大学卒業を控えた楠田由宇子が、奇妙な古本屋「滴水古書堂」で働き始めるところから始まる現代ホラーシリーズです。店主の古戸時久は、身体の一部が時折異様に蠢く謎めいた人物で、店には一般流通に乗らない書物や異国語の題名を持つ本が集まります。由宇子は古戸とともに、持ち込まれる依頼や調査を通じて、古書と土地に結びついた不可解な出来事に向き合います。物語は、古本屋を拠点にした事件譚として進み、クトゥルフ神話を下敷きにした怪異、遺跡調査、書物にまつわる謎へと広がります。短編的な事件を重ねながら、店と人物の関係、古書に宿る情報、異様な現象のつながりが描かれます。続編『眠れぬ人の夢』では、同じ古書堂と人物を軸に、複数の事件が収録されています。

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  • AI分析(あらすじ)

    - 古書や書簡、手記など「本」に関わる題材が好きな人 - 現代を舞台にした怪異・ホラーを読みたい人 - 調査や依頼を軸にした事件譚に関心がある人

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作品の魅力

  • クトゥルフ神話や怪奇幻想を下敷きにした、奇妙で不穏な事件の連作として読める。
  • 読んだら死ぬ本、入れ替わり、吸血鬼、猫、宇宙人など、発想の飛び方が強い。
  • 古戸時久と楠田由宇子の掛け合いが軽妙で、重い題材でも読み口が意外と軽い。
  • 短編ごとのアイデア勝負に加えて、世界観の作り込みや雰囲気づくりが印象に残る。
  • ホラー寄りでも、謎解きより異様さや不気味さを楽しむ読み方に向く。

こんな人におすすめ

  • 怪奇幻想、クトゥルフ神話、TRPGリプレイ風の空気が好きな人。
  • ミステリの厳密な解決より、異常な出来事や設定の面白さを味わいたい人。
  • 暴力描写やスプラッタ、グロめの要素があっても平気な人。
  • クセのある主人公同士の会話や、ドライなバディ感を楽しみたい人。
  • 古書店ものの雰囲気を期待しつつ、そこから外れていく展開も受け入れられる人。

人を選ぶポイント

  • タイトルや古書店設定から連想する本格ミステリとはかなり違う。
  • 事件の真相をきっちり回収するより、謎を残したまま終わる話が多い。
  • 古本屋や本そのものの比重が薄く、怪異やSF寄りに感じる場面がある。
  • スプラッタやグロ、暴力的な描写が苦手だときつい。
  • キャラや構成に粗さを感じる読み手もいる。

テンポ・読後感

  • 短編を積み重ねながら、要所で中編が入るテンポのよい構成。
  • 文体は淡々としていて、怖さよりも妙な軽さや乾いたユーモアが立つ。
  • 異常事態が次々起きるのに、登場人物の反応が妙に落ち着いていて独特。
  • 不穏さはあるが、全体の読み味は重苦しすぎずサクサク進。
  • じわじわ怖がらせるというより、奇妙さと勢いで引っ張る感じ。

キャラクターへの評価

  • 楠田由宇子は、冷静さと過激さが同居した、かなり振れ幅の大きい主人公。
  • 進路や日常に迷いを抱えつつも、異常事態には意外と強く、ツッコミ役としても機能する。
  • 古戸時久は人間離れした気配が強く、正体不明さそのものが魅力になっている。
  • 二人の距離感はドライで、噛み合っているようで少しずれているのが面白い。
  • 猫や周辺の異形たちも印象が強く、可愛さと不気味さが同居している。

巻一覧

滴水古書堂の名状しがたき事件簿 1
2019年8月 ISBN 9784065164877
この巻のあらすじ

大学卒業を控え、進学も就職も選べなかった「私」こと楠田由宇子。あるきっかけから、「滴水古書堂」という古本屋でアルバイトを始めることになる。しかし、店主の古戸時久は謎めいた男。右半身にあたる部分がなぜか時折奇怪に蠢く、まさに「名状しがたい」動作をする男だった。さらに、店が取り扱う商品に漫画やベストセラーなどは一切なく、名前を聞いたこともない人物の全集や手記、書簡のほか、英語やラテン語、さらには謎の言語で題名が書かれた本など、普通の流通から弾き出されたような奇妙なものばかり。訪れる客ももちろん、少ない。しかし、物静かでトラブルのかけらもない店の空気に不思議な縁を感じた由宇子はこの店で働くことにしたのだった。 そんなある日、古戸を呼び出す一本の電話が店にかかってくる。なんでも、古戸の師匠のような老婆からの依頼だという。由宇子は古戸とともに鎌倉に向かうのだが、それは奇妙な事件のほんの小さな入り口に過ぎなかった。

クトゥルフ神話を下敷きに描く、現代ホラー物語。

滴水古書堂の名状しがたき事件簿 眠れぬ人の夢
2020年1月 ISBN 9784065185698
この巻のあらすじ

大学卒業後、「滴水古書堂」という古本屋でアルバイトを始めた「私」こと楠田由宇子。普通の古本屋かと思いきや、店が取り扱う商品は、普通の流通ではまずお目にかかれない奇妙なものばかり。しかも、店主の古戸時久に持ち込まれる依頼の数々のおかげで、一般常識ではおよそ考えられないような奇妙な事件に遭遇することになるのだった。 ある日、滴水古書堂に古戸の大学時代の同級生の乾という男がやってくる。歴史学者の乾は、ある遺跡を発掘中に見つけた不思議な金属の写真を古戸に見せ、この物体の正体と知りたいと相談を持ちかける。かくして古戸と由宇子は乾の遺跡発掘に同行することになるのだが……。人類の不思議な進化を巡る「時代の墓碑銘」など、全4編を収録。

クトゥルフ神話を下敷きにした、現代ホラー物語。

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