舞台は高校の音楽部室まわりに集まる日常で、ピアノの才能を持ちながら鍵盤から距離を置く転校生・蛯沢真冬と、空き教室で音源を聴いていた市原ナオが、民俗音楽研究部の活動を通じて交わる物語。神楽坂響子や幼なじみの千晶、ヴァイオリニストのユーリも加わり、ギター、ベース、ヴァイオリン、歌の演奏が人物関係の変化と結びついていく。合宿、初ライブ、合唱コンクール、体育祭、文化祭、誕生日やクリスマスなど、学校の節目ごとに出来事が積み重なり、真冬の抱える事情と周囲の思惑が少しずつ輪郭を持つ。本編4冊で一区切りとなり、短編集『encore pieces』が本編の合間や周辺人物の出来事を補っている。
構造レビュー
作品Q&A
読者の声
読者レビューをもとに AI が要約した内容です。
作品の魅力
- 音楽を中心に据えた学園青春で、ライブや合唱コンクール、文化祭などイベントごとの熱量が高い。
- 杉井光氏らしい音楽描写の説得力があり、演奏シーンが物語の推進力になっている。
- 「自分はどこにいるか」「なぜここにいるか」といった居場所と存在理由を問うテーマが各巻で深まる。
- 王道のボーイ・ミーツ・ガールとバンド活動の変奏で、次の展開が気になって読み進めやすい。
- 本編完結後の後日談で、キャラのその後まで味わえるシリーズ構成も評価されている。
こんな人におすすめ
- 音楽と青春小説、学園イベントものが好きな読者。
- バンド活動や仲間同士の絆、恋と友情の交錯を楽しみたい人。
- 不完全で鈍感な主人公の葛藤や成長を見守るタイプの物語が好きな人。
- 杉井光作品(『神様のメモ帳』など)の文体や読み心地に惹かれるファン。
人を選ぶポイント
- 主人公の鈍感さや優柔不断さにイラッとする場面が多く、感情移入の仕方が分かれる。
- 外国のロックやクラシックなど音楽の詳細に詳しくないと、演奏のイメージが追いにくい。
- ヒロイン交代型のハーレム展開ではなく、直巳と真冬の関係が軸のまま進。
- シナリオが直球で、意外性より王道感を重視する読み味。
テンポ・読後感
- 冬の舞台設定ながら、感情面では熱く刺さる読後感が強い。
- 一気読みや次巻への期待を呼ぶテンポで、連作短編集的なイベント進行もある。
- 少年漫画的な熱さより、置かれた状況の中での青春風景としての切なさが際立つ。
- 終盤は興奮度が上がり、音楽と恋が胸を高鳴らせるクライマックス感。
- 完結後は余韻と切なさが残り、後日談で束の間の幸せを味わえる。
キャラクターへの評価
- 真冬はわがままに見えながら人付き合いの苦手さやバンドへの複雑さを抱え、ナオにだけ心を開く。
- 直巳(ナオ)は徹底的に鈍感で優柔不断だが、そのぶん周囲の想いに揺さぶられて傷つき成長する。
- 哲郎は最終巻で存在感が増し、シリアスな場面とのバランスを取る要として評価される。
- ユーリや神楽坂先輩、千晶など脇役も波乱を起こし、嫉妬や憧れの葛藤を描く。
- 登場人物は器用そうで不器用、可愛らしさと青春らしい不器用さが同居している。
巻一覧
この巻のあらすじ
「六月になったら、わたしは消えるから」 転校生にしてピアノの天才・真冬は言い放った。彼女は人を寄せ付けずピアノも弾かず、空き教室にこもってエレキギターの超速弾きばかりするようになる。 そんな真冬に憤慨する男子が一人。 大音量でCDを聴くためにその教室を無断使用していたナオは、ベースで真冬を“ぶっとばす”ことにより、占拠された教室の奪還をめざす。民俗音楽研究部なる部活の創設を目論む自称革命家の先輩・神楽坂響子とナオの幼なじみ・千晶も絡みつつ、ナオと真冬の関係は接近していくが、真冬には隠された秘密があって――。 恋と革命と音楽が織りなすボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。
この巻のあらすじ
天才ピアニストにしてピアノを弾かず、人を寄せ付けない蛯沢真冬をギタリストとして迎えた民俗音楽研究部は、自称革命家の部長・神楽坂響子の独断と独走により海へ合宿にいくことになる。 海といえば海水浴! と妙にはりきる幼なじみ・千晶、珍しく思い悩んでいる様子の神楽坂、そしてやっぱり部活に馴染みきれない真冬。そんな三人との合宿で波乱がないわけはなく、ナオはすっかり翻弄されるが――。 おかしくて少しせつない、恋と革命と音楽が織りなすボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー、第2弾。
この巻のあらすじ
はじめてのライブを終え少し距離が縮まったナオと真冬は、息つく暇もなく二学期のイベントシーズンを迎える。合唱コンクールに体育祭、そして、フェケテリコ初の単独ステージとなる文化祭。神楽坂率いる民俗音楽部の面々は、ときに敵としてときに仲間としてしのぎを削る。 そんな折、真冬の前にひとりのヴァイオリニストが現れる。ジュリアン・フロベール。通称ユーリ。いたいけな女の子みたいな見た目で、真冬に気安く接する彼は、かつて共に演奏旅行をした仲だという。さらに彼の出現を境に真冬の指が動くようになり、ナオの動揺を誘うが――。 おかしくて少しせつない、恋と革命と音楽が織りなす物語、第3弾。
この巻のあらすじ
真冬と出会った春。海への合宿とはじめてのライブを経験した夏。さまざまなイベントを経て真冬への想いに気がついた秋。――そして冬。真冬の誕生日とクリスマスの季節。ナオはその機会に自分の想いを言葉にしようとするが、神楽坂の思惑や千晶の想いに翻弄され、なかなか一歩が踏み出せない。一方で再度のライブに向けてフェケテリコは練習を開始する。そんな中、真冬の身に異変が起こり――。はたしてフェケテリコと四人の恋の行方は? おかしくて少しせつない、恋と革命と音楽が織りなす物語、完結編。
この巻のあらすじ
とあるピアノソナタに秘められた真実がナオと真冬を結びつける「Sonate pourdeux」。フェケテリコに新しく加わったサポートメンバーと千晶の交流を描く「翼に名前がないなら」。治療のため渡米した真冬とナオの間を行き来するユーリ――本編4巻の空白の時間を埋める「ステレオフォニックの恋」。神楽坂のトレードマーク、黒のレスポールにまつわる過去のバンドの逸話、「最後のインタビュー」。さらに哲郎を描いた掌編「だれも寝てはならぬ」の5編を収録。 恋と革命と音楽が織りなす物語、珠玉のアンコール・ピース集。
星評価・感想
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らかぁ 5 音楽のノリと本質について
とにかく好きでたまらない一冊。
冒頭の合唱コンクールの結果は、結果に至る過程がとてもよくできている。
そして中盤にDJがあるキャラクターに対して言うセリフが、音楽の本質を表しているのに感動した。なお、それに対するあるキャラクターの応答で救われた気がした。 -
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