高校で「キモ男」と呼ばれる高寺一郎が、通学電車で見かける女子高生や、彼をヒーローと信じる少女・聖との関わりをきっかけに、等身大以下の存在として“正義の超人”を演じる物語。舞台は現代日本で、特撮やヒーロー番組への視線が物語の軸にある。主人公はいじめられた高校生から、特撮ライターとして生きる大人へと変わり、周囲の人物との距離感や憧れ、自己像の揺れが中心になる。シリーズは、日常の延長にあるヒーローごっこ、特撮制作への志向、夜の街での遭遇などを通して広がる。2巻では数年後の東京が舞台になり、聖の成長と新たなヒーローとの接触が加わる。続編は、主人公の現在地と過去の出来事をつなぎながら進む。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- いじめられっ子の卑屈さや見栄、嫉妬をかなり生々しく描いていて、等身大の痛さが強く残る。
- 特撮ネタやヒーローごっこの要素が多く、重い題材でも読み口に独特の勢いがある。
- ただの逆転劇ではなく、弱さを抱えたまま少しだけ前に進む流れが印象に残る。
- 友人や周囲の人物がやけに眩しく見え、その対比で主人公の陰が際立つ構図が効いている。
- きれいに割り切れない後味の悪さまで含めて、強く記憶に残るタイプの作品。
こんな人におすすめ
- しんどい展開や胸の痛くなる描写も含めて、リアル寄りの青春ものを読みたい人。
- いじめ、劣等感、自己嫌悪を正面から扱う作品に惹かれる人。
- 特撮やヒーローものの小ネタを楽しみながら読める人。
- すっきりした勧善懲悪より、苦さのある成長譚を求める人。
- ガガガ文庫らしい尖った空気感や、クセの強い主人公が好きな人。
人を選ぶポイント
- いじめ描写や悪意がかなり濃く、読んでいてかなりつらい。
- 爽快なカタルシスや明るいノリは薄く、後味も重め。
- 主人公の言動が気持ち悪い、クズっぽいと感じやすい。
- すっきりした救済や大団円を期待すると物足りなく感じやすい。
- 軽いラノベ感やコメディ寄りの作品を求めると温度差が大きい。
テンポ・読後感
- 展開は一気に読める速さがあり、ページをめくる勢いは強い。
- 空気は終始じめっとしていて、じわじわ削られる重さがある。
- ヒーローものの形を借りつつ、実際は内面の苦さを追う流れが中心。
- ラストに向けて少し熱が上がるが、全体としては救いが控えめ。
- 特撮ネタの軽さと、現実的な痛さが同居している。
キャラクターへの評価
- 主人公は卑屈で情けなく、見栄や嫉妬が前面に出る。
- それでも弱さを抱えたまま踏み出す場面には、妙なかっこよさがある。
- 聖は物語を動かす存在として強く、成長後の眩しさが印象に残る。
- 畑山は光の強い人物として見られやすく、主人公との対比で際立つ。
- 周囲の人物は善人や有能な人が多く、主人公の僻みを加速させる役回りになっている。
巻一覧
この巻のあらすじ
等身大以下の最弱リアルヒーロー参上!
オレの名前は高寺一郎。
高校では「キモ男」と呼ばれて、めちゃくちゃいじめられている。それはもうえげつないほどに。オレには自分のどこがキモいのかさっぱり分からないが、いじめる奴らに言わせると、存在自体がキモいのだと。 そんなオレの唯一の癒やしは、毎朝の通学電車のなかで出会う他校の女子高生・小宮美織を観察すること。美織のことはいろいろと知っている。一度家まで後をつけたことがあるから、彼女の自宅の住所だって知っている。なのに、向こうはオレがここに存在していることすら知らない。
ある日の放課後、美織に偶然会えたりしないかと、彼女の家の近所をうろついていたオレは、小学生の女の子が同級生に万引きを強要されている現場に遭遇した。なけなしの勇気を振り絞って助けてあげたその女の子はオレのことをヒーローか何かと勘違いしたらしい。その女の子――聖は、熱い尊敬のまなざしでオレを見つめながら言った。
「一郎にいちゃん、正義の超人ジャスティスターに変身して!」
この時から、惨めでカッコ悪くって最低に輝いた、オレの汗と涙にまみれた戦いの日々が始まったんだ――。
『初恋芸人』の著者が描く、等身大以下の最弱リアルヒーローストーリー!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
この巻のあらすじ
あれから8年。最弱ヒーローイズバック!
オレの名前は高寺一郎。 あのキモイマン騒動から8年が経った今、オレは東京で特撮ライターをやっている。といっても、それだけでは食えないのでバイトが命綱になっている。 でもいつかオレは、誰もが認める超おもしろい特撮ものの脚本を書き、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」のような歴史に残るヒーローを生み出すつもりだ。
そんなある日、大学に入学するため聖が東京へとやってくる。 キモイマンを憧れの目で見ていた小学四年生の女の子も、今や女子大生。 オレの予想通りに彼女はとんでもない美少女に成長していた。特撮オタクなのはそのままに。 オレの隣をこんなにも可愛い子が歩いている。 今も変わらず、「一郎にいちゃん」と親しみを込めてオレを呼ぶ聖に、淡い期待を抱いてしまう。オレの彼女になってくれたりしないかな。などと妄想しつつ聖と夜の街を歩いていたオレは、その時、偶然「アイツ」と遭遇した。
そいつの名はべー・グロス。 夜な夜な街に現れては悪を倒し、いま世間を騒がせている謎のヒーローだった――。 あの等身大以下のヒーローが帰ってきた! 最弱ヒーローイズバック!
※「ガ報」付き!
※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
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