『帝都万華鏡』は、大正に元号が変わった頃の帝都を舞台に、石木琢馬と高市京介、横山春洋と岡野紘彦、東雲夏洋と久助を中心に、人と人の距離が揺れる様子を描く連作シリーズ。給費生の一高生、詩人、編集者、日本画家、帝大生、遊廓で育った青年など、立場の異なる人物が交差し、出会い、すれ違い、再会、嫉妬、進路や家業の迷い、秘めた事情が関係を動かしていく。帝都の学校、編集部、画壇、京都、吉原遊廓を行き来しながら、同じ時代空間の中で複数の人物関係が並走する構成。巻ごとに焦点人物が移り、詩作、絵画、出版、家業が恋愛の経過に重なっていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 大正期の帝都を舞台にした、湿度の高い耽美な空気が強い。
- 心理描写が細かく、すれ違いや片思いの重さがじわじわ効く。
- 叙情的で美しい文体、言葉選びの濃さが印象に残る。
- 風景や匂いまで立ち上がるような描写と、今市子の挿絵の相性がよい。
- BLとしての色気と、時代小説としての読み応えを両立している。
こんな人におすすめ
- 大正ロマンやJUNE系の耽美さを好。
- じっくりした感情の積み重ねを楽しみたい。
- すれ違い、片思い、報われにくい関係性に惹かれる。
- 文学寄りの硬めの文章や、古風な言い回しが苦にならない。
- キャラ萌えだけでなく、空気感や文体も重視する。
人を選ぶポイント
- 展開は派手ではなく、静かで重めに進。
- じれったさやもたつきが強く、好みが分かれやすい。
- 攻受や視点がはっきりしない導入があり、掴みにくいことがある。
- キャラへの感情移入がしづらいと、読後感がやや宙ぶらりんになりやすい。
- ラノベ的な軽さや即効性のある甘さを期待すると合わない。
テンポ・読後感
- ゆっくり進むが、感情の熱量は高い。
- 全体にしっとり、ねっとり、湿度が高い。
- 静けさの中に色気と切なさがにじ。
- 重厚で文学的、でも読み進めるほど没入感が増す。
- 余韻が長く残るタイプの読後感。
キャラクターへの評価
- 京介は強さと一途さが際立ち、内面の深さが印象的。
- 琢馬は弱さや卑屈さも含めて、複雑で掴みにくい存在として読まれている。
- 春洋は自尊心の高さと脆さが同居し、強い受けとして支持が厚い。
- 紘彦は年下らしい純粋さと、長く続く想いの重さが目立つ。
- 脇役にも存在感があり、主役以上に印象に残る人物がいる。
巻一覧
この巻のあらすじ
舞台は大正に元号が変わった頃の帝都。給費生として一高に入学した石木琢馬は、桜の下で出逢った美しい青年――高市京介に、かつてない感情を抱いていた。放課後、自作の詩をしたためた雑記帳を忘れてきた琢馬は、あわてて教室に駆け戻る。そこで雑記帳を読んでいたのは、あの京介だった――。やがて詩人と編集者となる二人の関係を、濃艶かつエロティックな文体で描いた異色のデビュー作。栗本薫氏、大絶賛!
この巻のあらすじ
すべては勘違いからはじまった――。ときは大正。女たちがひしめき合う吉原遊廓で生まれ育った横山春洋は、帝都の一高をやめ、いまは京都で絵画を学ぶ身。久しぶりの実家で座敷にあがった春洋は、馴染み客の息子・岡野紘彦と出逢う。紘彦からのまっすぐで無垢な求愛に、心惑わされる春洋。惹かれ合うもすれ違うふたりは――。濃艶な文体で綴られる、切ない恋物語。待望のシリーズ第2弾!
この巻のあらすじ
こんな人には、二度と出会えない――。横山春洋は日本画の画匠に、岡野紘彦は帝大生として家業を手伝う身となっていた。離れていた時間を惜しむように春洋に溺れる紘彦。帝都での二人の蜜月は、永遠に続くかのように思われた。しかし、紘彦の兄の死をさかいに、ふたたび引き裂かれることに――。デビューから半年、妖艶な世界はさらなる深みを増し、読む者の心をとらえて放さない。注目の一冊! シリーズ第3弾!
この巻のあらすじ
三十路に入り、編集者として多忙な日々を送る高市京介と、詩人としての地位を得つつある石木琢馬。しかし琢馬は、まだ誰にも告げられぬ事実を胸に秘めていた。変わらないはずの世界が、すこしずつ歪んでいく――不安を抱える琢馬の前に突然現れた京介の後輩、美作重三郎。美作の挑むような視線に琢馬は心惑わされる。そして、予想だにしない事件が彼らを襲う。濃艶なる大正浪漫シリーズ、いよいよ最終章!
この巻のあらすじ
大正時代の帝都。女たちがひしめき合う吉原遊廓で生まれ育った東雲楼の長男・横山夏洋は、一高へ進学するか家業を継ぐかで迷っていた。そんなとき、幼い頃から世話係としてそばにいた久助の恋の噂を耳にし、動揺している自分に気づいて、嫉妬心に苦しむことに……。濃艶な文体でつづられる大人の恋物語。人気シリーズ待望の最新刊!
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