大学生の宮里雪也が、母の名代で訪れた神戸の旧家をきっかけに、家の息子・青璽と出会い、夏休みの家庭教師を務めることになる物語。舞台は現代の神戸と旧家の閉じた人間関係で、季節はずれの梔子の香りや人には言えない夢が、雪也の身辺に起こる奇怪な出来事へつながっていく。中心には、先祖から現代へ連なる恋心と、初対面なのに旧知のように感じる二人の関係がある。物語は恋愛の気配と伝奇的な不穏さを軸に進み、家と血縁、記憶と感情のつながりを扱う。単巻作品として、ひとつの事件と関係性を凝縮して描く構成になっている。単巻完結のため、続編や外伝の整理はない。続編や外伝の展開は確認できない。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 戦時下から現代へつながる旧家の因縁が、梔子の香りを軸にほどけていく構成。
- しっとり濃密で古風な空気感があり、JUNE的な耽美さとサスペンスの混ざり方が印象的。
- 祖父世代の切ない恋と、孫世代の出会いが重なっていく運命性が強い。
- 文章の読み心地がよく、ぐいぐい読ませる力や読み応えを評価する声が目立つ。
- 夏乃さんの挿絵が作品の透明感や時代感に合っている。
こんな人におすすめ
- 旧家もの、血族の因縁、昭和戦前戦中の空気感が好きな人。
- BL要素だけでなく、ミステリーやサスペンス、少しホラー寄りの雰囲気も楽しみたい人。
- しっとりした耽美系、JUNE風の重めの関係性に惹かれる人。
- 事件の謎解きよりも、人物同士の感情の交錯や余韻を重視する人。
- 匂わせからしっかりした関係性まで、レーベル横断の雰囲気を受け入れられる人。
人を選ぶポイント
- 謎解きの決着が手紙や告白中心で、展開があっさり感じられる。
- 現代の二人の恋愛描写は控えめで、祖父世代の印象がかなり強い。
- 片方の気持ちの掘り下げが弱く、恋の説得力に物足りなさが残る。
- 言葉づかいや方言、人物の退場のさせ方に引っかかりを覚える読者がいる。
- 作品区分に対してBL度の受け止めが割れやすく、期待値の調整が必要。
テンポ・読後感
- 現代と過去を行き来しながら、静かに引き込む落ち着いたテンポ。
- 前半は雰囲気重視、後半で秘密や因縁が一気に明かされる流れ。
- しっとり、切ない、少し不穏な空気が続き、終盤は感情の余韻が強い。
- ぐいぐい読める一方で、細部の粗や急ぎ足に気づきやすい。
- きれいにまとまった読後感と、続きが気になる未完感が同居する。
キャラクターへの評価
- 祖父世代の久弥と貴臣の関係が最も強く印象に残る。
- 雪也はまっすぐで受け止め役として見られやすい。
- 青爾は魅力を感じる読者がいる一方、気持ちの見えにくさを指摘されやすい。
- 家のしがらみや周囲の人物は濃いが、途中で薄くなる存在もある。
- 罪深さや切なさを背負う人物像が強く、幸せを願う読後感につながっている。
巻一覧
あやめも知らぬ
この巻のあらすじ
大学生の宮里雪也は母の名代として、神戸の旧家の葬儀にでかける。そこで、その家の息子、青璽と初めて出会うが、旧知のような不思議な感覚に囚われた。ひょんなことから、夏休み中、青璽の家庭教師をすることになった雪也だったが、季節はずれの梔子の香りが原因か、人には言えない夢に悩まされる。先祖から現代へと繋がる複雑な恋心を発端に、奇怪な事件が続く!? ホワイトハート新人賞受賞作!
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