1980年代の東京を舞台にした短編集で、三十路を超えた元不良少年たちが、十年以上前に姿を消した同級生の直子を思い出す物語を含む。彼らは彼女の個人的な事情をほとんど知らず、失われた関係の輪郭をたどるところから話が始まる。収録作は『明るい世紀末のすごし方』を含む単行本未収録作品7編で、都市の片隅にある人間関係や記憶の断片を描く構成になっている。シリーズというより作品集として、昭和の空気を残す街角と、そこにいる人物たちの過去がそれぞれの短編で切り取られる。短編集として完結している。直子をめぐる話は収録作の一部で、全体は複数の独立した短編で構成される。直子の行方や秘密の詳細は本文の範囲で追う形になる。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 単行本未収録の旧作をまとめて読める点が大きな魅力。
- 昭和ネタ、世紀末感、軽妙な会話やくだらなさが作品の味として受け止められている。
- ハードボイルド風味とコミカルさ、ほろ苦さや切なさが同居する作風が印象に残る。
- 竹本泉の挿絵やあとがき漫画も含めて懐かしさを楽しめる。
- 作品の完成度より、火浦功らしさを再確認できる一冊として読まれている。
こんな人におすすめ
- 火浦功の旧作や既刊を追ってきたファン。
- 昭和〜平成初期の空気感や当時の雑誌文化に親しみがある読者。
- 投げっぱなしの展開や未完も含めて作家性として楽しめる人。
- 作品の整合性よりノリ、台詞回し、軽さを重視する読者。
- まずは懐かしさや資料性を楽しみたい人。
人を選ぶポイント
- 未完の作品や途中で終わる話が含まれ、すっきりした読後感は弱い。
- 初読だと前提知識が足りず、内容がつかみにくい。
- 現代的な伏線回収やきれいな結末を期待すると肩透かしになりやすい。
- 80年代〜90年代の空気感が強く、古さが気になる読者もいる。
- 新作を期待して手に取ると、作品集の性格に戸惑いやすい。
テンポ・読後感
- 短編中心で読みやすく、軽快に進。
- くだらなさと脱力感が強く、肩の力を抜いて読める。
- 途中で放り投げたような感触もあり、まとまりより勢いが前に出る。
- 昭和のノリや懐古感が濃く、時代の匂いが強い。
- 一部の中編はセンチメンタルさや余韻が残る。
キャラクターへの評価
- 登場人物は若いというより、おやじっぽい会話や空気で読まれがち。
- ぼんやりしていて掴みどころがない人物像が多い。
- 自分を出すような遊び心や、楽屋落ち的な身内感が目立つ。
- ハードボイルド風でもどこか抜けていて、間の抜けた魅力がある。
- 作品によってはイラストで受ける印象と本文の人物像に差がある。
巻一覧
昭和な街角 火浦功作品集
この巻のあらすじ
1980年代の東京で、三十路を超えた三人の元不良少年たちが十年以上前に行方不明になった彼らのマドンナ・直子のことを、ふと思い出した。実は三人は、彼女の個人的なことを何一つ知らなかったのだ。一体、直子はどんな秘密を抱えて、彼らの前から姿を消してしまったのか......? 火浦功の尾道1部作(?)『明るい世紀末のすごし方』他、七編の単行本未収録作品を集めた奇跡の一冊!
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