大正二〜三年の日本各地を舞台に、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐が、土地に残る伝承や儀礼を手がかりに怪異の由来を調べる民俗学ミステリ。南洋の孤島では黄泉がえりと葬送の作法、北海道では鬼を恐れて隠れ住む村と婚礼、信州では神域の山と来訪神の祭祀が扱われる。いずれも、村や家に受け継がれた掟、少女たちの役目、禁足地の理由を追いながら、過去と現在にまたがる事情を現地調査でつなぎ直していく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 大正期の離島や山村を舞台に、祭礼や葬送、婚姻などの風習に潜む謎を追う構図が強い。
- 民俗学の知識や土地ごとの文化描写が細かく、背景の厚みで読ませる。
- 廣章と真汐の主従関係、信頼のやり取りがシリーズの大きな魅力になっている。
- 因習の裏にある理不尽や差別を暴き、閉じた共同体の空気を揺さぶる展開が印象に残る。
- 北海道・沖縄・信州と舞台が変わるたびに、土地の色と物語の手触りが変わる。
こんな人におすすめ
- 民俗学ミステリや伝奇もの、土着信仰の謎解きが好きな人。
- 因習、奇祭、閉鎖的な村の空気感に惹かれる人。
- 主人公コンビの信頼関係や成長をじっくり追いたい人。
- 文化の違い、差別、共同体の暴力を扱う重めの物語を読みたい人。
- 事件の解明だけでなく、土地の歴史や風習の掘り下げも楽しみたい人。
人を選ぶポイント
- 風習や用語の説明が多く、序盤は入りにくい。
- 読み進めるほど重い題材が増え、切なさや痛ましさが強い。
- 解決がすっきり割り切れず、苦味や余韻を残す巻がある。
- 民俗描写や文化の扱いに対して、受け取り方が分かれそうな部分がある。
- 事件の派手さより、背景の因習や人間関係の重さが前に出る。
テンポ・読後感
- 序盤は設定説明や土地の空気を積み上げるため、ややゆっくりめ。
- 中盤から謎や過去がつながり、先が気になる流れに入る。
- 軟禁や制限のある状況で動くため、閉塞感と緊張感が続く。
- 物語全体は陰鬱さがある一方、救いのある着地や希望も残す。
- 伝奇色とミステリ色が混ざり、重さの中に読み応えがある。
キャラクターへの評価
- 廣章は理知的で落ち着きがあり、部外者として距離を保ちながらも頼れる存在として見られている。
- 真汐は真っ直ぐで行動力があり、人を救いたい気持ちが強い。
- 真汐の未熟さや暴走もあるが、成長がはっきり感じられる。
- 2人の信頼の深さや主従のやり取りが、感情面の見どころになっている。
- 現地の少女たちや若者たちの境遇に、切なさや痛ましさが集まりやすい。
巻一覧
この巻のあらすじ
骸を撫でる少女たちは皆十八で呪の痣に殺される大正二年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は南洋の孤島に上陸した。この島に伝わる“黄泉がえり”伝承と、奇怪な葬送儀礼を調査するために。亡骸の四肢の骨を抜く過酷な葬礼を担う「御骨子」と呼ばれる少女たちは皆、体に呪いの痣が現れ、十八歳になると忽然と姿を消す。その中でただひとり、痣が無い少女がいた。その名はアザカ。島と少女に秘められた謎を暴く民俗学ミステリ。
この巻のあらすじ
流れ歩く村、滅亡の謎。彼我のどちらが鬼なのか。大正三年、帝大講師・南辺田廣章と書生・山内真汐は北海道・室蘭港に降り立った。流れ歩く村──鬼の襲撃を恐れ、アイヌに擬態し隠れ住むその村には、男女が入れ替わる奇妙な婚礼が伝承されていた。今は亡きその村の、最後の『神に聴く者』である女のもとに彼らが辿り着いたとき、過去と現在の謎が繋がり、悲しき真実が浮かび上がる。ふたりの少女の贖罪に涙する、民俗学ミステリ。
この巻のあらすじ
大正三年、帝大講師の南辺田(みなべだ)廣章(こうしょう)と書生・山内(やまうち)真汐(ましお)は、信州・諏訪大社の麓に降り立った。伯爵家に代々伝わる「鉄環(かなわ)のお役」を果たすために。神域の山で禁足地を犯した二人は、山奥の秘村に“来訪神(オトナイサマ)”と遇され、囚(とら)われる。臥龍洞で風の神を祀るその村では、十二年に一度の“奇祭”が今まさに執り行われるところだったーー。鉄環の謎と因習の裏に秘められた真実を暴く民俗学ミステリ。
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