宮城県の町を舞台に、虫の魂が思春期の若者に憑くという伝承を軸にした青春伝奇シリーズ。中心人物は、身の丈に合わないおせっかいをしてしまう少年・有吉羽汰と、昆虫好きで引っ込み思案な姫宮凪。二人は、虫の魂に引き寄せられて起こる奇妙な出来事に向き合い、学校や身近な人間関係の揺れをほどいていく。物語は、虫と人間の境界が曖昧な町での出来事を通して、友達の有無、居場所、やりたいこと、自分らしさといった題材を扱う。各巻は、部活や学校生活に結びついた個別の悩みを拾いながら、少年少女の関係と心の変化を少しずつ広げていく。全3巻で、町の伝承と青春の問題が連続して描かれる。なお、各巻末に「ガ報」が付く。※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 虫の特性と青春の悩みを結びつける発想が新鮮で、設定の妙を楽しめる。
- 連作短編のように一話ごとの事件がまとまり、読み進めやすい構成になっている。
- 卑屈な主人公と虫好きのヒロインが、面倒ごとに首を突っ込みながら少しずつ変わっていく流れが見どころ。
- 昆虫の知識や生態が物語に自然に入ってきて、読後に調べたくなる。
- 人と人の違い、友達、成長といったテーマが芯にあり、青春ものとして刺さる。
こんな人におすすめ
- 昆虫ネタや生き物の雑学を物語で楽しみたい人。
- 思春期の痛さや卑屈さを含む、泥臭い青春ものが好きな人。
- 連作短編で少しずつ関係が変化していく作品を読みたい人。
- 変わった設定でも中身は王道の人情話を求める人。
- キャラの癖が強くても、成長や掛け合いを見守れる人。
人を選ぶポイント
- 主人公の卑屈さがかなり強く、序盤は読みにくく感じやすい。
- ヒロインの言動も含めて、最初は好感を持ちにくいキャラづけになっている。
- 虫の知識や説明が多めで、興味が薄いとやや情報量が気になる。
- 事件解決の着地があっさりめに感じられる場面がある。
- 重い背景や痛い感情が出てくるため、学生時代の自分に刺さりすぎるタイプの読後感がある。
テンポ・読後感
- 1話ごとに悩みを拾って進む、軽快さのある連作短編寄りのテンポ。
- 虫の話題はニッチだが、青春の感情線は直球で読みやすい。
- 序盤は卑屈さや距離感の悪さが目立つが、巻が進むほど空気がやわらぐ。
- 事件のたびにキャラが少しずつ前へ進み、瑞々しさが増していく。
- ほのぼのだけでなく、痛さや切なさも混ざる読後感。
キャラクターへの評価
- 有吉羽汰は器の小ささや卑屈さが強烈だが、その弱さを一貫して描くことで印象に残る。
- 姫宮さんは引っ込み思案でも、虫の話になると急に生き生きして魅力が立つ。
- 二人とも最初はクセが強いが、互いに影響し合って少しずつ変わっていくのが好評。
- 大人キャラでは、教師として一律ではない距離感を持つ人物が印象的。
- 脇役も含めて、悩みや立ち位置が虫の性質と噛み合っている。
巻一覧
この巻のあらすじ
一寸の虫にも五分の魂。それはヒトも同じ。
――宮城県宮城郡浦上町。そこは虫の魂が漂う不思議な町。時に虫の魂は未熟な思春期の若者の魂にひきよせられ、憑いてしまう。そんなとき、町の老人たちは、そっと若者に告げるのだ。「悪い虫に憑かれたら山の上の姫宮さんの所に行きなさい」と。
身も心も小さい有吉羽汰は、ある日突然、身の丈にあわない「おせっかい」をしてしまうようになってしまう。そのことを祖母に相談すると「……悪い虫さ憑かれたんだな」と姫宮さんのところへ行くように勧められるのだった。 だが、そこにいたのは昆虫のことが大好きなだけの、引っ込み思案の女の子で――?
セミの魂に憑かれ、五日おきにしか家を出られなくなった幼馴染み。 バッタの魂で集団化し、学校を支配し始めた女子ダンス部たち。 虫の魂による奇妙な騒動を、羽汰は虫好き少女姫宮さんとともに解決してゆくことになるのであった。 虫と人間、五分と五分の魂が巻き起こす、ちょっと不思議な青春物語。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
この巻のあらすじ
やりたい事。友達の事。そして星は輝いて。
姫宮凪には、友達がいない。 それは、自分を恥ずかしい人間と思っているから。 有吉羽汰には、友達がいない。 それは、人に与える何かを持っていないと思っているから。
でも、本当にそうなのかな。 ふたりは、ふたりにしか出せない光を持っている。
ある日クラスから孤立したギャル。 やる気が持続しない女子サッカー部員。 そして、夜にひとり、星と会話する少女。
虫を引き寄せる少年少女たちの悩みが、彼らをちょっぴり大人にしていく。 少しの背伸びが、いずれ背伸びじゃなくなるように――。
星降る夜におくる、ヒトと虫の魂が織りなす、とある青春の物語。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
この巻のあらすじ
醜い自分、気高き自分。その狭間で。
天文部という居場所を見つけ、変わっていく凪。 それを見てもどかしい思いを抱える羽汰は美術部の門を叩く。
だが、自分にとって美術が本当にやりたいことなのか。 自分にできることなんて、この世に一つでもあるのだろうか。 羽汰にはそれが分からない。
かつてなりたかった自分。いつしか失われてしまった自信。今の自分。 もうその距離は、どうしようもなく離れてしまって。
体の色が変わってしまう美術部部長。 とある劇に固執する二人の演劇部員。 そして、どこかへ消えゆく姫宮凪――。
羽汰に憑いたメガネウラは、羽汰の何の想いに引き寄せられたのか。 逃げて、逃げて、逃げたその先に答えなんてものがあるのだろうか。
理想と現実の狭間に揺れる、ヒトと虫の魂がおりなす、とある青春の物語。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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