現代を舞台に、幻香師として働く宗隆と、仕事と家を失った文緒が再会して始まる住み込み同居譚。昔、自分を救ってくれた相手の家で弟子として暮らすことになった文緒は、身の回りの世話をしながら、貧しい暮らしで身につけた節約や工夫を生かして宗隆の生活を支える。移動はタクシー、食事は出前という宗隆の世俗離れした暮らしと、生活感のある文緒の対比が軸になり、仕事、家計、住まい、そしてあたためてきた初恋が同じ日常の中で重なっていく。幻香師という耳慣れない職業名や、収入がないのに回っているようで回っていない家の事情が、二人の距離を近づける背景として置かれている。恋愛の進行と生活の立て直しが並行する構成で、師匠と弟子という呼び方のまま始まる関係が、住み込みの毎日のやり取りを通して形を変えていく。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 幻香師という珍しい職業の仕事ぶりが細かく描かれ、組紐・香炉・草木染めなどの描写が印象に残る。
- お仕事要素だけでなく、過去の出来事につながる骨格があり、話の流れに安定感がある。
- 文緒の好意が隠しきれない感じと、宗隆がそれを受け止めきれない距離感が楽しい。
- 節約上手な弟子と金銭感覚が浮世離れした師匠の対比が、暮らしの場面を読みやすくしている。
- ラブコメ寄りの空気に、ファンタジー要素がほどよく混ざっている。
こんな人におすすめ
- お仕事ものと恋愛要素の両方を楽しみたい人。
- 珍しい設定や職業の細部を読みたい人。
- 軽めに読めて、師弟関係のやり取りでニヤニヤしたい人。
- 若めの読者向けの雰囲気が合う人。
- さらっと読めるファンタジーラブコメを探している人。
人を選ぶポイント
- 幻香師という設定の説明があるので、序盤は少し独特に感じる。
- 体質や過去に関わる話は要素が多く、終盤はやや詰め込み気味。
- 宗隆の設定は面白いが、背景が十分に活かし切れていないと感じる人もいる。
- 物語の解決部分はもう少し余裕がほしいと受け取られやすい。
- しっかりした重厚さより、読みやすさと雰囲気重視の作品。
テンポ・読後感
- 全体はさらっと読めて、テンポは軽快。
- お仕事描写と恋愛の掛け合いが交互に入り、飽きにくい。
- ふわっとしたラブコメ感の中に、過去へつながる筋の通った展開がある。
- 依頼や設定の説明が多めでも、流れは比較的安定している。
- 終盤は少し慌ただしく、まとめに向かって一気に進む印象。
キャラクターへの評価
- 文緒は不幸体質でも前向きで、行動力のあるサバイバーとして見られている。
- 宗隆は浮世離れした師匠で、照れや反応の鈍さが恋愛面の見どころになっている。
- ふたりの気持ちの差がはっきりしていて、片思いの温度差が楽しい。
- 師匠と弟子の関係性が、恋愛の進み方にもそのまま効いている。
- 脇役や依頼人よりも、まずは主役ふたりの空気感が強く印象に残る。
巻一覧
この巻のあらすじ
貴方が初恋の相手なんです
(お金に頓着がない元御曹司)師匠と(知恵と工夫のサバイバー女子)弟子のボタニカル倹約生活!?
仕事と家を失くした日に、昔、自分を救ってくれた青年・宗隆と再会した文緒。 怪我をさせた代わりに弟子として彼の家に住み込み、身の回りの世話をすることに。 「幻香師」という耳慣れぬ職を生業とする宗隆だが、移動はタクシー、食事は出前、しかして今月の収入はゼロ! 浮世離れした経営ぶりに、文緒は貧乏暮らしで磨いた生活力を遺憾なく発揮する。 あたため続けた初恋が再燃しているのは隠しおおせている…はず!?
◆ 著者について 青谷真未 (あおや まみ) 『鹿乃江さんの左手』で第二回ポプラ社小説新人賞・特別賞を受賞し、同作でデビュー。 著作に『鬼の当主にお嫁入り ~管狐と村の調停お手伝いします~』『読書嫌いのための図書室案内』などがある。
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