思い出していきーーやがて、響來が現れた本当の意味を知る。 第17回小学館ライトノベル大賞受賞作。キャラクターと葛藤が紡ぐ、優しくも切ない青春ファンタジー。
【編集担当からのおすすめ情報】 第17回小学館ライトノベル大賞で優秀賞に選ばれ、審査員を務めた武内崇先生にも高評価を得た今作。 「自分」という、世界中で最も価値が曖昧な存在に迷う人々に贈るキャラクター賛歌です! 「本当になりたい自分」と「なれない自分」その間で誰も抱く葛藤に優しく寄り添ってくれる快作となっております。
星評価・感想
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