近未来の日本で、人々が月にも住む時代に独立を宣言した鎖国国家「江戸国」を舞台にしたシリーズ。大学二年生の辰次郎は、請け人である巨漢の長崎奉行・馬込播磨守、通称金春屋ゴメスに引き合わされ、鬼赤痢と呼ばれる流行病、阿片の流通、江戸国への開国圧力などの事件に関わっていく。江戸城の評定、老中の命、異人たちの村、祭祀に使う薬物、白緑石をめぐる資源争奪など、閉ざされた国の制度と利権が事件の背景に置かれ、辰次郎とゴメスの組み合わせを軸に、江戸国の内側と外側をまたぐ調査が連なっていく。江戸時代由来の役職名と近未来の日本、月居住という要素が同居する。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 近未来の日本に「江戸国」が独立して残る発想が新鮮で、時代劇とSFの混ざり方が目を引く。
- 金春屋ゴメスの圧倒的な存在感、怪力や豪胆さ、頭の切れが強く印象に残る。
- 江戸の暮らしや人情、医療や捕物の要素が重なって、世界観の厚みがある。
- 阿片や奇病をめぐる謎解きが入り、単なる雰囲気ものではなく事件ものとしても読める。
- 部下や周辺人物の掛け合い、チーム感、ユーモアのあるやり取りが楽しい。
こんな人におすすめ
- 時代小説の空気感を残したまま、SFやパラレルワールド設定も楽しみたい人。
- 強烈な主人公と個性的な脇役が動く、にぎやかな群像劇が好きな人。
- 捕物帖、医療ミステリー、人情話を一冊で味わいたい人。
- 変わった江戸もの、架空日本、鎖国国家の設定に惹かれる人。
- 多少の荒さより発想の面白さや勢いを重視する人。
人を選ぶポイント
- 設定の独自性が強く、最初は世界観に入りにくいと感じやすい。
- 登場人物が多く、関係性や役割をつかむまで少し戸惑う。
- 作品の勢いはある一方で、構成や細部の粗さを気にする読者には引っかかりが残る。
- シリーズの続きや回収を期待すると、未消化感が残る場面がある。
- 爽快一直線というより、政治や制度のモヤモヤが残る展開もある。
テンポ・読後感
- 展開は比較的テンポよく、事件や潜入、追跡が次々に動く。
- 近未来なのに江戸の生活感が濃く、独特のゆるさと緊張感が同居する。
- 物語全体はにぎやかでユーモラスだが、事件面では不穏さや重さもある。
- ゴメスの圧の強さに対して、周囲が振り回される軽快さがある。
- シリーズが進むほど世界の広がりは出るが、スローペースに感じる部分もある。
キャラクターへの評価
- 金春屋ゴメスは怪物じみた強さと知性をあわせ持つ、忘れがたい主役格。
- 冷酷で無法者めいて見える一方、部下や仲間からの信頼が厚く、芯の強さが際立つ。
- 辰次郎や松吉は、振り回されながらも体を張る動きが魅力になっている。
- 脇役たちは個性が濃く、デレや掛け合い、潜入時の連携が見どころになる。
- ゴメスの馬や新キャラも含めて、人物と小道具の印象が強く残る。
巻一覧
この巻のあらすじ
なぜおれだけが生き延びたのだろうーー。近未来の日本に鎖国状態の「江戸国」が出現した。競争率三百倍の難関を潜り抜け入国を許可された大学二年生の辰次郎。その請け人は身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道で鳴らし大盗賊も思わずビビる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった! ゴメスに致死率百パーセントの流行病「鬼赤痢」の正体を突き止めるよう命じられた辰次郎はーー。日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
この巻のあらすじ
人が月に住む近未来の日本に、独立を宣言し、鎖国状態の「江戸国」が出現した。上質の阿片が海外に出回り、その産地として日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられた「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守は、阿片を祭祀に使用する異人たちが住む麻衣椰村に目をつけ、辰次郎や松吉に真相の究明を命じるがーー。『金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚』改題。
この巻のあらすじ
カネの亡者に、江戸国を渡してたまるか! 江戸国からの阿片流出事件について、日本から査察が入った。団長は大御所議員の印西茂樹。江戸城で評定が開かれる中、印西は秘密裡にゴメスに接触し、江戸国の開国と明け渡しを迫る。印西の目的は江戸国深くに眠る白緑石で、この資源を元にロケット燃料を開発し暴利を貪る算段だ。拒絶すれば江戸国は消滅ーー。開国以来の危機に襲われる江戸国をゴメスは守り切れるか。書き下ろし長編。
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