『その勇者、虚ろにつき』は、剣と魔法の世界で魔王との戦争を続けるノル国が、国秘の召喚魔術で現代世界から勇者を呼び出すところから始まるダークファンタジー。召喚されたカゲイ・ソウジは、理屈ではなく自分だけの決めごとで動く殺人鬼として現れ、王城での事件ののち森で奴隷の少女ミトスと行動を共にする。彼の行動は晴天なら殺す、曇天なら生かすといった自己規則に従い、周囲はその制御不能さに振り回される。召喚魔術は国の戦力確保の手段として置かれ、勇者を呼ぶこと自体が戦争と統治の一部になっている。物語は城内、森、追跡へと移り、魔王に浸食される国の事情と、勇者と少女の同行が同じ流れで進む。

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  • AI分析(あらすじ)

    召喚勇者もの、ダーク寄りの異世界ファンタジー、追跡劇や異常な主人公を扱う物語に関心がある人。

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作品の魅力

  • 異世界召喚ものの枠で、勇者像を強くひっくり返す発想が目を引く。
  • 英雄へのアンチテーゼとしての構図がはっきりしていて、他作と違う刺激がある。
  • 容赦のない展開や残虐描写を前提にした、重く尖った作風が印象に残る。
  • 序盤の入り口はとっつきにくいが、合う人には先が気になるタイプの作品。
  • ただし、面白さよりも不穏さや強い負荷のほうが前面に出やすい。

こんな人におすすめ

  • ダークで救いの薄い物語を受け止められる人。
  • 勧善懲悪や王道の英雄譚を求めていない人。
  • 残虐描写や胸糞感のある展開に耐性がある人。
  • ひねった異世界もの、強い問題作を探している人。
  • 読後感の重さより独自性を重視する人。

人を選ぶポイント

  • かなり容赦のない描写があり、人を選ぶ。
  • 主人公への好感やカタルシスを期待すると外しやすい。
  • 序盤は入り込みにくく、読み進めるのに疲れやすい。
  • 気分が落ちる、胸糞悪いと感じやすい内容。
  • 残酷さを強めただけに見えると、魅力を感じにくい。

テンポ・読後感

  • 序盤から重く、立ち上がりのハードルが高い。
  • 展開は刺激的だが、読後の爽快感は薄い。
  • 緊張感と不穏さが続き、気力を使う読み味。
  • 物語の勢いより、強烈な設定と空気感で引っ張るタイプ。
  • じっくり読むほど消耗しやすいが、刺さる人には印象が強い。

キャラクターへの評価

  • 主人公は主体性の薄さと害悪さが強く、共感しづらい。
  • 英雄像を裏返した存在として、強烈な印象を残す。
  • 王族や国の英雄など、周囲の人物も悲劇性や緊張感を強める役回り。
  • 好感よりも不気味さ、危うさ、異物感が先に立つ。
  • キャラクターの魅力は親しみやすさではなく、強いコンセプトにある。

巻一覧

その勇者、虚ろにつき 勇者は少女を救えない
2022年12月 ISBN 9784040748191
この巻のあらすじ

剣と魔法の世界、魔王との戦争に明け暮れる同盟四国の一国、ノル国は国秘とされる召喚魔術により、現代世界より呼び寄せた勇者で魔王を倒そうとする。しかし、現れた勇者は魂が空洞の殺人鬼だったーー。魔王に浸食されつつある国を救うため、異世界から勇者を召喚したノル国だったが、何を間違ったか、人間の心を置き去りにした怪物を召喚してしまった。「勇者」の名はカゲイ・ソウジ。彼は物事の判断を自分の中での、理由なき決めごとの結果に従う。そこに理屈は存在しない。召喚後、青空の下で姫を殺め兵士たちを抹殺し、城を颯爽と出ていくが、その理由も「晴れていたら殺す、曇天なら生かすと決めていたから」でしかなかった。そんなソウジは森で奴隷の少女ミトスに助けられ、成り行きで行動をともにすることに。ミトスとの道程には、しばし穏やかな時間が流れるが、それもつかの間、「攪拌者(ミキシング)」と名付けらられたソウジには、勇者抹殺の命を受けた強力な追手が迫っていた……。運命に妥協なき! 唯一無二のソリッド・ダークファンタジー。

第一章 雲ひとつ無き、青空の下で/第二章 追う者たち/第三章 私は人間だ/第四章 それを恋と呼びことを、少女はまだ知らない/それが幸福だとは、勇者は知ることができない/エピローグ 勇者は少女を救えない

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